巾着袋の新生地バージョンです。マチたっぷりの筒型で、これだけで持っていただいてもかわいい大きさ。生地の切り替え、紐は手作りのレザー留め具で締められます。
製作は、お客さん一人一人と話し合って洋服や布製品のお直しを行う"ちくちく"のちくみほさん。デザインパターンから縫製、レザー留め具までちくさんご自身で作ってくださっています。
これまではリネンコットン生地を使用した薄手のものでしたが、今回はもう少し厚みのあるコットン生地。もちろん、ただの生地ではありません。
「備後節織」の生地を使っています。備後節織は、日本三大絣の一つでもある備後絣から派生したブランド。備後節織の工程は、まず煮沸した生糸を染めていくところからはじまり、藍や柿渋、墨汁などの天然染料で染色し、天日に干して色を馴染ませるため、天気を待ちながら織っているのが特徴です。
この糸を、旧式のシャトル織機でゆっくり丁寧に織っています。量産できない生地ですが、ならではの温かみと風合いがあります。天然染めの先染め糸を織り機にかけるということは、織り機のメンテナンスや、ものづくりの制限も生まれ大変なことですが、これを行なっている数少ない機元です。
こちらの風合生成は、名前の通り染めは行なっていない種類の生地。
染めを施していないことによって、糸本来の風合がダイレクトに感じることができる生地です。天日干しでたくさんの太陽を浴びた後、やや粗目に織り上げることで全体に網掛けのような模様が浮き上がっています。厚手とありますが、いわゆる帆布のような厚み、硬さはなく、ふんわりと柔らかい独特の質感です。
備後節織の生地の素材感が楽しめる、シンプルで楽しい巾着になりました。小さなバッグとして、小分けの袋として、室内では巾着紐で掛けておいてもかわいいです。