かぐれのワードローブ #02-4 REPORT 〜3rdサンプルチェック〜

かぐれのワードローブ #02-4 REPORT 〜3rdサンプルチェック〜

レポートアップが少し遅くなってしまいましたが、かぐれのワードローブ#02、オリジナルシャツ作りは先月無事第4回目を終えました。

前回までのレポート 1回目>2回目>3回目>

前回の3回目では1stサンプルをベースに、修正点をあげました。今回までの間に、enrica町田さんには生地の調達確認と、3rdサンプル製作を進めてくださいました。今日は3rdサンプルをベースに、完成に近づけます。いよいよ佳境に入ってきました。

前回記事でも書きましたが、2ndサンプルの修正内容のおさらいです。
・背面切り替えに小さなギャザー → 真ん中にタックを小さく入れる(1.5~2cm)
・ポケットは一回り(1.5cm)小さく。上位置はそのままにするため、少し上がる印象。
・襟を0.8cm削って小さく
・着丈はそのまま
・シャツカットは1stから変更なし
・カフスは3cmカフス。ボタンは横に2個つけて調整できるように変更。1st位置+間3cmで2個目のボタン。
・白シャツのみ、コットン糸での縫製(他の生地色は染め重ねの想定は外し、糸色も生地にあわせる)
・ボタン数は同じ。第一ボタンの位置を下げて、同間隔のまま一律下げる。
・ボタン大きさはそのまま
・生地色展開も含めて、2ndサンプルは他の候補生地で製作し見比べることに。スイスコットン生地。

生地や各仕様の条件面から、今回は1stと縫製工場を変えて製作。2ndサンプルは、デニム製品を手がける工場で縫製を行ったそうです。そのため、チェーンステッチなど縫製箇所を見ると少しワークっぽい印象に。生地も1stに比べると少しだけ厚くなったため、「ブラウス」と呼べる女性らしい1stと対照的に、「シャツ」という感じの男性的な印象になりました。細かな仕様やパターンの修正ポイントを反映しつつ、生地や雰囲気を変え、異なる2つを比べられる回となりました。

今回も皆で試着を交代しながらの検証。2ndの検証とともに、3rdサンプルへの修正ポイントを。


▼形とパターン
1stと比べて、丈やボタン、ポケットの修正ポイントはイメージ通りでしっくりくるバランスに落ち着きました。襟のバランスで、ボタンをあけても、しめても着られます。あけて着る場合も、ばちっと開襟にはならず、ほどよく柔らかさを持った自然な雰囲気に。

▼生地
とても上質なスイスコットンのため、いわゆるコットンシャツのカジュアルさやシャツの固さはなく、肌触りも良し。透け感が減ったのも高ポイントです。ベストの生地!と判断し、次のサンプルも同じ生地で進行します。白+染め色を検討。

▼ディティール
1st段階では触れられていなかったディティールについても、町田さんのレクチャーを受けながら検討を進めました。

●カフス
空き部分は輪っかの形になるように。ブラウス寄りのディティールで、女性らしさが出そうです。また、生地同色でステッチを入れて、控えめながらデザインのワンポイントになり、かつ縫製補強により長く着ていただけるようにします。
ボタンは横並びに2つ。カフスの絞り具合の調整も兼ねますが、デザインポイントとしての意味合いが強め。
●ポケット部分
こちらにも同色で細かくステッチを入れます。レディースシャツですが、メンズ目線でもぐっとくるディティールですね。
●ボタン
パターン上、一番上のボタンだけ、少し位置が異なるためボタン種類も変えてワンポイントに。シルクサテンのくるみボタンを付けてみます。上品で女性らしくなりそうです。


ということで、パターンはほぼOK、生地はOK、ディティールも考えられました。
気になるポイントは、このシャツが持つ全体の空気感、雰囲気。先に書いたように、2ndは少し男性らしさが強めの仕上がりでした。大人の女性がベーシックに着られる1着として、もう少し女性らしい雰囲気に寄せたい。でも、単純に女性らしい生地に変更したり、デザインを加えるということではない。生地やパターンなど今決まっているベストの要素をベースに、他のどんな要素と修正変更によって、シャツ全体の雰囲気を変えるかという大事な踏ん張りどころです。町田さんからいろいろな案を教えていただきながら、皆でどのアプローチが良いのかをじっくり話し合いました。

その結果、
▼縫製と洗い加工
チェーンステッチや洗い加工の加減からワークっぽさが出たため、これをなくし変更して解決することに。
・肩、脇下、アームホール、袖のステッチをやめる → ステッチがなくなりワーク感をなくす。代わりにロック仕上げにすることで、薄く軽く。
・これに伴い、工場も1stに戻す。
という方法で3rdサンプルを製作することに決まりました。


縫製工場にも、得意とする製品の違いで表情にも違いが出ることがとても興味深かったです。生産企画の中に入っていないと、縫製工場を比較して仕上がりを見られる機会はないので、私に取っても貴重な機会になりました。ちなみに、前回レポートした綿糸での縫製(染め直しができるために)は残っており、これはどちらの工場でも可能なため、この仕様は継続です。
次は3rdサンプル。これが最終サンプルとなる予定です。いよいよ終盤に近づいてきました。

生産と販売スケジュール、価格検討、タグや提げ札などの検討も並行して詰めてゆきます。

ここで、いわゆる商品開発会議と違う意見がたくさん飛び交ったので印象的な話がありました。

どのようにお客さんにこのシャツを知って選んでいただけるか、というテーマを話した時のこと。店頭やウェブの告知だったり、商品の紹介方法など、販売促進的な”プロモーション”の話になりがちな議題ですが、店頭のスタッフさん目線の、「買い物の楽しさ」だったり「服との出会い方」という視点のアイディアばかりがたくさん出てきました。過去のメンバーと回にも出なかった新しいアイディアも生まれたので、次回かたまったらご紹介したいと思います。

また、かぐれスタッフが洋服作りの一部に携わることができないか、というアイディアも。こちらも3rdサンプルを踏まえて次回に詳しく検討し決められる予定です。

やっと、具体的なシャツの形が見えてきました。一人一人の意見も遠慮なく率直に出し合いながら、目指す服のイメージがまとまってきたように感じます。

次回は11月下旬。3rdサンプルのチェックです。


●今後のスケジュール
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【かぐれのワードローブ#02 スケジュール】
2017/7 #02-1 REPORT 〜製作アイテム検討〜 <終了→レポート
2017/8 #02-2 〜生地・デザイン検討〜 <終了→レポート
2017/9 #02-3 〜1stサンプルチェック〜 <終了→レポート
2017/10 #02-4 〜2ndサンプルチェック〜 <今回>
2017/11 #02-5 〜3rdサンプルチェック〜 <次回>
2017/12 最終決定 
2018/1~2 生産
2018/3 発売開始
※次回以降は予定です。変更が生じる場合があります。
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次回ですが、11月末には開催しレポートをアップする予定です。
3rdサンプルチェックとしていますが、内容によっては最終決定まで進めらることができるかもしれませんので、お楽しみに。