たがる包丁(みんなのどうぐ #02)を製作してくださっている山形打刃物の職人による、文化包丁(三徳包丁)が完成しました。
たがる包丁の製作コンセプトは、「登場回数の多い、2本目の包丁」でした。
1本目の包丁は、いわゆる「文化包丁(三徳包丁)」これは既にお持ちの方がほとんどと考えられること、そして打ち刃物の包丁は使ったことがないという方が多いと考え、初めての打ち刃物の包丁は2本目の包丁としてお使いいただくのがベストではないかという出発点でした。
2015年末にたがる包丁が完成、発売開始してから予想を大きく超える人気をいただき、たくさんのお客様に使っていただいています。切れ味はもちろん、槌目や手作りの柄も好評で、量産品の抜き刃物と、職人が一点一点打ち鍛造する打ち刃物の包丁の違いを使い手のみなさんにも実感していただけました。その中で、たがる包丁のシリーズとして文化包丁も欲しい、使いたいという声をたくさんいただきました。
その声を受け、島田刃物製作所とともに試作を重ね、完成したのがこちらの文化包丁です。たがる包丁が2本目とするならば、こちらは1本目の包丁。毎日の料理にお使いいただけます。
サイズは一般的に文化包丁と言われる大きさ。その中でも刃の長さに幅があるとすれば、長いと言える大きさです。大人数の調理や、大きな野菜、お肉や魚を切るときにも、一般的な家庭料理でしたら十分に足りる長さです。
柄はたがる包丁と同じく、えんじゅの木を使ったオリジナルの柄。打ち刃物の包丁でも、柄は外注品を取り付けるケースが多いですが、こちらはえんじゅの木から島田さんが1点1点削り製作しています。外注品ですと、当然ながら見たことのあるような雰囲気になりがちですが、文化包丁ながらも柄はナイフのような形で、真鍮で留めています。刃は刀鍛冶の刃物、全体としてはどことなく洋風な雰囲気も漂っている包丁に仕上がりました。
刃には叩いたあとの槌目が残っていて、これは打ち刃物ならではの味わいです。この槌目の凸凹で、きゅうりなど切ったときに、刃から離れやすいという面も。
打ち刃物には、和食の料理人が使う「片刃」のものが多いですが、この文化包丁は毎日お使いいただく1本目の包丁というコンセプトのため、「両刃」です。市販の包丁も両刃のため、使い勝手も同じですので、ご安心ください。また、両刃は左右対称に刃が付いていますので、右利き・左利きどちらでもお使いいただけます。