藍染め 〜その3.天然藍と合成インディゴの違いは何?〜

藍染め探求は続きます!

今日は、今Pint!が職人の坂さんと取組んでいる天然藍と、いわゆる合成インディゴの違いについて。

インディゴとよく耳にしますが、天然藍と合成インディゴの違いって一体何だろうと本を読みあさり、少しずつですが藍の歴史や化学を知る事ができました。

藍染の歴史はとても古くエジプトでは5000年以上前のミイラが藍染の布をまとっていたそうです。エジプトだけでなく世界中のあちこちで異種民族が独自文化の中で藍染を使用していたのはとても興味深いです。

18年の長い合成研究によりこの美しい青色(indigo)の化学構造決定を行ったのが約100年前の1883年A.バイヤー(ドイツ)によって発表され、その功績が認められ1905年(明治38年)にノーベル化学賞を受賞。

この化学構造式決定により染料化学工業が産業革命の追い風を受け一気に加速します。

1897年(明治30年)のイギリス植民地であったインドにおける天然藍の輸出高は10000トンでドイツではわずか600トンでした。

この合成インディゴが生産されると1911年(明治44年)にはインドの天然藍輸出高860トン(9140トン↓)に激減し、ドイツの合成インディゴ輸出高は22000トンに激増しました。

合成インディゴは安価で大量生産が出来るため効率化が進みたくさんのモノに使われるようになりました。

合成インディゴは別名ピュアインディゴ(pure indigo)といわれ、化学的に精製され純度の高いインディゴを指します。

このため時間がかかり量が不安定で、不純物の多い天然藍は、どんどん衰退の道をたどるのです。

インディゴの発見から約100年経った現代の私達の生活では当たり前のように日用品に合成インディゴが使われています。

職人さんから頂いた手ぬぐいで天然藍の青を見た時に、明らかに合成インディゴの青とまったく違うものだと感じて見入ってしまいました。

この深みのある青は一体なぜだろうと考えました。

違いは「不純物」でした。確かに天然藍も合成インディゴも特定の色を判断する吸光度測定を使用するとインディゴを含むピークが一致しているため同じ青が入っているのが証明されています。

しかし、天然藍にしかない「不純物」こそが機械や化学合成では出すことが出来ない天然の美しさの秘密なのです。

この不純物はいろいろな条件下で様々な反応を起こします。インディゴブラウンやインディゴブルーやインジルビンなど様々な色が交じり合っているために独特な青を生み出しています。

天然藍は合成インディゴと違って単一成分ではなく、不純物を含んだ複合成分が交じり合っているのです。

天然藍職人の坂さん曰く、「この青の中にはたくさんの色が入っているため、どの色ともあわせやすくなるんです。」とおっしゃられていました。

だから藍染のアイテムをコーディネイトをする時に、ほとんどの色に合わせやすい理由がここにあるのだとわかりました。

この「不純物」に人間の目が感じる温もりや奥行きがあるのだと確信しました。

Pint!はこんな感じで一つ一つモノの本質だったり奥行きを常に考えているプロダクトブランドです。

是非これからも職人さんと使い手のあなたといっしょにたくさんのプロダクトを手掛けて参りますのでどうぞ応援宜しくお願い致します。

まだまだレポートは続きます・・・・

            

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