リネン帆布のトートバッグ L
厚地のリネン帆布生地を使った、特大サイズのトートバッグ。
探すとなかなかないサイズ。たくさんものを入れたいとき、面積の広い平たいものを持ち運びたいとき、しっかり荷物を運べるバッグです。
PINTの仕事で、サンプルを持ち運んだり、配送のときに小型ダンボールをまとめて持ち運んだりすることが多く、肩にかけられる大容量のバッグが欲しくて作りました。
PINT立上げ初期に作って以来、スタイリストさんが洋服小物をたくさん詰めたり、カメラマンさんが三脚を入れたり、建築関係の図面を運んだりなど、お仕事の場面でも使っていただいていることが多いです。もちろん、普段使いにも。嵩張るお買い物のときや、旅行、アウトドアにも。
容量たっぷり、丈夫ですが、一般的な厚手帆布のような硬さと重さがなく、畳めたり丸めたりできるのがちょうど使いやすい生地です。メインにもサブにもなるので、いろいろな場面で重宝します。
底面で縫い合わせておらず、長く1枚に裁断した生地で製作しています。見えないところではありますが、丈夫さも増し、生地で丸ごとそのまま包むようなイメージの作りです。
内側に共生地のポケットが1つ付いています。
何より、この生地の質感が独特で他になく、一番の特徴です。もともと、ある業務用に特注でオーダーされたことがきっかけで生まれた特別な生地で、リネンでは大変珍しい帆布のような厚地。
太い20番手ほどのリネン糸を撚り合わせて、超高密度に織っています。一見リネンとは思えない、コットンキャンバスか帆布のような糸の太さと生地の密度ですが、コットンとは触り心地や質感が異なり、独特な上質な滑らかさと風合いがあります。染めはしておらず、リネンの原料フラックスそのものの生成りの色です。生地の柔軟加工や糊付け仕上げなどもしておらず、織機からおろしたそのままの状態。この生地を1枚使いで、バイアステープを使わず、リネン100%生地をそのままシンプルな形の袋にしています。
生地の良さをストレートに活かして、丈夫で手入れもしやすいよう、シンプルな素材使いと作りになっています。
最初は張りがある生地感のため自立しますが、バッグの場合は特に、使ううちにすぐ柔らかくなってきます。自立はしなくなりますが、丸めたり、折り畳んだりできるようになります。
洗わずにお使いいただくと、張りがあるままだんだんと馴染んできます。柔らかくはなりますが、少し張りというか芯が感じられる質感です。水通ししたり、洗濯すると、1回でかなり柔らかくなり、張りはなくなる印象です。お好みでお使いください。
このリネン生地の作り手は、滋賀県近江湖東産地で近江上布の伝統を受け継ぎ、現在は主にアパレルのコレクションブランドの生地を製造している、リネンの素材と織りを知り尽くした職人です。
昔ながらのシャトル織機で、1時間に1mから2mのスピードで丁寧に織り上げています。
現代、主に使われているレピア織機に比べて生産スピードは非常に落ちますが、シャトル織機でしか出せない密度と生地の風合いがあります。
織機で、糸の状態で引っ張る力を加えられるとリネンは切れやすいため、織り進める間にも糸は切れ、それを1本1本手で結びながら作業を進めます。
このシャトル織機で織るには、熟練の技術だけでなく、根気もいり、時間を要します。コットンのデニムや帆布などの、太い丈夫な糸はまだシャトル織機で織られているところもありますが、シャトル織機による100%のリネン生地はなかなかありません。
これが、シャトル織機で緯糸(よこいと)を通すシャトルと呼ばれるもの。
重い木でできていて、これが左右に行き来して緯糸を通します。その動きが衛星のようで、シャトル(衛星)と呼ばれます。一方、現代のレピア織機などは、エアジェットで緯糸を飛ばす仕様です。この違いだけでも、そのスピードの差がイメージできるかと思います。
この織機で織られているのが、16番手から20番手ほどの糸の双糸。番手は数字が小さいほど太くなり、キッチンクロスに使っている25番手よりも太い糸。双糸は、2本の糸を撚り合わせた糸で、単純に糸の太さは単糸の2倍に、強度はそれ以上に増すと言われます。糸は毎年の原料のフラックスの状態によっても変わりますし、この超高密度のシャトル織りの生地仕様に適う太番手の糸は紡績工場でも生産が難しいため、同じ番手の糸が毎年できるわけではありません。ここ数年はフラックスの品質を見ながら、調整を繰り返しています。織りを行う機元さんによって、糸の太さと品質を見ながら、撚りや、生地織りの密度を調整して、毎回近い生地に仕上げてくださっています。
このリネン帆布生地をズームで撮った写真。
糸がみっちり織り上げられているのが分かります。糸の仕様との掛け合わせで、強度を求めた生地。シャトル織機で、これ以上できないくらい超高密度に織る、ぎりぎりのものづくりです。
糸を1本1本見ると、糸がまっすぐ綺麗なのが分かると思います。紡績という、糸を作る工程の仕事が、ここに反映されます。糸の太さにムラがあると、この高い密度で織り上げることはできないので、糸から織りまで、全行程の品質が揃って良い必要があるのです。
リネンは、糸自体が長く使える強度がある上、経年変化の表情豊かな素材です。特に、この超厚地生地はより耐久性も高いので、長く使いながら、だんだんと育つ変化をお楽しみいただけたら嬉しいです。
▼トートバッグ全4サイズ一覧
リネン帆布のトートバッグ S 幅35cm×高さ16cm×マチ13cm(持ち手の長さ:29cm)
リネン帆布のトートバッグ M 幅40cm×高さ34cm×マチ15cm(持ち手の長さ:38cm)
リネン帆布のトートバッグ ML 幅47cm×高さ40cm×マチ18cm (持ち手の長さ:40cm)
リネン帆布のトートバッグ L 幅55cm×高さ46cm×マチ20cm(持ち手の長さ:45cm)
【素材】
リネン100%
天然の繊維のため、糸のロットにより、ベージュに近かったりグレーに近かったり、色味に多少の幅があります。
【サイズ】
本体 幅55cm×高さ46cm×マチ20cm
持ち手 長さ45cm
生地加工を全くしていないため、水通しや洗濯をすると縮みがあります。洗い後、3-5%ほど小さくなります。
なし
【取扱い・お手入れ】
生地には加工はしていませんので、水洗いや、洗剤もご使用可能です。
なお、お洗濯の際、乾燥機、漂白剤、柔軟剤、蛍光増白剤などの使用は、生地の風合いが大きく変わる可能性が高いため、ご注意ください。
アイロンをかける場合は、高温設定でなく、中温以下の設定をお勧めします。高温設定時には、当て布をあててください。
*よくあるご質問・補足コメント*
・同シリーズのトートバッグは、「S」「M」「ML」「L」の4種類があります。