Collection: 三浦治|鏡
千葉県の九十九里浜の近くにアトリエを構え、木材のみならず、自身で拾い集めた流木や廃材などを使って、木工や家具という枠に捉われない製作活動をされています。
長生郡は九十九里浜の南端にあり、工房を併設した家からは浜辺から近く、サーフィンと製作が中心にある暮らし。家具製作の経験を積んだ後、ここに移住されて製作を始められました。初期は家具製作をメインに、だんだんと流木や古材を用いた製作の比重が高くなってきています。そうした一点ものをギャラリー展示で発表されながら、家具類の製作も続けられています。
海の暮らしの中で、自ら採る流木や廃材を使った製作。暮らしとものづくりが真っ直ぐにつながっていて、自然物や古い物など、素材や経年への温かく強い敬意を感じさせられます。素材がまずあって、三浦さんという人がそれをそのままに受け取り、その続きを作っている。けれど、もの自体には作り手の気配を感じずに、一つになっている。感覚的な言葉になってしまいますが、三浦さんの作るものに対して、そのように感じます。
素材自体へのリスペクトや、古い物の佇まいに共通する強く静かな美しさ。シンプルなデザインは使いやすさがあり、様々な暮らしや空間の中にもすっと入り込むと思います。
材から始まって三浦さんの手によって繋がれたもの。その続きとして、日々のそれぞれの空間に溶け込ませてもらえたら嬉しいです。