【イベントレポート】みんなのどうぐ1−2 〜かたちを考える〜

【イベントレポート】みんなのどうぐ1−2 〜かたちを考える〜

先週の日曜日、みんなのどうぐvol.1「朝食の時間を愉しむ木のプレート」(この企画の説明はこちら)は第2回目を迎えました。

今回は、「かたちを考える」です。

まず最初に、参加者の皆さんに、簡単な朝食アンケートを書いていただきました。その後、自己紹介とあわせて、アンケートをベースに、ご自身が日常使っている朝食の器(プレート)をご紹介いただきました。プレートのかたちを考える前にやることは、テーマの「朝食」を見つめること。今回、たくさんの暮らし手(使い手)が集まっているので、リアルな朝食シーンが見えてくるはずです。その強みを出発点に、朝食のプレートのポイントとイメージを共有します。
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みなさんが持ってきてくださった器を、家族構成や朝食の取り方、平日と休日の朝食の違い、時間帯、食べるものなど、使うシーンと一緒にご紹介いただきました。
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参加者10名ほどですが、もちろん暮らし方は様々。家族構成、朝食を食べる時間帯、朝食にかける時間、器の使い方(共有皿か、銘々皿か)、食べるメニュー。それにより、使う器も様々でした。
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集まった器たち。

実際にみなさんの朝の食卓に並んでいるものばかり。なかなか、こうして毎日の日常の一つのシーンを振り返ってみたり、共有することってないですよね。「みんなのどうぐ」企画の中でも、特に楽しく、醍醐味でもある部分だと思っています。ものと暮らしのシーンが重なるところ。ここには、暮らしの中のものを考えるときに本当に大事なことがたくさん詰まっています。
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日々の朝食のシーンを共有して、場も和み、みんなの距離もぐっと近づきました。

次は、みんなに話していただいた内容をもとに、朝食と朝食の器について、ポイントをまとめる作業に移ります。
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朝食のシーンはもちろん細かく見れば個人個人違いますが、それでも、今回のテーマの「挽物の木のプレート(24cm、オリーブオイル仕上げ)」という条件のもとでは、大事な点が浮かび上がってきます。
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器のポイントは、朝食を食べるときはもちろんですが、朝食の間の時間だけではなく、
・食べる前 キッチンから運ぶときに持ちやすい。サーブするときにも斜めにならずおかずが混ざらない。たとえばウインナーが転がらない。
・食べた後 洗い物のしやすさ。ワンプレートで洗い物を楽にしたい。
など、食べる前後も大事なポイントということがわかりました。
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表面はフラットにすれば、例えば半熟目玉焼きと、ドレッシングをかけたサラダが一緒にのっていても混ざらない。ジャムなどを入れた小さなディップ皿ものせられる。

リムを付けて高さを付けることで、ドレッシングなどの液体ものものせられたり。

また、リムの一番外側にフラットな面があると指がかかって持ち運びやすかったり。

自分だけだと考えつかないこと、普段は意識しなかったけどすごく共感できること、わいわい話しながら、なるほどとみんなが顔を合わせてうなずくポイントがたくさんありました。そして、そのポイントを形にするために、みなさんが持ってきてくださった器や、Pint!の器など様々なサンプルの器を比べながら、形、リム、角度、裏面の凹み、それぞれの仕様を検討。こうして、器のポイントと、それを実現する形のイメージをみんなでしっかり共有しました。
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次は、実際に簡単に形の絵を描いてみます。

挽く前の木材をイメージした、24cm(直径;横から見た幅)×3cm(高さ)ほどの紙(カード)を用意しました。

このカードに、横から見た形を描いていただきました。
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みなさんの頭の中にあった、横からの形のイメージが揃いました。
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事前に目的と仕様のポイントを共有していたので、ある程度近いイメージをしていますが、実際に形を描くと、微妙に違いがあります。この違いから、またヒントがたくさん出てきます。

底の接地面の広さ、リムの角度、リムの外縁の形など、項目毎にカードを並べ替えながら、一つ一つの仕様をみんなで検証、検討。

例えば底の接地面の広さだったら、狭く描いた方と、広く描いた方、それぞれの意見を聞いて、話し合って、という感じです。
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一つ一つ仕様が決まってゆきます。議論もますます盛り上がり、あっという間に時間が過ぎてゆきます。
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イメージを描いていただいた理由は、実際に図面にするためということもありますが、一番大事なことは、言葉で認識していたポイントを、具体的な形のイメージとしてみんなで共有すること。その過程で、言葉だけではイメージしきれていなかった課題が見えてきたり、絞りきれていないポイントが整理できたり、話し合いがより具体的になりました。

実際には、2次元の図面と、3次元の木の立体物では、どうしてもギャップが生じます。

次回の第3回目で、そのギャップは、職人の小椋さんに挽いていただきながら、リアルタイムでみんなで修正指示を行い、小椋さんと相談して、調整をしていきます。今回(第2回目)は、その理想形をみんなが共有してイメージすることが一番の目的でしたが、それは非常にうまくできたと思います。
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終了後に、今回アシスタントしてくださったiichiの井上さんと一緒にまとめ、描いていただいた図面がこちら。
今回のメンバーは、男女比がほぼ一緒でした。女性目線のリアルな使うシーンに対する使いやすさのポイントと、男性目線の、それを実現する形状へのこだわりがうまくマッチして、ものすごく濃い内容になりました。本当に素晴らしく、貴重な情報が詰まっていると思います。

実際のプロの暮らし手(使い手)は本当にすごい。やはり、日々使う暮らしの中のものは、暮らし手から生まれるのが自然で強いと改めて思いました。バイヤーさんやデザイナーさんにも見ていただきたいくらいの濃い内容です。

参加メンバーのみなさま、本当におつかれさまでした。おかげさまで素晴らしい器になりそうです!いよいよ次回の第3回目で、これを実際にかたちにします。次回は木地師の小椋さんに長野県からろくろを持ってお越しいただき、目の前で製作していただきます。その場でサンプルを触ったり持ってみたり眺めてみたりしながら、修正と調整をして完成させるのです。楽しみすぎて今から待ち遠しいです。メンバーのみなさま、次回もよろしくお願いします。

撮影&進行アシスタント:SHIORI INOUE


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