木
この地の暮らしに活きるもの
木は、日本の身近で豊富な資源として、長い間親しまれている素材。様々な加工技術が生まれて、古くから建築や生活道具に使われてきました。
取り扱いが難しいと思われがちですが、木の特長とちょっとしたポイントを押さえるだけで上手に付き合うことができます。オイル仕上げでも漆仕上げでも、取り扱いのポイントはシンプル。ウレタン塗装などしていない木製品は、使い込むほどに味わいが増してゆく魅力があります。実際に使ってみると、素材の温かみや、木目の美しさだけでなく、使いやすさも実感できます。
木にもたくさんの種類がありますが、それぞれの木の特性に適した用途や技法が選ばれ、活かされ方はさまざまです。Pint!では、それぞれの技法や仕上げごとに、専門の職人と直接ものづくりを行なっています。
製品の厚さや形、塗装仕上げ方法により、取り扱いとお手入れ方法は様々です。詳しいお手入れ方法は、それぞれの製品ページをご覧下さいませ。
- 加工技術
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曲げ物
木を薄く切って曲げるため、軽さが魅力の「曲げ物」。古くから、山仕事のときの弁当箱として使われていたといわれます。
木曽地方で作られるPint!の曲げわっぱは、拭き漆で仕上げているため、お手入れが簡単。日々の様々なシーンでお使いいただけます。
指し物
釘を使わず、板を組むことによって箱形のものを作る「指し物」。古くから建築や家具などに用いられる技法です。
Pint!では木工家具職人と共に製作しています。サイズや形の自由度が高いことも特長。精巧な技術で木が組まれた部分は、装飾とはまた違った美しさがあります。
- 木の種類ごとの特長
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こちらは一般的に挙げられる特長です。厳密には木の部位により木目、色、硬さ、重さも異なり、絶対的なものではございません。
檜 ひのき
長野県木曽地方の曲げ物では、曲げてある側板部分に檜を使っています。同じく木曽で採れる椹よりも曲げに適しているそうです。強い香りも特長です。
椹 さわら
長野県木曽地方の曲げ物では、蓋と底板に椹を使っています。同じく木曽で採れる檜のようには曲がらず、檜に比べて香りも少ないことが特長。檜と組み合わせることで、木曽の曲げ物ができます。
欅 けやき
木目が美しく、磨くと光沢が生じると言われます。堅くて摩耗に強く、古くから建築材にも使われてきた木です。
桑 くわ
硬く、磨くと深い黄色味を持つ美しい色になると言われます。木材としての流通は少なく希少です。
栓 せん
寒い地域に自生する木。冬の厳しい寒さに耐え忍び、木目は明瞭で、白く美しい木です。
栃 とち
栃の実でも知られる木。まっすぐ伸びる木ではないため、木目は変化に富むおもしろさがあります。
樅 もみ
クリスマスツリーでも知られる木。製作する木地師が地場の独自のルートで仕入れており、木の器としては珍しいです。
桜 さくら
日本で古くから愛されている木ですが、木材としても、特徴的な赤めの色と木目は人気です。桜の仲間の山桜の皮は、曲げ物の合わせ目のつなぎを縫うためにも使われています。
栗 くり
水に強い木。明瞭な木目と、独特な色合いが特徴的です。
胡桃 くるみ
軽くて、反りにくい木。優しい女性的な印象の木です。
樺 かば
適度な重みがあり硬く、傷がつきにくい木。上品な風合いで食卓にも合わせやすいです。
- お手入れ方法
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木をそのまま活かした製品は、呼吸を続けています。そのため、材木にする過程で十分な乾燥を行なっていても、湿度や温度の変化により、伸縮を起こすことがあります。(それこそが木製品の機能であり魅力です。)ここでは、木の素材の製品に共通する付き合い方をご紹介します。基本的には、この簡単なポイントを抑えるだけでOKです。
1. 高温に気をつける。
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- 食器洗浄器、電子レンジの使用はお控えください。
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- 直射日光やコンロ周りなど、温度が高い場所に置くことは避けてください。
2. 極度の乾燥に気をつける。
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- 冷蔵庫の使用はお控え下さい。
3. 湿度、温度の変化に気をつける。
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- 洗ったあとはふきんで水気を拭き取ってください。
最も「木」そのままに近い「天然オイル仕上げ」でも、気をつけていただくのはこのポイント。木を知り、慣れてくると、意外と簡単です。木と付き合うつもりで、続けていただきたいです。
製品の厚さや形、仕上げ塗装の種類により、具体的なお手入れ方法は若干異なってきます。詳しくは、それぞれの製品ページをご覧下さいませ。