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<参加者募集> みんなのどうぐ #09 汁椀と丼椀の間

<参加者募集> みんなのどうぐ #09 汁椀と丼椀の間

「汁椀と丼椀の間」を考える商品企画メンバーを募集します。オーダーメイド会でも器を自分で作るワークショップでもなく、PINTで今後定番品として販売する商品を企画する、8名の臨時チームのメンバー募集です。"みんなのどうぐ"という企画で、過去に8回開催しています。今年8月から12月にかけて、合計4回集まっていただき、器を考えて、一つの形を決め、完成するまでの工程を共にします。 と聞いても「?」という方が多いと思います。説明が必要で長文になりますが、以下、ご覧いただけましたら嬉しいです。  - - -    “みんなのどうぐ”を8年ぶりに開催します。 「現代の民具をつくる」をコンセプトにPINTは活動しています。その一番根っこにあるのがこの”みんなのどうぐ”です。 理想は民具。農閑期に農家が稲藁でわらじを作るような、売るためでも飾るためでもなく、自らが日々の生活の中で使うためのもの。ひたすら使うところに向かっていて、静かで強く美しさを感じます。今では生産と消費は分かれ、同時に、流通が大きく広くなるにつれ生産は販売とセットになり、「民具」のようなものをつくることは難しくなってきたように感じます。 ”みんなのどうぐ”では、作る人や売る人ではなく、使う人がものを考えます。素材と製法をみっちり学び知った上で、普段の生活のシーンを思い浮かべ、自らが使いたいものを作ります。 作るのは、PINTでも普段から一緒に仕事をしている職人。今は、使い手が自ら作ることは現実的ではありませんし、使い続けられる良いものを、PINTが定番品として販売し続けられるようなものを目指します。長く日本で使われ続ける天然素材や製法と、今の暮らしが重なるポイントを探るために、プロの生活者である作り手の視点をしっかり詰めるための企画です。自分が使いたいものを作るワークショップではなく、その後PINTが販売し続ける一つの商品をみんなで作ります。   PINTはオリジナルもセレクトもあって、雑貨も服も並んでいて、店主は素材にやたらと関心が強そうだしと、よくわからないバランスの店に思われることも多いようです。 PINTはもともと、「現代の民具をつくる」ために「新しいものづくりのかたちをつくる」という手段を考えていて、その本丸が”みんなのどうぐ”でした。もう14年前になりますが、こうしたものづくりを実現するために、材料調達から製作までを丸ごと担えて、製作の腕も良く、このような企画に乗ってくださりそうな作り手を探すところからPINTは始まりました。 ”みんなのどうぐ”で全てを作ることは現実的ではないし、適さない種類の素材や製法、ジャンルのものもたくさんありますし、すでに作り手によって現代の民具的なものが作られていたら、それをそのまま紹介しています。ただ、PINTで紹介している作り手は皆、このような共通項を持っていそうと感じている方々で、それは今も変わっていません。    東京時代に7回、京都に来てからは1回。コロナ期間等もあってしばらくお休みしていましたが、今回が8年ぶり、9回目です。 企画詳細と過去レポートは、全て掲載できてはいませんが以下よりご覧いただけます。雰囲気や流れなどイメージが掴みやすいと思います。 初期の企画商品は10年くらい経っていますが、素材や製造都合上で販売できない場合を除いて、今も販売し続けています。(8回のうち3回は"かぐれ"にて開催販売のため終売) https://pint.mn/pages/minnanodougu     今回のテーマ(製作品)は、「毎日使える漆の器 汁椀と丼椀の間」 この商品企画に参加してくれるメンバーを募集します。 ▼今回の企画のきっかけ "ろくろ舎"の酒井さんとは、10年ほど前からの付き合い。福井県の鯖江で、ろくろを使用した丸物木地製作、拭き漆仕上げもご自身でされています。 PINTでは、ろくろ舎定番のBASEシリーズの汁椀と飯椀をずっと取り扱っています。作るものの良さはもちろん、アトリエもセンス抜群で、「オンリー椀」「TIMBER POT」「道具をあつめる、つなげる、やってみる」など企画も素敵。酒井さんとPINT店主はキャラクターもタイプも違うのですが、考えていることが根っこの方ですごく近いように感じている人です。 まだ東京にいたとき(9年前くらい)、酒井さんが声をかけてくださって、ある企業に”みんなのどうぐ”を一緒に提案しに行ったことがありました。それは実現には至らなかったのですが、この企画に酒井さんが興味を持ってくださったことが嬉しかったことを覚えています。 昨年酒井さんが当店に寄ってくださったのをきっかけに、久しぶりに色々お話して、今回の企画開催が決まりました。...

徒爾(とじ)

徒爾(とじ)

新しい作り手の徒爾を紹介します。2025年4月に徒爾の作品展を店舗で開催し、その後も店頭のみで扱っていましたがwebでもご紹介を始めます。 徒爾(とじ)の谷本さんとの出会いは、この作品展から遡ること1年半ほど前。ポジャギカーテンの箱田さんのオーダー会に合わせて開催した茶会で、ノンチャの山田さんからのご縁で徒爾の谷本さんが参加くださいました。そこでノンチャの依頼から生まれたという茶托を見て、一目で惹きつけられました。 作品展は、徒爾のものの空気全体を伝えたいという思いから形大きさは様々に揃えました。作品展後にも常設として扱い、少しずつwebにも掲載を進めてゆく予定です。   谷本さんは広島で製作を行いながら、広島と京都の2拠点で暮らしています。元々は古道具の仕事をされていて、その後木工を始められました。  木工品、漆器はたくさんありますが、徒爾のものの独特な空気感。奇を衒った形でもなく、装飾があるわけでもなく、桜の木を中心に、黒漆か鉄媒染蜜蝋仕上げ。木はPINTでも立ち上げ当初から大事な素材で、挽物曲物指物箍物のそれぞれの職人と取組んできましたが、刳物は未開拓でした。手作業過ぎて、価格もかなり高くなるし、無骨だったり装飾性が強かったり、PINTとして扱うのは難しいように感じていました。谷本さんは木工の機械をほとんど持っていません。機械を使うのは木材から大まかな形を取るくらいで、形作るのは全て手作業。古道具の仕事もされていた背景もあって、鑿などの工具も古道具をメンテナンスして使っています。 素材は山桜。谷本さんのお父さまのからの縁あって使えることになったというこの材に絞って、基本的には他の材はほとんど使わず作られています。一般的に見かけるチェリーは外国材で、暴れにくい(動きにくい)ため扱いやすく、家具や木工品にはチェリーが使われることが多いです。山桜は表情もすごくいいんだけどなかなか商品としては難しくて、という声は色々な作り手から聞いたことがありました。この山桜を彫って刳って、形を作る。仕上げは拭き漆。漆は国産漆を使っていて、流通する漆の中で国産漆というのはかなり少なく希少です。 素材から仕上げまで、どこを取ってもこれ以上ないほどのストイックな手法ですが、それだけではまだまだ徒爾の作品にはなれず、微妙な角度や面取りの具合、厚みだったり、色と質感だったり、言葉では表せないところの塩梅。 語れる部分だけでも十分すぎる濃厚さがあるのですが、谷本さん、本当に作品についてはお話されないのです。だから、ご自身では販売もされないそう。価格も、心配になる程控えめ。茶会の席でお話を振ってもいつも通り恐縮される感じで言葉少なに切り上げられるのですが、ぽろっと「これは、作っている途中で良い形だったので止めたんです」ということを言っていて、心に残っていました。最後の調整で良いところで止めて完成とする、ということではなくて、もっと途中、例えば五合目くらいで完成系とはもちろん全然違うものなんだけど良くてそこを終わりにすることにした、という感じ。1回ずつ手を動かして進めていく工程でなくてはできないことです。旋盤等の機械を使っても、最終的には作りながら、触りながら、見ながら仕上げますが、設計図を一つの到着点にしながらその形に向かって進め、調整するという流れの中でのこと。谷本さんは、素材に則して成り行きで作っているような。だから、デザイン性とかいう話ではなくて、違う領域で動いている感じを受けます。PINTで取り組んでいる現代の民具というテーマの核を再認識させてもらったように思いました。 徒爾のものは本当に谷本さんそのままです。古道具の造詣も深く、布も染めも扱い手を動かす人で、素材マニアで、もちろんキャラクターも全てうつっているように感じます。中国茶もされますが、形式ばったところはなく、素材と、使う人と、空間に向けて作られているように感じます。中国茶に限らず、日常のシーンで自由に使っていただけます。   この春の作品展でのテーマは、「曲者(くせもの)」でした。無垢材を使うので、木の特性上割れや反りなど動きが生じることがあります。元々、徒爾はこうした動きを他の作り手以上に受け入れ、そのままにお伝えしていました。今回はこうした木の動きが出たものをためておいていただき、鎹(かすがい)で留めたり、銀継ぎをしたり、また、若干の反りがあるものも、使用に支障がないと判断したものは、「曲(くせ)あり」として販売しました。曲者たちも、店頭では思っていた以上にしっかり選ばれてゆき、勇気をもらいました。木という素材においてこれはかなりハードル高いのですが、この作品展だけに終わらず、試行錯誤しながら徒爾と共に取り組み続けてゆきます。webでも、詳細をご案内の上、挑戦してゆきたいと思います。 徒爾の作品、お楽しみいただけたら嬉しいです。