毎日使える拭き漆の器 拭き漆|黒
在庫数: 12
PINTだけではなく、使い手の皆さんと、職人と一緒に作り上げた、あたらしいものづくりのかたち「みんなのどうぐ」の第1弾商品です。
●コンセプトは、「毎日使える拭き漆の器」
漆器というと、ハレの日用、装飾品といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ですが、磁器をチャイナと呼ぶように、漆器はジャパンとも呼ばれ、日本には漆の技術が受け継がれていて、かつては高級品ではあったものの、もっと親しまれた素材でした。非常に優れたもので、今のライフスタイルに合わせるだけでもっと活躍するはず。それを実現すべく、実際に使い手の皆さんに伝え、学びながら、製品企画を一緒にしました。
それでは、毎日使える器とはどんなものだろうか?
盛り付け皿としても、取り皿としても使える器。
食卓や人数を選ばず、どんなシーンの食卓でも使いたくなるような器。
もちろん、今の食卓にはダイニングテーブルだったり、和食器だけでなく洋食器も並びます。漆器が浮いてしまわないように、形、色も配慮が必要です。
そんなことを考えながら、皆で考えました。
そうして出来上がったポイントは、こちらです。
・盛りつけ皿として、皆が箸をつつきやすいような高さに。悩みに悩んで5.5cmに。
・取り皿、銘々皿として使うとき、汁物もいただけるように、縁はやや外反りにしました。スープも美味しくいただけます。
・縁を外反りにしたことで、盛り付け皿としてもメリットが。視覚的にも外向きに向いていることで、開かれた形になっていて、取りやすくなっています。
・拭き漆の朱色や黒色ではなく、朱色と黒色を重ねることで、和食器、洋食器に合う色に。
・座卓ではなくダイニングテーブルにも合うように、器の高台(椀の脚の部分)をなくしました。
・高台がない代わりに、指にもかかりやすいよう、裏面には滑らかなカーブの凹みを付けました。
盛り付けたいものとして出た案の中からピックアップすると、
「シチュー」「お肉料理」「具沢山の豚汁」「お鍋の取り皿」「夏にはそうめん」「お茶漬け」「サラダなど彩りある生野菜」「煮物」「お味噌汁」「炊き込みご飯」など。
漆器でポピュラーな汁椀以外にも、いろんな使い方で日々登場できるはずです。
毎日使える、たくさん使えると、器のパフォーマンスが良いということになりますが、それよりももっと楽しみなことがあります。
漆器は、使ううちに、漆の色が透けて来て、色が明るくなってきます。
人の手の油とも相性がよく、漆器は、最後は使い手が仕上げるとも言われるのです。
ですから、折角の漆器、毎日たくさん使って、育ててゆけるものにしたかったのです。
漆塗りですので、水気などには強く、毎日気兼ねなくお使いいただけます。
強い摩擦や、浸け置き洗いさえお避けいただければ、デリケートな扱いは不要です。
使い手と、作り手(木地師と塗師)、PINT、共同企画のかぐれさんの、多くの人の協力で生まれた製品。
使い手目線ならではの良いものができあがりました。
** 色について **
この作品の色名は「茶」としていますが、赤と黒の漆を塗り重ねることで色を出しています。合成顔料を混ぜた茶色の漆ではなく、昔から伝統的に使われている2色です。
拭き漆の工程も、通常は、同じ色を塗り重ねることがほとんどですが、異なる色を重ねて塗っています。
漆は、空気に触れることで酸化反応し、液体から固体になります。水分が蒸発する、一般的な乾燥とは異なります。だんだんと固まるにつれて透過するため、色が明るくなってきます。固まると変化は止まります。
通常ですと同じ色の塗り重ねのため、色が少しずつ明るく(薄く)変化します。
本作品の場合は、透過による変化に加え、下に塗った赤が少しずつ強めに出てきます。しばらく使った後に、本ページの写真の色味に近づき、落ち着くように塗っています。
このため、お届け時は黒の色味が強く出ていますが、ご安心ください。
ご不明点がありましたら、お気軽にお問合せくださいませ。
▼みんなのどうぐ▼
素材と技術の勉強、企画開発会議、製品を使ってのお披露目会まで、全ての製品開発ストーリーを公開しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
▼写真
7 左:汁椀 下:毎日使える拭き漆の器 右:丼椀
【素材】
欅(国産材)
拭き漆 黒漆
【サイズ】
直径14×高さ5.5cm
【お手入れ】
・硬いブラシの使用は避けてください。漆が剥げてしまう可能性があります。
・長時間の水に浸け置きはお避けください。
・洗剤はご使用いただけます。硬くないブラシ洗いや、スポンジ洗いしていただいて大丈夫です。
・電子レンジや食器乾燥機の使用はお避け下さい。
*よくあるご質問・補足コメント*
・別色「茶」があります。
・同じ材と拭き漆仕上げで、「汁椀」「丼椀」があります。
・塗師の職人の意向により、塗直し修理は行っておりません。長期間の使用と共に、漆が薄くなった箇所に料理の塩分等が浸透している可能性があり、塗り直しを行ってもその後の品質の保証ができないことが理由です。