enrica×かぐれ リネンショップコート

enrica×かぐれ リネンショップコート

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関東、関西に6店舗を展開するライフスタイルショップ、かぐれ
Pint!では、かぐこラボという名前で、2年前に「みんなのどうぐ vol.0」となる企画を共同開催したり、Pint!製品のお取り扱いをいただいています。個人的にも大好きなお店ですが、この度、新たな企画にご一緒させていただきました。

それが、今回ご紹介する、3月下旬発売予定の「かぐれオリジナルショップコート」の企画。

スタッフさんが着用するユニフォームとして製作しながらも、かぐれオリジナル製品としても販売するショップコートです。このショップコートを、かぐれで取扱いのあるレディースブランドのenricaがデザイン・製作するという、豪華なコラボ企画が誕生しました。

スタッフさんがユニフォームとしても着るという点が通常の洋服とは異なります。
そこで今回は、普段は販売を専門にされている店舗スタッフさんにも製品企画に参加していただくことで、
「着るシーンをより具体的に想定し、製品企画に活かす」「洋服のものづくりの流れ、デザインの考え方、洋服の作りなどを学び共有する」「店頭で、お客様により詳しくご案内できる」
ことができるのではないかというアイディアが出てきました。店舗スタッフさんにも集まっていただき、企画に携わる人数を増やして進行するプロジェクトに。Pint!が行なっている「みんなのどうぐ」(普段は一般の使い手の方々が対象ですが)のエッセンスが入っているため、企画段階からご一緒させていただくことになりました。

とはいえ、Pint!は洋服づくりに関しては専門外。
実際のものづくりは、かぐれの皆さんとenricaのデザイナーの町田さんで進めていただいたので、Pint!としては、企画お手伝いと見学といった格好になりました。

企画構想からは半年以上、メンバー全員が顔を揃えて集まる製品企画ミーティングは、3回開催しました。
この度、ショップコートがついに完成しましたので、製品企画の1歩目からの歩みを振り返りながら、ご紹介します。製品の最終的な仕様は、記事最下部の製品ページリンクよりご覧下さい。この記事では、かぐれショップコートの企画開発の流れを、ご覧いただけたらと思います。

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▼1回目 (10/23) コンセプト・デザイン案企画

企画とスケジュールが決まってから、初めて全員が集まるミーティング。

今回企画するショップコートのコンセプトとイメージを考えます。この時点で製品仕様に関して決定しているのは、「リネン生地のレディースのショップコート」ということ。

今回、製品企画の担当の方以外にも、実際に販売を行なう店舗のスタッフさんを含め、計6名にご参加いただきました。かぐれのブランドコンセプトとテーマに加え、スタッフ一人一人が考える「かぐれ」らしさを話し合い、共有することからスタート。じっくり時間をかけて話し合いました。

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次に、製品として「ショップコート(レディース)」と考えたときに、大きくどういった要素が必要か?以下のポイントがあがりました。

・オールシーズン着られる ・様々なコーディネート、着方ができる ・1日中着ていても、疲れない ・着心地の良さ ・販売の作業と動きに適している ・長く着るための丈夫さ

これに加えて、「かぐれ」らしさも。全ては書ききれませんので、いくつか抜粋してご紹介します。

・シンプルさ ・大人の上質さ ・都会的 ・天然素材 ・表情のある素材 ・味が出てくる素材

など。このようなポイントを意識しながら、メインの生地の選定へ。生地を選ぶ前に、まず素材のリネン自体の特長をお伝えしながら、様々な番手の糸や、織りの種類の違う生地に触れていただきました。

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町田さんがご用意くださった、最初の検討用のベースとなるサンプルを全員で試着。この実物を皆で見て・着て・触りながら、「洋服」を構成する要素を細かく分解して見てゆきます。
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生地をどう使うと、シルエットがどのように変わるのか?デザインや仕様にどのような影響があるのか?印象はどのように変化するのか?

生地、襟の空き具合、丈の長さ、シルエット、腰紐の仕様、ポケットの付け方。構成する全ての仕様に理由があり、デザインとパターンがあり、形ができます。

通常は、こういった工程をデザイナーが考え抜いて作り上げますが、今回は町田さんからレクチャーしていただき、共有しながら進めます。ここまで考えられて作られているのか、と驚きの新しい発見ばかり。洋服のかたちやデザインを、遡って分解してゆくようなイメージです。

こうした点を踏まえて、かぐれの皆さんしか持つことのできない、「かぐれ」らしさをどうすれば製品に注ぎ込めるか。町田さんから、イメージを洋服に落とし込むデザインの手法や考え方を教わりながら、理想のかたちに近づけてゆきます。

皆で実際に着るシーンを具体的に想定しながら、生地、形、デザイン、シルエット、ポケットなどの仕様を決めてゆきました。まだ、全体像として目指すショップコートの要素を出していった段階ですが、具体的に実現したいイメージ、こだわりたいポイントはしっかりと共有できました。

町田さんからかぐれの皆さんに、1回目のミーティングをふまえて、次回までに、「かぐれ」らしさを製品に落とし込みたいポイントやディティールをより深く考えてきていただくという宿題が出され、無事1回目ミーティングが完了です。

● ● ● ● ● ● 1回目と2回目の間 ● ● ● ● ● ●

2回目のミーティングまでに、かぐれの皆さんには、宿題であったディティール部分を考えていただいています。
店頭で販売をされながら、かぐれらしさを考えていただいたり、接客の中で、お客様が求める着心地やポイントを聞いてみたり。

一方、enrica町田さんは、1回目で決まった仕様で、1stサンプル製作を進めていただきます。

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▼2回目 (12/1) 1stサンプルチェック→修正

選定したリネン100%の生地(生成り)を使用した1stサンプルが完成。これを皆でサンプルチェックします。

今回も全員で試着をしながら、着心地、重さ、シルエットなどを確認。

選んだ生地の風合いはイメージ通りで非常に良く、全員一致で生地はこれに決定。しっかりとしたリネン100%の生地です。ただし、この生地だと、1stサンプルのボリュームでは重量がかなり重くなることが分かりました。生地量を減らし、これを解決することに。

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生地を減らすにあたり、どのような着方をするのか、重ねて着る場合はどのくらい重ねるのか、それとも紐で結ぶのか。様々な着方を想定して試しながら、ボリュームを調整。

どの部分の生地ボリュームを減らすのか?どのくらい減らすのか?減らすことで、形にどのように影響するか?全てのバランスを考える必要があります。町田さんのレクチャーを受けながら、皆で慎重に検討。

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また、今回「ショップコート」というテーマから出発しているため、特に強く意識したポイントがありました。

それは、ショップコートやユニフォームは、様々な人が1つのデザインのものを着るということ。
着る人の体型も、洋服のテイストも、人それぞれです。だからこそ、特定の何かに合わせるための洋服ではなく、着る人自身が幅広くアレンジできて、楽しんで着られる服にしようと考えました。 特に、ショップコートなら着る頻度も多いはず。

そのため、上質な雰囲気で、主張しすぎないシンプルな作りとデザインを考えてゆきました。ベースとしては、かぐれらしく「天然素材」「着心地の良さ」といった要素がありながらも、ユニフォーム的な楽しいエッセンスを入れてみるなど、様々な意見が飛び交いました。

決定した細かい仕様は、記事最後でご紹介している製品ページでご覧いただけます。

細部までとことん考え、2ndサンプルへの修正点を確認して、2回目ミーティングも終了。あっという間に時間が過ぎました。

● ● ● ● ● ● 2回目と3回目の間 ● ● ● ● ● ●
町田さんが、2回目で決まった仕様で、2ndサンプル製作を進めてくださっています。
もちろん、修正点を直すだけではありません。皆で出た意見と、表現したい形を、実際に生地や製作工程と向き合って、製品に落とし込む大事な部分。この部分を、enricaの町田さんが支えてくださるからこその今回の製品企画。町田さん、よろしくお願いします!
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▼3回目 (12/24) 2ndサンプルチェック→修正

ついに、2ndサンプルが完成。

1stサンプルチェックで浮かび上がった変更点。これらを反映し、前回の話し合いにより考えたディティール部分を盛り込んだ2ndサンプルの発表と確認を行ないます。

町田さんがお持ち下さった2ndサンプルを、早速皆さんで試着。みんな交代で袖を通すたび、歓声があがります。イメージに近く、かつとても美しいかたちに落とし込まれていました。町田さん、ありがとうございます、さすがのクオリティです!!

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一番の課題点だった「ボリュームと重さ」は、前身頃のボリュームを落とすことで解決。さっと羽織れる、すっきりして軽やかな印象になりました。
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羽織る形なので、男性も。良い笑顔。
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この2ndサンプルでほぼ仕様は決定しましたが、より良いものにできるよう、様々な着方と動きで検討すべきポイントを探して最終チェック。細かい部分を一点一点確認してゆきます。
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こちらの写真は展開色の検討。2色展開に決定しました。
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合わせて、ボタンの検討も。ボタン1つをとっても、素材、サイズ、厚み、形、色と、かなり豊富な種類があります。小さなパーツではありますが、ブランド・コンセプト・アイテム・生地・他のパーツや素材との相性、着やすさや取れにくさなど、検討すべきポイントはたくさんあります。
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一つ一つを入念にチェックしていき、無事に、全ての仕様が決まりました!

ここまで長い道のりでしたが、「かぐれ」らしさと、洋服としての着心地・クオリティを考えながら、一つ一つのポイントを洗い出し、製品に落とし込んできました。

通常よりも大人数で進行を行ない、コンセプトや製品に関する様々なイメージを共有しながら進行をした今回の製品企画。おそらく、通常の別注やオリジナル製品開発よりも、多くの時間と手間ひまがかかっていると思います。(enrica町田さん、かぐれの皆さん、本当にありがとうございました!)

洋服は、1日中着るもの。他の雑貨や道具よりも、「着心地」「着方」という、感覚的な要素が多く含まれるものだと思います。この感覚を、多様な立場の方の視点を交え、話し合って共有しながら進めることは、大変ながらも大きな意義があったと感じています。
洋服を構成する全ての要素に理由があり、検討と選択を重ねたものであること。これは、今回の方法で作ってみてこそ私も強く感じられたことでした。

その一つ一つの理由やストーリーは、参加くださったメンバーから、各店舗のスタッフさんに共有されていることと思います。WEBでも購入いただけますが(下に製品ページリンクを貼っています)、お近くに店舗がある方は、是非足をお運びいただけたら嬉しいです。

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現在は、撮影を終えて、本生産に入っています。

かぐれのオリジナル製品です。かぐれWEB店舗か、実店舗でご購入いただけます。

かぐれのオンライン製品販売ページへ(予約販売)
かぐれ店舗一覧ページへ

3月下旬より発売致します。是非、お近くの店舗に足をお運び下さい。

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最後に、今回の企画に携わったチームの紹介です。

企画・販売:かぐれ
デザイン・製作:enrica
企画お手伝い(みんなのどうぐ):Pint!

Pint!としては、普段は雑貨のものづくりを職人と行なっていますが、洋服の世界は初めて。毎回が新しく知ることばかりであると同時に、洋服作りの大変さ、デザインの奥深さを感じることができる貴重な機会となりました。
洋服作りの世界を、かぐれ・enricaという、素晴らしいお店・ブランドとの取組みを通じて学べたことは素晴らしい体験でした。一緒に携わらせていただく機会をいただき、この場を借りて感謝申し上げます。
こうした真摯なものづくりへの姿勢や、かけられた思いと時間は、やはり製品に表れるものだと思います。
店頭に並び、皆様に手に取っていただける日が楽しみです。

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