藍染め 〜その6.天然染色のメカニズムの違い 酸化還元〜



おはようございます。コジマです。

写真を整理していて、先日の草木染めの写真がでてきたので載せました。草木染めの煮汁をとっている所です。

天然染めはたくさんのやり方があります。とりあえず大きくわけて草木染めと藍染めの反応メカニズムについて説明してまいります。

草木染めは写真でみてわかるように湯気がでています。熱湯に草木を入れて煮汁をつくってその中にモノを入れて色を染み込ませ、色を定着させるために媒染剤というものを使って色を定着させるのです。

草木染めのメカニズムは藍染めシリーズが終わりましたらご紹介いたします。

今日は藍染めのメカニズムについて少し細かく説明します。



おおまかに書きますと藍染めは、熱はかけずに発酵させ空気の酸素と反応をして酸化還元を起こして発色をさせるのです。

青い色に発色するインディゴは複雑な構造(複素環をもつ化合物)を持っているため、水にはとけないのです。要は油と同じって事です。

インディゴって融点(固体から液体へ変わる温度)が390度だから溶かすのが大変。溶けた事に成功しても熱で衣類がやられちゃいますよね(笑)
だけど昔の人は試行錯誤して藍染めを成功させてしまうわけです。

その方法が菌を使ってインディゴを還元して別の物質ロイコ体というものに変えて藍染めを成功させたのです。

インディゴ+還元菌→ロイコ体(水溶性)

このロイコ体は温度をかけなくても水にとける物質なのです。すごくないですか?390度の熱を加えないと溶けないインディゴが菌によってひょいと水にとけるメカニズム。単純に私はスゴイと思いました。

このロイコ体が水に溶けた状態で衣類に吸収をさせるのです。

ちなみにロイコ体は黄色の発色があります。

液体から出して空気中の酸素に触れると一気に酸化が進みます。

ロイコ体+空気中の酸素→インディゴ(水に溶けない)

綺麗にインディゴの青い発色が起きるわけです。

昔の人は化学がわからないのによくここまでたどり着いたなと感心です。

まとめますと

インディゴ+還元菌→ロイコ体 (還元)

ロイコ体+空気中の酸素→インディゴ(酸化)


単純な二段階の反応なんです。

本当は化学構造式を書いて説明するのがいいのですが、記載が出来ずに申し訳ございません。

詳細を知りたい方は、イベントなどで質問して頂ければお答えいたします。

天然染色の魅力は尽きないです。


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コジマ