三重県四日市市の萬古焼(ばんこやき)。使う土の性質から、耐熱性に優れた特長を持っていて、耐熱性を活かした急須や土鍋作りが盛んです。この急須は、急須作りを得意とする窯元、南景製陶園による製作。
中国茶の急須のような形ですが、それにしては少し大きい。イギリスなど紅茶文化のティーポットのようでもあり、それには少し小さい。大きさとしては、日本茶の小さめの急須くらいでしょうか。
そんな無国籍感が魅力の急須です。茶こしは、共茶漉し。ステンレスなどの金気なく、お茶を味わっていただけます。
一見サイズは小さく見えても、まんまるの胴体の形で意外と容量はあります。300cc入るため、急須 黒 焼締めとあまり変わりません。
貫入とは、表面の釉薬に、細かなヒビを意図的に生じさせる伝統的な表現手法です。貫入に、墨を入れて模様になっています。墨が入っていない部分もあり、だんだんと貫入部分に染み込み着色します。貫入は器や碗のイメージが強いですが、使い、育つ急須です。
使い込むことで生じる味わいを楽しんでいただけます。稀にピシピシと割れる音がする場合がございますが、日常使いする上で、支障はありません。