三角まとう|Roller drawing KURO "mu"
Cotomonoの「三角まとう」。道具としての懐の深さと自由度の高さがあり、バッグというジャンルや、用途の説明では表すことがとても難しいもの。初めてご覧いただく方に向けて、あえてイメージの取っ掛かりになる言葉を捻り出すとすれば、「型のない袋」「服と袋の間」。私(PINT店主)自身も普段色々な服と合わせて自由に使い、愛用しています。ただ、使うシーンの紹介ひとつとっても、三角まとうが持つその幅広さゆえに一人の視点だけでは逆に狭めてしまいそうですし、仕様や用途を紹介することだけでは伝わらない要素がとても大きなものでもあります。
このページでは、「三角まとう」の全体像をできるだけそのままに感じていただけるように、写真と、作り手自身のCotomonoによる文章でお伝えします。
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三角まとう
「三角まとう」は身にまとえる大きな袋です。一辺を80cmにパッチワークした正方形の布4枚を2枚づつに縫い合わせ、それを三角形に折り畳み袋状に縫い合せて作っています。三角形は創造力を表すシンボルでもあります。「まとう」は着用を意味しますが、その言葉には目に見えない質感と雰囲気、そして祈りのようなものが含まれていると考えます。また「まとう」は名詞ではなく動詞です。動詞を作品名につけたことで、いろんな意味で動きや変化を促すものであって欲しいという願いを込めました。
「三角まとう」はもちろん袋です。そしてお坊さんの袈裟のように身にまとうことができます。肩に掛けたりショールのようにまとったり、首からぶら下げても良し。また「三角まとう」の上からコートを羽織ることも出来ます。ふたつの三角形を重ねた部分がポケットになり、三角形に折り畳んで小さく持ち運びができます。結び目には真鍮のカンを使用しこの部分で長さの調整ができます。パッチワークの性質上、全く同じ縫い合わせは出来ないため、そういう意味合いに置いてこれらはすべて一点ものになります。
「三角まとう」自体にほとんどカタチはありませんが、身体の動きに合わせてカタチは変化していくため、それを使う人はより身体の使い方を意識するようになるのではないかと考えています。そしてそれは、外側に向かっていた意識を自身の身体へと戻すことにつながるのではないかと考えています。
わたしはずっと袋状のカタチを作り続けていますが、究極的にカタチというものを考えた時に「身体」というカタチにたどり着きました。私たちは、性別、人種、言語、国など、数えたらキリがないほどにバラバラに分かれた世界に生きていますが、ある一つの共通点を持っています。それは、わたしたち一人一人が「身体」という共通のカタチを持っているということです。もちろん多少の違いはありますが、その普遍的な事実は、違いばかりに目を向け争いの絶えないこの世界においてなお、信頼と寛容、そして希望をわたしにもたらしてくれます。
いろんな属性を一つ一つ外していったあと、最後に残るのは「身体」というカタチです。そう言った意味で「三角まとう」は構成する要素を最小限にし身体に近づけることで、身体との関係性を見つめ直した作品となります。
(テキスト:Cotomono)
▼仕様
▼写真
1-5 本ページの柄
他 別柄
【柄】
Roller drawing KURO "mu"
ローラーを使ったハンドペインティング
【素材】
リネン生地・コットン生地の合わせ
【サイズ】
1辺約80cm
*モデル身長170cm
【取扱い・お手入れ】
*洗濯機洗い可。
*よくあるご質問・補足コメント*
・使い方や仕様等についてご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
<Cotomono>
1974年福岡県生まれ。幼少期から布とカタチに興味があり、20代前半から独学でデザインを学ぶ。自分の名前、素子 (motoco) を逆さまにもじり、Cotomonoという名で2003年からモノづくりをスタート。日本語でcoto (コト) は「言葉」や「ひとつ」mono (モノ) は「すべて」という意味があります。2008年から本格的に展示会をスタートし、街角の小さなカフェから百貨店、また国内外のアートギャラリーまで様々な場所で展示会の旅を続けています。主に布を使って袋状のカタチを作っていますが、カタチを作りながら同時に型を緩めるようなイメージで作っています。2021年5月より神戸市在住。
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