福井県鯖江市で製作をする木地師、酒井さんが主宰する「ろくろ舎」オリジナルの汁椀。
PINTでは、高台が低い汁椀を製作しご紹介してきました。今の、洋食器と一緒に使う食卓の器づかいだったり、床の生活からダイニングテーブルやソファのある今の家のかたちにあわせて、高台が低く、文字通り気配の少ない汁椀1型のみを作っていました。
高台が高い汁椀は伝統的な形でたくさんあるのですが、なかなかこれぞというものがなかったのも、これまで取り扱いをしてこなかった理由の一つです。
こちらのろくろ舎の汁椀は、一目見て、高台が高くても使ってみたい、と思う器でした。直線を使ったきりっとした輪郭と、バランスも綺麗で、安定感もあるかたち。一見硬めの印象ですが、径を抑えていて、一般的な汁椀よりも縦長の比率です。また、ミズメザクラの木は、木目が淡く出るので、拭き漆仕上げにしても木の感じが強すぎず、他の器とも馴染みます。
形と素材で、高台のしっかりある汁椀の和の雰囲気をほどよく和らげていて、良い佇まいです。
高台が高いと安定感があり、やはり持ちやすいです。お椀を手に持つのは日本人特有の器づかいと食べ方ですが、それをそのまま今の暮らしにフィットするかたちにした汁椀。使ってみると、手に収まりもよく、他の食器と並べると食卓が引き締まります。