福井県大野市で製作をする木地師、小島尚さんが製作される漆塗りのボウル。
木と漆の素材感が程よく感じられ、とにかく毎日の食卓に使いやすい形とサイズ。
木はミズメザクラ。木目が淡い雰囲気で、木の感じが強すぎず、他の器とも馴染みます。ミズメザクラを、挽物技術によりろくろで通常の椀物の形に丸く削った後に、外側を削り取ることで、このような特徴ある形に仕上げています。この削る工程は挽物の仕事とは別の種類ですので、一般の木地師はなかなか製作されない形。小島さんは加工も幅広く手がけられるため、この器ができました。
通常は塗りは職人が異なり分業となりますが、小島さんは塗りも自身で手がけられています。拭き漆でも真塗りでもなく、刷毛塗りと研ぎを合わせた、独自の塗りです。特に拭き漆よりも厚めの塗りに仕上がっています。水分や食材にあたる内側は厚めに塗られていることもあり、内外で違う色と表情になっているのも魅力です。
ボウルはたくさんありますが、この形とサイズは様々な料理の盛り付けにも使いやすく、見た目も愛着が湧いてきます。
深めのボウルは、ポタージュなどの汁物も良いですし、サラダや煮物などの小鉢としても。使い方は本当に幅広いので、毎回の食卓で、お試しいただきながら使い方を広げていただきたい器です。拭き漆ですので、熱いもの、汁物も問題ありません。沸騰したての熱湯を直接注ぐことだけ避けていただけましたら、大丈夫です。
和のような洋のような、あとは削った彫りによって素材の力強さも残り、ごつっとした器などとも合いそうです。部屋や食卓、他の器との組み合わせも広がりそうな、無国籍感ある木の器。でも作りは、ミズメザクラ、挽物、拭き漆と、日本らしい漆器。そんな魅力のある器です。
拭き漆の器や汁椀が苦手という方の、最初の木の漆器としてもおすすめです。
削りは手で行なっていますので、幅など多少写真と異なる場合がございます。写真と近いものが良いなど、個体差が不安な方は、ご注文時、備考欄にてご相談ください。