ジビエ革のものづくり(鹿)4頭目 全2周
framepouchを中心にご紹介している、高見澤篤さんのものづくり。4頭目の製作をご紹介します。 まずは高見澤さんの製作と、ジビエ革について。 狩猟による天然の野生鳥獣、いわゆるジビエ。食肉としては以前よりも広がりつつも、その皮はほとんど捨てられてしまうそうです。高見澤さんは、猟師から直接仕入れたジビエの皮を鞣して使い、「命をいただく」という強い思いで製作をしています。 日本の山林に生きる野生の鹿や熊。狩猟時期と地域までわかる革。タンニン鞣し。墨染め。通常であれば避けられる、使えるけれど商品としては扱いにくい皺や小傷。裁断後の端切れパッチワーク。一頭の命を余すところなくいただき、革を使い切る作り方。オリジナルの金具。革と同じ経年変化を楽しめる金具の仕上げ処理。 何も言わずとも単純に美しいものなのですが、その奥には、高見澤さんの思いと、大分普通でないものづくりがあります。 高見澤さんから革を一頭購入して、その革を使って製作くださる形で取扱をしています。 2019年1月が1回目(1&2頭目)。この時は鹿(2019年1月・鳥取県若桜町)と熊(2019年1月・岩手県岩泉町)。製作品と革の取り都合から、初回納品+追加のパッチワーク、2周で完了しました。 2回目(3頭目)は、2020年1月スタート。作っては端切れを確認しては製作品を考え、合計4周してほとんどの革を使い切りました。以前、4回の記事に分けて、詳しくご紹介しています。 今回は3回目(4頭目)。2020年の10月に1周目。2周目は、高見澤さんの製作も忙しく、金具の都合もあり、間があいて2021年9月。こちらの1記事でまとめてご紹介します。 革のことなど詳しくは、4回に分けてレポートした3頭目の各回をご覧ください。→ジビエ革のものづくり 記事一覧 【 4頭目 2020年10月(鹿・鳥取県若桜町) 製作前の革 】 一般的な革製品は、革屋さんから革を仕入れます。鞣しや加工産地は分かるものの、原皮まで遡ると、国内外までが限界で、地域まで割り出すのは難しいケースが多いようです。高見澤さんの場合は猟師さんから直接仕入れているため、狩猟時期、地域まで分かっていて、タグにも記載されています。その皮にタンニン鞣し加工と墨染めをして、この「革」になります。 高見澤さんの革のストックから一頭を選び、作る製品を相談して、製作を依頼します。 今回は、2020年10月に鳥取県若桜町で狩猟された鹿。高見澤さんが製作に取り掛かる前に写真を撮ってくださいました! 狩猟され、鞣して墨染めされた、1枚目は最初の状態の革、2、3、4枚目は裁断進行中。 【 4頭目 2020年10月(鹿・鳥取県若桜町) 1/2周 】 裁断を行って製作した、1周目の製品はこちら。 ・frame porch <鹿革墨染・Lマチあり> レザーショルダーポーチ ×2 ・frame porch <鹿革墨染・L> レザーショルダーポーチ ×3...