【12月中旬お届け】竹の食器水切りかご
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私自身もそうでしたが、食器の水切りかごはある程度大きさもあるために見た目にもスペースを取り生活感も出やすく、かごを使わないという方も多いように感じます。
竹のかごを探してみると、茶碗かごはかわいいけれど普段使う食器はプレート皿も多いですし、収納も兼用するイメージの工芸的な趣の編み密度の高いかごが多く、それだと普通のマンション暮らしにはちょっと重いし合わない。それぞれに素敵なのですが、家で普段使いするにはなかなか選ぶ決め手に欠けていました。
PINTとして、以前から竹編みのものは模索していて、京都や長野に大分、竹細工の各産地に訪ねてもいました。竹の軽さと強さ、編み技法により面を作ることで用途も幅広いこと。長く使い込む中で、色艶が増して経年変化も楽しめるので、使う毎回が楽しめる。ただ、一般的な竹編みのかごから、もう一歩PINTらしく独自に取り組めるところまでは辿り着けず、しばらくの間は離れていました。
数年前に、大分県別府で製作活動をされている有製咲処(たもつせいさくしょ)の西本さんとの出会いがありました。これを機に改めて竹かごを考え、イメージできたのがこちらの食器の水切りかごです。
竹の素材は編みかご以外で店でも普段の生活でもたくさん使っていて、その特性が活用されきちんとることを出発点として、今の普通の暮らしの中で気兼ねなく使える竹かごを考えました。
見た目も軽くすっきりとした竹かごになりました。軽やかで、ちょっと使ってみたいボリュームと馴染みやすさがあるものができたと思います。
水切りかごとまだ出会えていない方、竹かごは気になっているけれど選びかねているという方、シンクと食器棚を行き来して使えるようなライトな水切りかごの使用イメージが湧いた方へ。
竹の質感や、洗い物の度に育つ毎回の楽しみを感じていただけたら嬉しいです。
竹を編んだ、食器の水切りかご。
製作は、大分県別府の有製咲処(たもつせいさくしょ)の西本有さん。
軽くて強度がある竹の特性を活用して、今の普通の暮らしの中で気兼ねなく使える竹かごを目指しています。PINTとして考えた竹の食器の水切りかごとしてのイメージを、西本さんが具体的な仕様に落とし込み、製作くださいました。
単に竹の機能面への着目と、今の暮らしの中で最大限その機能が活きるように使用イメージを絞り込んで考えました。竹素材の特性、編みや組み方を知る西本さんが、全てを汲取り、それを形にしてくださっています。デザインや見栄えのための部分がなく、ストレートに、道具として着地できてPINTらしいものが出来上がりました。
▼かたちの特徴▼
特徴は、編み密度を低くし、竹ひごの量を抑えることで、見た目にも重量としても軽さを出しています。また、これによって軽さだけでなく接触面をなるべく少なくし、水が溜まりにくく、空気も通りやすいようにという狙いがあります。
竹素材の堅牢度と編み組みの工夫で、この大きさに入れられる食器でしたら強度は十分に保たれています。かご自体も軽いので、S字フックなどで高いところに吊るしたり掛けたりも。
また、竹ひごの表裏の使い方も理由があります。かごの内側に、竹の表面を使っています。表面は竹の表皮のため、最も堅牢度が高く撥水性もあります。工芸的な美しさを求める場合は外側に使われる場合も多いですが、水が竹の裏面に溜まってしまうことがあり、カビの原因につながりやすいです。このかごは水切りかごとして作っているため、表面である表皮を内側にしています。竹の裏面が外側に出るため、水が溜まらないだけでなく、乾きやすさにもつながります。
形は、限られたスペースでも使いやすい長方形。高さはプレートや丼、小さな鍋などを立てて収められるサイズにしています。
竹の脚は、軽く、簡素な構造にして、重くならないように。ただ、軽いだけですと安定性が低くなってしまうので傾きの出ない3点の配置にしています。ある程度入れる食器の配置に配慮すれば、バランスを崩さないようにお使いいただけます。かごの外側に付けていますので、水が脚を伝って落ちにくいようになっています。
かごの編み部分、脚と本体底の材は竹、脚を結び留める箇所のみ藤(とう)の皮です。結び留める紐のような使い方は、竹では鋭角に曲げると表面が弾けてしまうため、藤を使います。
竹かごの編み目に通し、シンクに渡して使用するための竹棒2本セットをお選びいただけます(+500円)。40、45、50cmの3種類ご用意しています。写真に使っているのは50cmです。2本を編み目の空いたところに通して、シンクに渡して使うことができます。長辺、短辺方向どちらでも可能です。編み密度を低くしているからこその仕様になっています。
▼使用イメージ・取扱いと手入れの注意点▼
竹の機能が活用されていて、軽く、普段使いできる水切りかご。
ステンレスほどには水には強くないですし、大きさもたくさんの食器を入れるものでもなく、これ自体も軽く、ひょいと移動しながら使える気軽さ、身軽さを重視しました。
全てを満たすことはできませんが、使うたびに育ち、質感も見た目にも心地よい竹素材で、現代の普通の居住空間に馴染み、軽やかに使える竹かごです。
イメージとしては、"食器用の水切りかご" 兼 "食器収納かご"。シンク周辺で水切りかごとして使い、そのまま食器を出し入れして使ったり、竹かごごと食器棚や収納棚などに移動もできるような。人数や使う食器量によっては、このかごだけで収まりますし、よく使う食器用にしても、使い勝手が良いと思います。
カビが発生しにくいような十分な配慮を仕様に反映していますが、竹のため0にはできません。通常使う場面ではほとんど配慮は不要ですが、唯一、水で濡れたシンクに直接脚を置く場合は、脚の接地部分から水を吸い、長時間湿気の多い状態が続くと、カビが生じる可能性が高まります。この使用方法の際は、水を拭き取るか、水が溜まっていない部分に脚を置く等ご注意くださいませ。
PINT店主は2年ほど試用しています。特にメンテナンスはせず、食器が乾いた後もそのまま入れっぱなしにして使用。基本的には食器洗い後、洗って水がついたままの食器をこのかごに入れ、基本的にはキッチンスペースに置き、食器から落ちる水気が多そうな場合は竹棒をシンクに渡して使い、目立たないようにしたいときはシンクに置いて使っていました。カビは今のところ特になく、ときどき、汚れが目についたときには、食器洗い用に使っているブラシで擦って落としています。竹かご本体の底面部分の太めの竹ひご部分が表面積が大きめで一番付きやすいので、この部分をときどきブラシで洗っています。
お箸や細いカトラリー類は編み目を通り抜けてしまうので、これらを入れる場合は、置き方に配慮する必要があります。他の点を優先してあるため、この点については恐れ入りますが、使用時ご注意くださいませ。
仕様は水切りかごとして考えて作っていますが、形はごくシンプルですので、この用途に限らず、自由にお使いください。
▼竹材▼
大分県産のマダケ(青竹から油分・水分を抜いた晒し竹)で、塗装やコーティングなどは施していません。自然素材のため、もともとのしみや黒く見える部分もありますが、使用上問題のない判断の上使っています。
竹の光沢のある面は表皮で、エナメルやガラスに近い強度を持ち、水分や汚れも簡単に拭き取ることができます。繊維のある面は竹の身部分で、こちらは水分を吸いやすいため、湿気の多い場所に濡れたままずっと置いておくと、カビが生えてしまう可能性がありませうので、ご注意ください。
湿気は部屋の下にたまりやすいので、高めの場所に置く方が良いです。壁にかけたり、フックに吊るすと、乾きやすい上に風景の良いアクセントに。
長くお使いいただくと、色艶が増して飴色になります。すぐに目に見えるものではありませんが、変化を楽しみながら、育ててみてください。
ご使用されるうちに破損など生じた場合は修理が可能ですので、お気軽にご相談ください。
【素材】
竹(大分県産マダケ)
藤(トウ)
【サイズ】
外寸 24cm × 32cm × 高さ13cm(脚が出ている部分:2cm) 高さは脚全体の長さを計測
内寸 21.5cm × 29.5cm × 10cm 構造上、おおよその計測値です
渡し棒 長さ40、45、50cmの3サイズ。写真で使っているものは50cmです。
【重量】
本体:140-150g程度 素材の特性上、個体差があります。
【外装】
なし
【素材の取扱いについて】
・湿気の多い場所に濡れたままずっと置いておくと、カビが生えてしまう可能性もありますのでお気をつけ下さい。
・水洗いが可能です。洗った後は水分を良く切り、天日に干して乾かして下さい。