山形打刃物のたがる包丁、文化包丁、出刃包丁に、新作が加わりました。
たがる包丁とほぼ同じ大きさで、切っ先がつきました。たがる包丁との違いは、刃の形(切っ先の有無、刃の付け根のカーブ、刃のサイズ)と、木の柄の樹種(たがる包丁はえんじゅ、小さな包丁はけやき)です。
たがる包丁(みんなのどうぐ #02)
製法はもちろん、島田刃物製作所による鍛冶屋の仕事で、一点一点鋼を打ち、成形する打刃物。槌目も残っています。
この小さな包丁はたがる包丁の派生版として生まれました。たがる包丁の製作コンセプトは、「打刃物の包丁を、どうしたら日常の生活の中で使えるか」ということ。
おそらく、皆さんいわゆる三徳包丁(文化包丁)と呼ばれる包丁をメインに使っていらっしゃるので、今お使いの三徳包丁とは別に、使い勝手が良く登場回数の多い、「毎日使える2本目の小さな包丁」を作ろう、と考えました。
こうして包丁を使うシーンを考え進めてゆくと、「三徳包丁では使いにくい場面」→「里芋など、小さな野菜や果物の皮むき」という意見があがり、より具体的なシーンが決まってきました。日常の家の中の調理や、果物剥きなどのちょっとした包丁使いの場面でも使い勝手が良い包丁になりました。
たがる包丁の特長は先が丸い形ですが、この小さな包丁は、普通の三徳包丁と同じ形にして、切っ先も付いています。様々な暮らしと調理シーンで、お好みのものをお選びいただけたらと考え、この小さな包丁もシリーズの一つとして加えることにしました。
切っ先、刃の根元ともにきりっと角があるところは硬派な印象ですが、刃渡りも短く小さなサイズ。少し可愛らしさも加わり、良い佇まいの包丁になりました。
小回りが利くサイズと形はたがる包丁そのままに、いわゆるペティナイフと呼ばれる小さなサイズ。三徳包丁など、大きな包丁だと扱いにくいもの、お芋や果物など、小さな球体の皮むきやカットに使いやすい大きさです。三徳包丁と厚いまな板を出すほどでもない、ちょっとした調理にも重宝するサイズです。
打ち刃物製法で、島田刃物製作所による鍛冶屋の仕事。量産品の包丁は抜き刃物といって、型で抜いた包丁作りでコストが抑えられる大量生産方式です。一方、打ち刃物は一点一点鋼を打ち鍛え、成形する打刃物です。もともとは農具や武具(日本刀)を作る製法と同じで、山形では650年もの歴史を持ちます。
他のPINTの打ち刃物の包丁(出刃は除く)と同様、普段使い用としてお使いいただくため、和包丁のような片刃ではなく、両刃でお作りしています。そのため、左右対称に刃が付いておりますので、右利き、左利きどちらでもお使いいただけます。