リネンはコットンよりも吸水性が高いと言われています。
国内外多くのメーカーさんが情報として出していて、何倍なのかは検査によると思いますが、通説として皆さん聞かれたことがあるのではないでしょうか?
そんな説がある一方で、
「どうもリネンのキッチンクロスって水を弾くというか、水の吸い取りが悪いんだけど、なんだろう?」
という経験と、素朴な疑問をお持ちの方はかなりの確率でいらっしゃいます。
その真相をお伝えします。
上の疑問は、イベントで販売をしているときにも聞かれることも多いのです。
そういえば、私もPint!を始めるずっと前、リネンクロスを初めて使うかどうかのときに、同じような思いを持っておりました。
リネンのクロスは、なんかスースーするというか、水をぎゅっと吸わないというか、繊維自体がシャバシャバするというか、という何とももどかしい結果です。
その理由は・・・
「出荷時にされている、糊付け」
です。
フラックスという植物の繊維から、リネンの糸ができ、その糸を織って、リネンの生地になります。
ここからキッチンクロスになったり、いろんなリネンものになるわけです。
後にも述べますが、リネン自体はコットンよりも吸水性と速乾性に優れています。
それを邪魔しているものがあるのです。
それが出荷時に、見た目の綺麗さ(張りなど)、汚れ防止などのために付けられた糊です。
糊とリネンは相性がよく、なかなか別れてくれません。
何回使っても何回洗ってもなんだか生地がしゃりしゃりするという方は、糊が落ちきっていない状態と考えていただいてよさそうです。
半年くらい使っても風合いが出ず、というクロスは、糊ががちがちについているのかもしれません。
もちろん、リネンクロスには糊がついているから仕方ない、おしまい!
ということにはなりません。
糊付けされていない、リネンそのものの素材の良さを味わいたい!!
という方におすすめできるリネンのクロスがあります、それがPint!のリネンキッチンクロス生地です。
Pint!のリネンキッチンクロス生地は、織り上がりの生の状態の生地です。
織機から出して検反を終えただけ、つまり、糊付けしていないのです。
この場合、最初に数回水通しして水に慣らすだけで、リネンは強力な吸水性を発揮してくれます。
そう、やはりリネンの素材自体は非常に優れているのです。
ちなみに、市販のもので、糊付けしていないものというのは、店を巡ってみる限りは、これまでPint!以外では遭遇したことがありません。
大きく効率的にビジネスしようと思えば、糊付けは一般的な加工方法ですし、成分に問題があるわけでももちろんないです。
これらは悪いことではないのですが、Pint!はコンセプト通り、素材の良さと、売り手都合でないものづくりをしっかり進めてゆきたいと思っています。
糊の興味深いお話は、職人さんとお話しして伺った内容ですので、公的検査云々といった話ではありませんが、この道数十年の職人の理論、経験に基づいたもので、信頼出来る内容の話だと思います。
ちなみにPint!のリネンキッチンクロス生地は、これだけでは終りません。
糊付けはしていないのですが、それでも触ったお客様は皆、糊付けしていないの?!と驚かれます。
この理由は、ぎりぎりの超高密度で、通常の2〜3倍以上の糸をたっぷり使って織り込んでいるからです。
糸がぎちぎちなので、糸だけで張りがあるのです。
これは細かい話をすると、紡績された糸がかなり真っすぐで綺麗でないと実現出来ないので、糸の品質の良さも証明されるところ。
糸をたっぷり使った生地は、リネンという吸水性の高い質の糸を、量的にもたくさん使っているので、吸水性が驚くほど高いのです。
一度使うと他のクロスは使えない、という方も多いもの。
是非一度、お使いになってみてくださいませ。
こちらのページ「リネン製品のものづくりご紹介」でも、Pint!のリネン製品のディープなこだわりをご紹介しています。
布好き、リネン好きの方でも、こういったところまではもちろん知る由もない情報だと思います。
職人さんと長い時間話をさせていただき、いろんな興味深いことを直接伺ったことを、少しずつご紹介したいと思います。
疑問などありましたら、コメントでも、ホームページのお問い合わせフォームからでも、お気軽にご連絡下さい。
中地(なかち)