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みんなのどうぐ#08 パンなリネンバッグ

みんなのどうぐ#08 パンなリネンバッグ

使う人が、PINTと作り手と共に、いまの暮らしの中で本当に使いたいものを考える。現代の民具をつくる「みんなのどうぐ」プロジェクトの第8弾。PINTが京都に移転してからは、初めての開催です。(みんなのどうぐ) 京都は、美味しいパン屋さんがたくさんあり、消費量も多いと言われるパン好きな街。パンが大好きで買うことも多いけれど、持ち帰るときに潰れたり、ビニール袋で湿気ったりしてしまう。そんな悩みから、「みんなのどうぐ」で”パンのためのバッグ”を作りたいというリクエストをいただきました。 メンバーは、リクエストをくださった四条大宮にある雑貨店”sumao”のはまやさん、パンの水先案内人”painlot”の山田さん、募集して集まった7名のパン好きの皆さん。はじめましての1回目から、3ヶ月の間に全5回集まってバッグを作る、臨時の製品企画チームです。 毎回、会場のPINTに集まって、パンへの愛を語り、買って持ち帰るシーンを思い浮かべながら、かたちと仕様を考えます。どうやったら美味しく持ち帰れるか。パンは日々買うから、いつも持ちたくなるようなものにしたい。 サンプルを何度も作って、持ち寄ったパンを入れて、交代で使ってみて、また直して。繰り返して出来上がったバッグは、他にない独特な形になりました。 毎回の会議の後は、それぞれが持ち寄ったおすすめのパンで食事会。美味しいパンを皆で食べ、一丸となって楽しく作ることができました。 「パンなリネンバッグ」というのも、完成後に皆で考えてつけた名前。京都らしく、”はんなり”をかけて、「”パンなリ”ネンバッグ」と名付けました。 パン好きが考えた、パン好きのためのバッグです。 パンなリネンバッグ(みんなのどうぐ #08) ▼仕様 パンなリネンバッグ(企画製作期間:2018年9月-11月/全5回) 素材 本体:リネン100% 紐:リネン100% サイズ 幅40cm×奥行き16.5cm×高さ30cm ▼企画概要 企画メンバー ゆうこさん、あゆみさん、なおこさん、ふみこさん、あいこさん、たかこさん、めぐみさん、まことさん、あかねさん 撮影 山田慎、市野亜由美、丸井優子 製作 PINT special thanks sumao、painlot、marron’s kitchen、月麦の音 メンバー募集はfacebookで公募しましたが、半日でいっぱいになりました。一般募集にも関わらず、食を仕事にする方が多く、デザイナーやライターさんもいらっしゃるというメンバー構成。デザイナーの林愛子さんには、本製品のリーフレットも製作いただきました。(PINT京都の店頭、PINTwebショップご注文時の同梱、sumaoで配布しています) 最初に声をかけてくださったsumaoのふみこさん  パンを知り尽くすパンマニアとしてのアドバイスを求め、参加いただいたpainlotのまことさん  毎回、持ち寄りのパンと合わせて料理を作ってくださったmarron’s kitchenなおこさん   4回目会議ではパンを焼いてきてくださった月麦の音のたかこさん  5回目会議でコーヒーを淹れてくださったあかねさん 5回目会議でタルトタタンを焼いてきてくださったlemurmureのゆうこさん 打上げでお店を使わせてくださった、まつはのめぐみさん...

enrica×かぐれ cottonshirt

enrica×かぐれ cottonshirt

【sold out】enrica×かぐれ cottonshirt(sheerwhite) enrica×かぐれ cottonshirt(earthgrey) enrica×かぐれ cottonshirt(nightnavy) enrica×かぐれのオリジナル定番シャツ。色と生地感、オープンカラーでこの季節すぐに活躍する一着です。 レディース1サイズの展開。春夏以外にも、一番上のくるみボタンをかければ秋口にも着ていただけます。生地の気持ちよさはもちろんですが、定番のシャツとして、じっくり、すみずみまで考えられています。 ショップコート、ワンピースに続く第3弾。いつも通り、半年に渡る企画レポートを毎回分アップしています。こちらの、”かぐれのワードローブ #2-各回”をご覧ください。 ▼ PINT webshop http://pint.mn/ ▼ プロフィール Pintについて ▼ PINT BLOG 人気カテゴリー PINTのものづくり 募集中イベント・イベント告知 再入荷・発売開始アイテム一覧 欠品中アイテム 入荷時期と予約受付のご案内 素材の取扱・お手入れ一覧 みんなの使い方

かぐれのワードローブ #02-5 REPORT 〜最終サンプルチェック〜

かぐれのワードローブ #02-5 REPORT 〜最終サンプルチェック〜

レポートアップが少し遅くなってしまいましたが、かぐれのワードローブ#02、オリジナルシャツ作りはいよいよ最終回となる5回目を終えました。 前回までのレポート 1回目>2回目>3回目>4回目> 前回までで、1stサンプルと2ndサンプルができあがり、デザイン型、生地感、縫製仕様などを見比べることができました。縫製工場も変え、1stは女性らしいシャツ、2ndでは少し男性らしいワークテイストも見えるシャツができました。今日は3rdサンプルをベースに、最終サンプルを決定する重要な回です。 前回記事でも書きましたが、3rdサンプルの修正内容のおさらいです。 ・チェーンステッチや洗い加工の加減からワークっぽさが出たため、これをなくし変更して解決することに。 ・肩、脇下、アームホール、袖のステッチをやめる → ステッチがなくなりワーク感をなくす。代わりにロック仕上げにすることで、薄く軽く。 ・これに伴い、工場も1stに戻す。 女性らしいシャツに少し寄せるため、これらを反映させたサンプルです。 今回も皆で試着を交代しながらの検証。3rdサンプルの検証を。OKな箇所は確定、修正が必要なものは、本生産に直接修正内容を反映させます。 ▼形とパターン ほぼこのまま決定で、良い形に仕上がりました。修正は一点、アームホールと袖を少し細く変更。 ▼ディティール ●一番上のボタンループ 一番上のボタンのみ、ボタンホールではなくループに。見た目のバランスとボタンの掛けやすさを修正。このループの向きを横向きに、そして細くする。 ●ポケット部分 5本針ステッチのままでOK。細かなステッチが補強とともにポイントに。 ●縫製糸 ネイビーとカーキには同色のテトロン糸、ホワイトには綿糸。シミや汚れが目立ってしまったときに、染め重ねができるように。普通のポリエステル糸だと糸に染めが入らず浮いてしまいますが、染め綿糸だと生地と一緒に染まります。縫製時の糸切れなどのハードルがあるのですが、対応くださることに。 ●ボタン 10mmのボタン、生地色にあわせて最終決定。一番上は同生地のくるみボタン。 いよいよ最終の仕様が確定。修正を繰り返し、途中で採用されかなかった仕様もたくさんありましたが、一つ一つを試し検討しながら、シャツと服作りの一つ一つの構成要素と意味を噛み締めて進んでくることができました。 このシャツを、実際に作り、店頭で販売し、お客さんに選んでもらって着ていただくまでが、作り手であり販売店でもあるかぐれとしての役割。文学を専攻していた羽柴さんから、買い物の楽しさ、このシャツとの出会い、かぐれからのメッセージを和歌に込めて届けたいというアイディアが出て、シャツ1点1点にしおりのようなカードをつけることに決めました。単に洋服を1枚作り販売するのでなく、その洋服と出会い、暮らしの中で着てもらうことに向けた私たちの思いを添えて、お届けします。羽柴さんを中心に、和歌を選び、紙の選定とデザインまで、かぐれチームで持ち帰りの宿題とすることに。普段イメージされる洋服の売り方とは全く違ったメッセージとアプローチで、聞いている私もわくわくしました。これについては、次の最終レポートで改めて報告したいと思います。 年末年始を挟み、今日の内容を反映させていよいよ本生産に入ります。2月に納品と、振り返りを兼ねた試着&お披露目会があります。かぐれ店頭では3月から展開予定です。 次回は製品写真、着用写真ともに完成品をご紹介できますので、楽しみにお待ちくださいませ。 ●今後のスケジュール //////////////////////////////////////////////////////// 【かぐれのワードローブ#02 スケジュール】...

かぐれのワードローブ #02-4 REPORT 〜3rdサンプルチェック〜

かぐれのワードローブ #02-4 REPORT 〜3rdサンプルチェック〜

レポートアップが少し遅くなってしまいましたが、かぐれのワードローブ#02、オリジナルシャツ作りは先月無事第4回目を終えました。 前回までのレポート 1回目>2回目>3回目> 前回の3回目では1stサンプルをベースに、修正点をあげました。今回までの間に、enrica町田さんには生地の調達確認と、3rdサンプル製作を進めてくださいました。今日は3rdサンプルをベースに、完成に近づけます。いよいよ佳境に入ってきました。 前回記事でも書きましたが、2ndサンプルの修正内容のおさらいです。 ・背面切り替えに小さなギャザー → 真ん中にタックを小さく入れる(1.5~2cm) ・ポケットは一回り(1.5cm)小さく。上位置はそのままにするため、少し上がる印象。 ・襟を0.8cm削って小さく ・着丈はそのまま ・シャツカットは1stから変更なし ・カフスは3cmカフス。ボタンは横に2個つけて調整できるように変更。1st位置+間3cmで2個目のボタン。 ・白シャツのみ、コットン糸での縫製(他の生地色は染め重ねの想定は外し、糸色も生地にあわせる) ・ボタン数は同じ。第一ボタンの位置を下げて、同間隔のまま一律下げる。 ・ボタン大きさはそのまま ・生地色展開も含めて、2ndサンプルは他の候補生地で製作し見比べることに。スイスコットン生地。 生地や各仕様の条件面から、今回は1stと縫製工場を変えて製作。2ndサンプルは、デニム製品を手がける工場で縫製を行ったそうです。そのため、チェーンステッチなど縫製箇所を見ると少しワークっぽい印象に。生地も1stに比べると少しだけ厚くなったため、「ブラウス」と呼べる女性らしい1stと対照的に、「シャツ」という感じの男性的な印象になりました。細かな仕様やパターンの修正ポイントを反映しつつ、生地や雰囲気を変え、異なる2つを比べられる回となりました。 今回も皆で試着を交代しながらの検証。2ndの検証とともに、3rdサンプルへの修正ポイントを。 ▼形とパターン 1stと比べて、丈やボタン、ポケットの修正ポイントはイメージ通りでしっくりくるバランスに落ち着きました。襟のバランスで、ボタンをあけても、しめても着られます。あけて着る場合も、ばちっと開襟にはならず、ほどよく柔らかさを持った自然な雰囲気に。 ▼生地 とても上質なスイスコットンのため、いわゆるコットンシャツのカジュアルさやシャツの固さはなく、肌触りも良し。透け感が減ったのも高ポイントです。ベストの生地!と判断し、次のサンプルも同じ生地で進行します。白+染め色を検討。 ▼ディティール 1st段階では触れられていなかったディティールについても、町田さんのレクチャーを受けながら検討を進めました。 ●カフス 空き部分は輪っかの形になるように。ブラウス寄りのディティールで、女性らしさが出そうです。また、生地同色でステッチを入れて、控えめながらデザインのワンポイントになり、かつ縫製補強により長く着ていただけるようにします。 ボタンは横並びに2つ。カフスの絞り具合の調整も兼ねますが、デザインポイントとしての意味合いが強め。 ●ポケット部分 こちらにも同色で細かくステッチを入れます。レディースシャツですが、メンズ目線でもぐっとくるディティールですね。 ●ボタン パターン上、一番上のボタンだけ、少し位置が異なるためボタン種類も変えてワンポイントに。シルクサテンのくるみボタンを付けてみます。上品で女性らしくなりそうです。 ということで、パターンはほぼOK、生地はOK、ディティールも考えられました。...

山形エクセレントデザイン2017 奨励企業に選ばれました

山形エクセレントデザイン2017 奨励企業に選ばれました

一昨年、山形で開催したみんなのどうぐで生まれた たがる包丁 販売2年目に入りましたが、発売当初から変わらずに人気の製品で、全国のたくさんのお客様の元に旅立ってゆきました。応募のおすすめをくださった方が何人かいらっしゃり、隔年で開催されている山形エクセレントデザイン2017に応募していました。先日結果が出て、残念ながら受賞はなりませんでしたが、「奨励企業」として選んでいただきました。結果は下のリンクをご覧ください。ページ下部の奨励企業に、”(有)島田刃物製作所+(株)プレイグラウンド”として掲載されています。 「山形エクセレントデザイン2017」受賞製品及び奨励企業が決定しました!(速報版) みんなのどうぐでの会場としてもお世話になったコロンさんがデザインされているものの受賞もあり、他にも魅力的なデザイン商品がいろいろ。地域としてのものづくり、デザイン的な活動としてはすごくまとまって先進的に感じます。 今回、主催の山形県工業技術センターさんに「みんなのどうぐ」の活動にご興味を持っていただけたことと、今後の山形での活動につながりそうな奨励企業として選出いただいたこと、とても嬉しく思います。 山形のものづくり、エリアはとても魅力的なので、またものづくりや企画ができたらと思っています。 ▼ PINT webshop http://pint.mn/ ▼ プロフィール Pintについて ▼ PINT BLOG 人気カテゴリー PINTのものづくり 募集中イベント・イベント告知 再入荷・発売開始アイテム一覧 欠品中アイテム 入荷時期と予約受付のご案内 素材の取扱・お手入れ一覧 みんなの使い方

かぐれのワードローブ #02-3 REPORT 〜1stサンプルチェック〜

かぐれのワードローブ #02-3 REPORT 〜1stサンプルチェック〜

気温も下がってきて、ようやく秋らしくなってきました。季節の移り変わりとともに、こちらのプロジェクトも着々と進んでいます。かぐれのワードローブ #02、オリジナルシャツ作りは第3回目を終えました。 前回までのレポート 1回目>2回目> 前回の2回目ではおおまかなシャツの仕様が決まり、候補生地からいくつかに希望候補を絞りました。前回から今回の間に、enrica町田さんにはトワル製作を経て、1stサンプル製作まで完了してきてくださいました。今日はこの1stサンプルをベースに、着て、見て、触って、考えて、修正ポイントと次へのステップを探る回です。 まずは前回までを振り返り、生地候補の調達とセレクトについてもまず報告共有を。それでは早速1stサンプルを見てみましょう! 生地素材はコットン。いわゆるコットンのイメージとは全然違う、シルクにも似た感じの滑らかなサテンコットンです。生地メーカーさんがオリジナルで企画開発しているという、まだ出ていない特別な生地だそうです。高級感というか、上品な雰囲気が出ています。生地を触るだけでもわかる良さですが、袖を通すとすぐに肌触りと着心地の良さにリアクションが。 パターンとシルエットも、前回の古着のサンプルを起点にしながらも、生地の違いを反映して今の時代に置き換えてと、良い意味で全く違うものに。過去のシリーズでも、コンセプトやイメージ、おおまかな仕様希望をもとにサンプル製作に進み、その仕上がりクオリティに驚かされていますが、今回も同じく皆から驚きと喜びの声があがりました。1stサンプル、主なポイントは ・身幅はたっぷり ・肩は今の流行ほどはドロップにせず ・袖幅は広め ・アームホール大きめ かぐれらしく、また日常着としても上品に着られることをイメージしています。身体に沿った形ではなく、リラックスした感じのゆるりとしたシルエット。1サイズで作っていることも理由の一つです。ゆったりとした作りですが、肩は落としすぎず、生地は上質なもので、バランスが取れているように思いました。ベースにした古着シャツは、全体の雰囲気(シルエット)がほのかに残りつつ、ディティールを取捨選択して取り入れたという感じでしょうか。 お客さんを思い浮かべながらのスタッフ視点と、一人の洋服好きの個人の視点もあわせて、みんなであれこれ意見を出しながら順番に試着を。着方を考えながら、まだ製作企画途中のサンプルの完成度を上げるべく意見とアイディアを重ねていきます。もちろん企画会議として大真面目ですが、洋服好きが集まって、コーディネートをしながら、わいわいと楽しく話し合っている空気があり、今回も良いものが生まれそうな予感です。会議室だけの企画会議よりも、本気の大人が集まる楽しい現場から良いものは生まれると思います。 ここで一つ、着る人視点の面白いアイディアがでました。 このシャツは、白無地を含め数色の展開予定です。白無地シャツは長く着ていると、丁寧にケアしながらでも、どうしても襟や袖口のくすんだり、料理や油の染みが目立ったりします。白で無地ですので、天然素材で強い加工を施さないかぎり、これは仕方のないことです。お気に入りの白シャツでも、そういった理由でサヨナラするのはすごく惜しいですよね。そこで、もしそうなってもまた着つづけたい!という場合のために、染め直しして着続けるという選択肢を用意してはどうか、というアイディアが出ました。 かぐれでもときどき、製品持ち込みの藍染体験イベントを定期的に開催していますし、いわゆる製品後染めのサービスも今はたくさんあります。藍染や草木染めの場合が多いですね。このときに、いわゆる一般的な白いコットンシャツを染めると、糸だけは染めが十分に入らず、テカッとした感じになります。天然染料の染めは、天然素材にしか色が入らないのですが、普通のシャツの縫製糸は化学繊維(ポリエステル)だからです。そのため、糸も同様に綺麗に染まるように、白シャツに関してはコットン糸での縫製を検討することになりました。ただし、生産時、ミシンの調整も必要な上に縫製時に糸が切れるケースが発生するため、生産効率も落ちるという面があります。このため、ほとんどの縫製糸はポリエステルなのですね。工場に生産対応が可能かを確認相談することになりました。 着方もいろいろ試します。 シャツはボトムスに入れるのか出すのか、フェミニンもしくはメンズライク、襟は閉めるのか開けるのか? コートと合わせたり、ボトムスはパンツのとき、スカートのとき。 シャツのコンセプトとおすすめしたい着方を絞りながら、一番のバランスとポイントを探してゆきます。 このプロジェクトでは参加メンバーもたくさんいて、通常は企画に携わりにくい店舗スタッフがメイン。店舗スタッフのすぐ先には日々直接接客し、話をしているたくさんのお客さんがいます。かぐれというお店、ブランドのオリジナル製品を作るにあたっては、着方や着こなしもとても大事。お客さんと直接お話ししている店舗スタッフの皆さんが参加しているのは本当に心強いです。ここの良さと、enricaのプロフェッショナルな洋服作りを組み合わせるのです。 町田さんが、その場で皆の意見を聞きながら、修正ポイントと修正案をレクチャー。町田さんの経験と知見を共有してもらいながら、どう製品仕様に落とし込んでいくのかを考えます。座学でなく、サンプル実物とまさに進行中企画の実践なので、洋服は専門外の僕にもすっと入ってきます。 1stは背に少しギャザーが入っているのですが、ギャザーとタックだとどう印象が変わってくるか、着心地や動きやすさにどう影響があるのか、それぞれどの細かさまで工場で実現可能か。襟の形と大きさや角度、カフスと襟のバランス、ポケットの位置と大きさ、前たてとボタンの大きさの組み合わせ、、、。書ききれませんが、一つ一つのパーツの仕様(サイズ・形など)があり、その一つだけでもシャツ自体の印象が一気に変わります。同時に、他のパーツと全体へのバランスを調整する必要があります。良いものを作るデザイナー、パタンナーの技術の凄さに改めて驚きました。 この濃いレクチャーと話し合いを続け、修正ポイントが決まりました!以下、ずらりと書いてみます。わかりにくいかもしれませんが、次回のレポートで、2ndサンプルの写真もたくさんアップします。ご興味ある方は、是非写真を見比べてみてくださいね。 ・背面切り替えに小さなギャザー → 真ん中にタックを小さく入れる(1.5~2cm) ・ポケットは一回り(1.5cm)小さく。上位置はそのままにするため、少し上がる印象。 ・襟を0.8cm削って小さく ・着丈はそのまま ・シャツカットは1stから変更なし ・カフスは3cmカフス。ボタンは横に2個つけて調整できるように変更。1st位置+間3cmで2個目のボタン。...

かぐれのワードローブ #02-2 REPORT 〜製作アイテム検討〜

かぐれのワードローブ #02-2 REPORT 〜製作アイテム検討〜

かぐれのワードローブ #02、第2回目を終えました。 前回のレポート 製作するアイテムはシャツに決まりました。この1ヶ月の間で、それぞれのメンバーに、この宿題を進めてきてもらいました。 ・enrica町田さんが、生地候補探し。リネン、コットン、シルク、リネンコットン、シルクコットン、天然素材を中心に。できればオーガニックの素材。生地感は「透け感(少)なく」「やわらかい」「マット」。 ・かぐれメンバーは、シャツ企画案の準備。言葉やイラスト、お気に入りのシャツや服でもOKなので、準備してきていただきます。 今回のゴールは、皆のシャツのイメージを集め、ポイントをまとめて定めること。そして、町田さんからシャツについてのレクチャーとパターン・デザインにおけるポイントを教えていただきながら、1stサンプルに取り掛かれるまでの仕様の輪郭を作ることです。 今日は形のもとが出来上がるための前半の山場。さて、一体どんなシャツになるのでしょうか。 かぐれメンバーのみなさん、この1ヶ月、頭の片隅でシャツのことを考えながら、具体的なイメージを作ってきてくださいました。プレゼン方法も、写真、イラスト、私物のシャツ、と様々。全てを紹介することはできませんが、たくさんのアイディアと熱、伝わるでしょうか。 私物のシャツは、交代で試着をしてみたり、生地感を触ってみたり。生地と形の相性もあれば、どう着るかで丈の長さもシルエットも変わってきます。今回は、前のワンピースの時よりもたくさん集まりました。私物シャツの中で一番盛り上がったのは、バイヤーの宮崎さんの古着シャツ(写真内のカーキ色のシャツ)。古着アイテムが登場したのは初でした。 アイディアを出し合い、シャツのイメージは膨らみますが、着方も種類もあまりに多様なだけに、シャツというアイテムの難しさも感じました。 何と合わせて着るのか?メインで着るのか?上に何かを羽織るのか?裾は入れて着るのか? 形も、身頃シルエットはもちろんですが、襟、袖、前立て、カフス、裾の形、、、前のワンピースよりも無限に広がるパターンがあります。 ここで、皆のアイディアのポイントを要所要所拾いつつ、enrica町田さんによるシャツのレクチャーをいただきました。 そもそも、「シャツ」と「ブラウス」は厳密にいうと違うというお話から。分類されていることは知りつつも、具体的な違いははっきりわからない方も多いですよね。ざっくり分けると、フォーマル→カジュアルの順に、「Yシャツ–カジュアルシャツ–ブラウス」と分類できるようです。とはいえ、ブラウスは広義のシャツの1種とされることもあるようですので、シャツの中の分類とイメージしてみてください。 以下、簡単に説明します。 ・Yシャツ スーツやフォーマルなジャケットスタイルなどにあわせるシャツ。袖はジャケット袖から出し、裾はボトムスに入れるため、袖裾長め。 ・カジュアルシャツ デニムやチノと合わせるスタイルのシャツ。カジュアル度強いものだと、ワークシャツなど。 ・ブラウス 主に女性用で、やわらかな生地が多い。語源が「ゆったりした」という意味もあり、すぽっとかぶれるような形のものも含む。 もともと海外の言葉と文化を輸入したものですし、厳密な区切りに正解はないと思われますが、まずはここをはっきりさせる必要があります。この分類で考えると、皆が考えていたのは「ブラウス」であることが確定しました。 盛り込みたいポイントとしては、 ・生地が柔らかい ・裏前立て ・肩が少し落ちてリラックスした感じ ・胸ポケットあり(片側) ・襟は小さめ ・オリジナルらしいワンポイントがあること 先ほど紹介した古着のシャツをイメージの元として、裾や丈の長さを決めました。ザ・古着のため、組成もブランドもわからないもの。時代も生地もディティールも今にはないものですし、そのまま生地を変えてもうまくはいきません。あくまでインスピレーションをいただく形で、生地の種類、襟の形、ボタン位置、丈袖裾の長さなど検討しました。 生地は、町田さんが選んできてくださったコットン、リネン、シルク、それぞれの混織を中心に。「透け感(少)なく」「やわらかい」「マット」という生地感のものに絞って集められていますが、織り方や加工によっても様々。皆で触り、透け感も試しながら検討を進めます。 enricaらしく、肌触り柔らかく気持ち良い生地がずらりと並び、時間をかけて悩みました。色展開の可能性も含めて考えながら、数種類に候補を絞りました。...

かぐれのワードローブ #02-1 REPORT 〜製作アイテム検討〜

かぐれのワードローブ #02-1 REPORT 〜製作アイテム検討〜

前回シリーズのまとめ記事で案内していました、かぐれのワードローブ企画の第2弾がスタートしました。みんなのどうぐのプロバージョンで進行し、かぐれのオリジナルアイテムを、スタッフの皆さんとenricaとともに企画製作します。 かぐれのユニフォームとして製作した、リネンショップコートを皮切りにスタートしたこの企画。 2作目のリネンワンピースで「かぐれのワードローブ」としてシリーズ化し、今後は毎年1アイテムずつ、かぐれの定番オリジナルアイテムを少しずつ揃えてゆくことに決まりました。 通常では実現が難しいレベルで、人数も時間も思いもじっくりかけて作る、渾身のオリジナルライン。シーズンで売り切るものではなく、定番アイテムとしてずっとご紹介できるものを考えます。ちなみにレディースです。 これまでできたアイテムに続き、かぐれのワードローブとして今回は何を作るか?メンバーも新たに0から考えます。 ●今回のメンバー紹介 ————————————- かぐれディレクター 坂田さん かぐれレディースバイヤー 宮崎さん かぐれオフィスサポート 箱田さん かぐれ表参道店 島田さん かぐれ丸の内店 武田さん かぐれ横浜店 羽柴さん enrica 町田さん(デザイン・製作) PINT 中地(企画・進行) ————————————- このプロジェクトでは、デザイナーと共に進める製品企画を通じて洋服作りを学び、店舗の他のスタッフやお客様へのご紹介に活かすことを一つの目的としています。そのため、店舗からの参加メンバーは全員新参加です。 社内で募集し、手を上げてくださった新メンバーの皆さん。販売歴7年目のベテランスタッフの箱田さんに、インタビュー記事なども手がける島田さん、武田さんはかぐれに入って1年、羽柴さんはなんと1ヶ月。ポジションも社歴も、バラエティ豊かなメンバーが集まりました。 最初に坂田さんから、この企画へのかぐれとしての狙いと思いを伝えていただきました。坂田さんがかぐれに入られた当初、まだ店舗数も少なく、コンセプトを煮詰めたオリジナルアイテムや展開がしやすい規模だったそうです。そこから少しずつ大きくなってきたかぐれの強みを活かしながら、今一度原点に立ち返ったものづくりを、というお話でした。 かぐれは現在6店舗。コンセプトと空気感が感じられるお店です。かぐれとして一本筋が通りながらも、表参道店のような路面店から、駅のショッピングセンターであるジョイナスに入る横浜店、高級店が並ぶ丸の内店、ミッドタウン店のやや小型な店舗と、場所や規模も異なり、それぞれの店舗で取扱うラインナップも少しずつ変えられています。1、2店舗だったときとはまた違う難しさがあるようです。 各店舗でそれぞれのお客様にあわせたセレクトや展開をしながらも、かぐれとしてのコンセプトを注入したオリジナルアイテムを作る。このために、各店舗のスタッフにも参加していただき、かぐれ発信の、原点に帰ったものづくりをするというチャレンジになります。 最初の第一歩、アイテム検討に入ります。まずは、「かぐれ」、そして「かぐれのワードローブ」のコンセプトの共有から。 皆から出てきたキーワードは、「流行に流されないスタイルとアイテム」「生活」「天然素材」「日常の中で着続けたい服」「日常だけど、綺麗に着られる」「上質な素材」など、前回シリーズにも続き、やはりこのあたりは強く共有されていました。 アイテム案は、トップスからボトムス、セットアップにアクセサリーとたくさん挙がりましたが、「かぐれのワードローブ」を作ってゆくにあたって、何から揃え、お客様に提案し選んでいただけるかという視点を最優先に検討を進めました。 また、これまでの2アイテム(リネンのショップコート、リネンワンピース)からの流れ、日常の中で定番で着られるアイテムということも加味して話し合いました。(原則、多数決はなしで進行します) その結果、、、 アイテムは「シャツ」に決定しました! ザ・定番アイテムです。シャツはシンプルではありますが、仕様や素材によっても、細かく検討すればかなり幅が広いです。 かぐれで扱っているシャツ、お客様が店頭で探されているシャツ、シャツにまつわる個人的なあれこれと、たくさんの意見が続々と出てきます。 シャツならこの素材と形!という方がいる一方で、中には、気に入ったシャツ、似合うシャツが見つからずに普段は着ないというメンバーも数名いました。生地の厚みやカラーの形だけでも種類はありますし、これぞという気に入ったシャツには巡り会えていない方は結構いらっしゃるかもしれません。...

かぐれのワードローブ #01 〜 振り返りMTG 〜

かぐれのワードローブ #01 〜 振り返りMTG 〜

昨年の夏から半年間かけて企画製作した、かぐれのワードローブ#01。 各回レポートはこちら↓ 1回目 2016/7 #01-1 REPORT 〜製作アイテム検討〜 2回目 2016/8 #01-2 REPORT 〜デザイン検討〜 3回目 2016/9 #01-3 REPORT 〜トワルチェック・生地検討〜 4回目 2016/10 #01-4 REPORT 〜1stサンプルチェック・生地検討〜 5回目 2016/11 #01-5 REPORT 〜2ndサンプルチェック・生地色検討〜 素敵なワンピースが2月に仕上がり、3月からかぐれ店頭、かぐれwebショップ、PINTのwebショップでも販売をしています。定番品として継続して販売してゆきますが、1シーズン目を終えて、振り返りのMTGを行いました。 参加した店舗スタッフのみなさんの感想の共有、ワンピースの販売状況、課題と改善、次回アイテムの検討。かぐれで行うみんなのどうぐ形式の企画は2回目とあって、より広い視野と深さで振り返りができました。 まずは気になる販売状況から。製品の生地や作りのこだわりはレポートをご覧いただきたいのですが、価格帯で見ると、ワンピースとしては高め。にもかかわらず、店頭、webともに好調な売れ行きとのことでした。 人気のポイントは、綺麗なシルエット、リネン素材、生地の色、女性らしい特徴的なカフス部分など。共生地の紐ベルトも好評だそうです。ぱっと見て即決!という方も多いそう。ワンサイズながら、紐ベルトと試行錯誤した丈の長さで、様々な身長、年齢層の方が選んでくださっているのも嬉しいです。 プロセスも大事ですが、出来上がる服が良いもので、お客様に選んで着ていただけるのが一番大事なこと。まだまだ伸びしろはありますが、まずは良い動きであることで一安心です。 かぐれ各店舗に、ぜひ足をお運びください。 PINTのwebショップでも着々とご注文をいただき、今は各色1点ずつのみ残っています。 enrica×かぐれ linenonepiece (4color) 店舗スタッフの皆さんからは、嬉しい言葉をいただきました。 「作り手に立たないとわからない感情を沢山経験できた」 「この経験を経て、改めて店頭に立つことで、普段扱っていた商品に対する見方も変わった」...

【イベント募集】MAD マーケットに倫理的なスタンスを持つこと

MAD マーケットに倫理的なスタンスを持つこと 東京でのイベントのご案内です。販売イベントではなく、トークイベントです。 東京を中心とした様々な場所に、現代の視覚芸術にアクセスするための「プラットフォーム」を創出しているAIT。代官山のAITルームを拠点として、MADというプログラムで、アーティストをはじめとして様々な講師による講義やトークイベントを揃えています。その中で、6月6日に、かぐれのディレクター坂田さんが講師として登壇されます。テーマは、「マーケットに倫理的なスタンスを持つこと」。アートではなく、アパレル、ライフスタイルブランドとショップの視点から、これまでとこれからのマーケットを見つめます。坂田さんのこれまでのキャリアと、今のかぐれディレクターとしての視点、これからの展望を含めたテーマで、ものづくりやプロダクトに関わる方には興味深い内容です。 坂田さんがこうしたテーマで伝えたい中で、PINTのコンセプトや活動に大変共感くださっていて、私も一緒に登壇させていただくことになりました。かぐれとPINTで共同で取り組んだ「みんなのどうぐ」の話を中心に、PINTの考え方、PINTのマーケットへの向き合い方もお話しします。 アーバンリサーチのショップとしては異色の存在感と空気感を持ち続けるかぐれと、ものづくりの新しい形を目指すPINTという組み合わせ。雑貨・アパレル業界の真ん中ではない、それぞれの思いをお伝えし、今のものづくりやライフスタイルを振り返ってみるきっかけの一つになれば幸いです。 ——————————————————————————————————————————— ↓お申し込みはこちらから(AITページ)↓ MAD マーケットに倫理的なスタンスを持つこと 日時:6月6日(火)19:00-21:00 場所:AITルーム(代官山) 定員:30名 受講料:¥3,900(税別) 備考:レクチャー終了後、ミニ・バーをオープン(21:00-21:30/有料) ——————————————————————————————————————————— 会場は代官山駅前。ぜひ足をお運びいただけたら嬉しいです。面白い方も集まりそうですので、レクチャー後お話ししましょう。ご来場をお待ちしております。 他のプログラムや講義も、興味深い内容がたくさんあります。 MAD プログラム一覧  かぐれとの「みんなのどうぐ」は2回を終え、それぞれ、かぐれ店頭、PINTウェブショップにて定番アイテムとして展開中です。それぞれの製品とプロジェクトレポートは みんなのどうぐ プロジェクトページ をご覧ください。 ▼ PINT webshop http://pint.mn/ ▼ プロフィール Pintについて ▼ PINT...