急須 黒練 焼締め
在庫数: 4
焼締めと言われる、釉薬を使わずに焼き上げられる製法でつくられている急須です。釉薬がかかったつるっとした質感ではなく、磁器のような硬さを持ちながら、きめ細やかな土の肌触り。
素材は、炻器(せっき)と呼ばれ、陶器と磁器の中間の性質です。陶器よりも緻密で強度が強く、吸水性はほとんどありません。叩くと、磁器に近い金属のような音がしますが、焼成温度が磁器より低く透光性はありません。表面は滑らかですが、細かな表面の凹凸があり、まさに陶器と磁器の間。鉄分を多く含む陶土で、昔から急須用に配合されている土。この土を使い、釉薬をかけずに鉄分が黒くなる方法で焼締めています。「黒練」「白練」の2色あります。
釉薬の色ではない、土と焼成による色。使いこむことにより、艶と色の深みが増してゆきます。これもまた、使う楽しみの一つ。茶渋がついても、味わい深くなるのが、磁器や絵付けの釉薬掛けのものとの違いで、楽しいところ。育ててゆく感覚でお使いいただけます。
こちらの急須は、元々は陶土屋さんから始まり今は急須を中心に作る窯元、南景製陶園による製作。粘性の高い独特な土を用いた、軽く硬く焼き締めた急須作りが盛んな三重県四日市市の萬古焼(ばんこやき)です。
吸水性がないため、茶葉の香りが付きにくく、茶葉を変えてもお使い頂けます。普段使いには嬉しいところ。また、鉄分の多い土で釉薬もかけられていないため、その表面の細かな凹凸がお茶の渋みを程よく緩和し、まろやかで美味しく変化させます。
茶漉しは、共茶漉しという、急須本体と同じ陶製で細かな穴を空けた構造。一つ一つ、職人が手作業で穴を空けています。ステンレスの茶漉しは金気を感じることもありますが、共茶漉しで、茶葉そのものの味を愉しんでいただけます。半球体の形に、穴が細かく空けられているため、茶葉が詰まりにくくスムーズに注げます。
急須をメインに製作する窯元ならではの細かな製作行程で、使いやすさが実現されています。
蓋、本体、持ち手、注ぎ口の4つのパーツを、別々に成形し、その後組み合わせます。
長年製作を続けられる中で、使いやすい持ち手と注口との角度も、考えられ、調整されてきました。90度よりも微妙に浅い角度になっています。この細かな調整が、普段の動作を心地よくしてくれます。
窯出し後の最終工程では、1つずつ蓋と本体をはずし、擦り粉を使って両者をしっかりと「擦り合わせ」します。本体と蓋を合わせて、蓋がぴったりと合わさるように作られています。
注口の先の形は、液垂れを減らせるように工夫されています。
【素材】
土 炻器(せっき)
鉄粉の入った陶土を使用しているため、表面に黒く斑が出る部分がありますが、素材の風合いとしてお楽しみください。
製法と素材の特性上、全て均一ではありません。不良品については製作段階で除外しており、お届け品は良品判断となります。
【サイズ】
最大幅17.8cm×直径14.9cm×高さ9.5cm
【容量】
320cc
大きめの湯のみ:約2〜3杯分
小さめの湯のみ:約4〜5杯分
【外装】
専用箱入り
【取扱い・お手入れ】
・直火にはかけないでください。
・食洗機で洗浄する場合、ご使用状況によっては破損の可能性があります。個別に手でお洗いいただくことをお勧めします。
・茶ガラは水やお湯でさっと流し、よく水を切って乾かしてください。時々、日光に当てて乾かしますと、より衛生的です。
*よくあるご質問・補足コメント*
・注ぎ方について:急に大きく傾けますと、蓋周りからお湯がこぼれてしまうことがあります。緩やかな角度で注ぎ始め、ゆっくりと傾けていってください。
・「黒練」「白練」の2色があります。
・色違いや同シリーズの関連商品は、「カートに入れる」ボタン下の#一覧よりご覧いただけます。
・黒 → 黒練
に名称変更しましたが、素材や色等は変わっていません。他色の釉薬の新作が出たため、混同しないようにメーカー表記と合わせました。 2023年10月