木の器の仕上げ勉強会 〜オイル仕上げ〜
先日は、モノモノで開催された木製品の塗装の勉強会に参加しました。漆の回に続き、今回はオイル仕上げ。 木製品の塗装仕上げ方法には、漆、オイル、ワックス(みつろうなど)、ウレタンなど、それぞれに一長一短あり、何を優先させるかという選択に行き着きます。Pint!では、これまで漆とオイル仕上げでした。オイル仕上げに関しては、それぞれの木製品の職人さんと相談しながら、天然オイルをブレンドした木製品食器用オイルや、オリーブオイル仕上げを選んできました。 一言にオイルといっても、その種類により乾きやすさ、強さも異なります。オイルの種類をテストしている最中でしたので、テスト結果と照らし合わせながら、より使いやすい種類や仕上げ方法を探ってゆきたいと思います。 おひつや折り箱など、無塗装の白木のものもありますが、器となるとなかなか難しいもの。手入れや、反りへの弱さ、盛りつけるものなど用途が限定されがちです。何の仕上げで製品として出すかは、最終的にどう使われたいかによります。 たとえば、 木目の見た目を何より優先したいときは、オイル、ワックス、ウレタンに。 木の素材の触感を感じたいときは、オイル、ワックスに。 汁物などを入れるときは、漆かウレタンに。 熱々のお茶などを入れるときは、ウレタンは匂いがたつことがあるので除外したい。 ワックスも、融点が低いので、温かな水分はNG。 オイルとワックスは木の吸放湿を保ちますが、それは反りの可能性があるということですし、 ではウレタンだと固まるかというと、中の木が動けばヒビが入ります。 強い暖冷房と強い照明で、非常に乾燥した店頭に置き続ければ、反りのリスクも高まります。 漆は天然素材だし強さもあるし最高だ!といきたいところですが、いわゆる木の色とは違う仕上りになるので、好きな方でないと選ばれにくかったり。 もちろん、仕上げにかかる材料費も作業費も様々です。 知れば知るほどに、正解はないのだなと思い知らされます。 Pint!が優先することは、 1)天然素材が活きること⇒漆、オイル、ワックス 2)日常的に使えるものであること⇒漆、オイル ということですが、このオイルについて検討を進めてゆきます。 また、最近はPint!のオリジナル製品ではなく、企業様やプロジェクト単位で、製作をお手伝いさせていただく機会が増えてきましたが、ウレタン塗装を希望される場合も出てきています。ウレタン塗装についても、学びを深めているところです。職人さんにもご協力いただき、試行錯誤を繰り返しながら、木の製品の様々なかたちをご紹介してゆければと思います。 中地