PINTのリネン生地を全てお願いしている、滋賀県近江八幡で織られる機元(はたもと)。
原料、紡績(糸づくり)からクオリティを厳しく管理しながら独自に原料調達をされて、リネンを織るにはとても難しい旧型シャトル織機を使って生地を織っています。
良い糸を、量もたっぷり使って密度高く織り上げているため、風合いも抜群に良い。コレクションブランドにも多く使われている、上質な生地。糊付けもしていないので、一般的に生地屋さんに並んでいるリネン生地や、リネン雑貨でイメージされる生地とは違うものかもしれません。長く、育てながら楽しんでいただける、自信を持っておすすめできる生地です。
糸の太さや織り密度で厚みや質感は様々ですが、PINTのリネン製品は全て同じように作られた生地を使っています。このリネンコートで使っているのは、やや細めの45番手程度の生成りの糸を高密度で織ったリネン100%の生地。エプロンやテーブルクロスで使っている生地で、透け感はないですが重さもなく、この生地でロングの羽織を作りたいと思いました。
生地から出発して、初めてオリジナルで製作したリネンの羽織。
洋とも和とも捉えられる形。ボタンも紐もなく、そのままシンプルに羽織るロングのジャケット、コートです。紐もついていないため、身幅はやや絞っており、潔くすっきりしたシルエットとパターン。
サイズはレディースフリーサイズです。
襟の見返し部分と袖裏は、同生地の端切れを捨てずに活かして縫い合わせています。これ以上ないほどシンプルなデザインの中のアクセントに。袖に関しては、折り返して着ていただくと、この縫い合わせ部分が表に出せます。
スリットが深めに入っていて、動きやすさはもちろんですが、デザインのワンポイントになりつつ、見た目にも軽く、生地の動きが出ます。
糸は太くなく生地自体も重くはないので、生地量はたっぷりですが、重さはあまりありません。アウターとしてのコートというよりも、さっと羽織って、長く着てもストレスのない羽織りになりました。
この生地は、染めをしていない素材そのままの生成り生地。長く着ていただけたら嬉しいです。長く着ていただいて、いつか色を変えたくなったとき、もし気になるほどの汚れや染みなどができてしまったときなどは、染め直ししながら着ていただけるように考えました。天然染料の染めでも生地と同様に染まるように、縫製は絹糸を使っています。(縫製強度はありますので、ご安心ください。)後襟の内側部分には、ロゴなどは入れていませんが、タグの形で、本体と同じ生地をつけています。染める際、染め色のサンプル布としてもお使いいただけます。