生地の裁断

キッチンクロスの製造工程。
裁断。
そうです、単に布を切る作業。
普通だと幅広ーい布から四角にカットするので4辺ですが、
シャトルリネンはシャトル織機なので耳付き、カットするのは2辺だけです。
幅も、織り上がり時点で35cm(キッチンクロスの場合)なので、耳も活かせます。

この2辺、ざーっと切ればそれまで、10秒もかからないはず。

けれど、Pint!ではこの裁断をすごく丁寧に行っています。

何が丁寧なのか、なぜ丁寧なのか。
製品に、風合いやデザインはもちろんですが、何よりツールとしての機能も追求したいPint!は、
縫製職人さんと実験を試みました。

同じ生地の2辺を以下2パターンに裁断しました。
1.ざっと真っすぐに切る(スピーディ。普通はこの裁断)
2.糸を1本抜き、(ほぼ)完全に緯糸に沿って切る(時間と根気が必要です)
そして、これを縫製。
見た目はそれは一緒です。折り返して縫製するため、裁断口は隠れます。

でも・・・
3回ほど洗濯した結果がこちら↓

画面上側の辺が、2.の1本抜いたほうです。
洗濯して繊維自体の縮みがありますが、縒れがさほど見られません。
一方、下側は1.のざっと裁断バージョン。
繊維自体の縮みもありますが、縒れが結構生じました。

もちろん、ざっと裁断しても、破れるわけではないし、微々たる差かもしれません。

私たちは素材を本当に活かして、長く使える、道具としても優れたものを作ってゆきたいです。
この結果を見て、一刀入魂で裁断をしないわけにはいかないです。

時間は何倍もかかるし、縫製後の見た目は変わらない。

でも、職人さんが丁寧に織り上げた最高の生地を使わせていただいているのだから、
その良さを殺さずに製品にすることが、今Pint!ができること。
Jieldeのライトを手元に灯して、緯糸1本に向き合っています。

使う人にも、このキッチンクロスがずっと長い相棒であってもらえることを祈りながら、今夜も鋏を握ります!

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