Blog

【イベント告知/募集】みんなのどうぐ1 「朝食の時間を愉しむ木のプレート」参加者募集

【イベント告知/募集】みんなのどうぐ1 「朝食の時間を愉しむ木のプレート」参加者募集

昨年の夏から半年間にわたり、表参道のかぐれとの共同企画で、「拭き漆のうつわ」を作ってから1年を迎えました。共同企画のため、「かぐこラボ」として開催致しましたが、今回から、Pint!の単独企画「みんなのどうぐ1」として再スタートします。 【みんなのどうぐvol.0(=かぐこラボ) 前回の様子】 前回のイベントの様子はこちら。完成品はこちらの写真の器です。(販売中:毎日使える拭き漆の器(みんなのどうぐ)) 【みんなのどうぐ1】 今回のテーマは、「朝食の時間を愉しむ木のプレート」 職人は、木の器の形を作るのは、「拭き漆のうつわ」と同じ、長野県南木曽の木地師の小椋氏です。 ただ、今回は、塗りが拭き漆仕上げではなく、オリーブオイル仕上げになります。オリーブオイル仕上げにすることにより、たとえばトーストの熱を木肌が吸ったり、使ううちに色濃く育っていきます。また、木目がそのまま活きた仕上げです。 左の写真は、オリーブオイル仕上げのイメージはこちらです。(今回作る器とは別物で、あくまで仕上げの例です。) 会場は、Nuu brocante antiques(東京都・自由が丘 map)。テーマの出発点は、会場となるNuuのスタジオの気持ち良い日光が差し込む空間。毎日の暮らしの中の、家の窓から光が差し込む朝の幸せな時間から、ぴったりな木のうつわを生み出したいと思いました。 イメージは、ゆっくりと朝食を愉しむ時間。 週末のリラックスした朝はもちろんですが、平日も少し早起きして、そんな時間を愉しめたら素敵です。 今の朝食を想像してみると、ご飯、パン、フルーツ、サラダ、グラノーラまで、様々なメニューや器が思い浮かべられます。今回は、みんなで色々な盛りつけや使い方のイメージを拡げられ、使う場面も幅広そうな、木のプレートを作ります。 どんな朝食の時間にしたいか、何を盛りつけたいか、どのように使いたいか?みんなで思い浮かべて、話しながら、かたちを考えてゆきましょう。 当たり前のようで知らなかった、木のうつわができるまでのプロセスをさかのぼりながら、今、そしてこれからの私たちの暮らしで使いたいうつわを、一緒に考えてみませんか。 【参加者募集】 「朝食の時間を愉しむ木のプレート」ができるまでを、一緒に学びながら、製品企画に参加してくれるメンバーを募集します。 ●スケジュール(全4回) 1回目:7/19(日) 10:00〜11:30 素材を知る 素材と製品サンプルから、様々な木の素材と加工技術を触り、学びます。 2回目:8/2(日) 10:00〜11:30 かたちを考える 実際の朝食のシーンをイメージして話し合いながら、みんなでかたちを考えます。 3回目:9/13(日) 10:00〜11:30 かたちを作る 南木曽の木地師の小椋氏に、機械を持ち込んでいただき、実際に目の前で製作します。 4回目:10月以降(未定;参加者の皆様と相談後決定) 完成披露会。たくさんの木目から好きなプレートを選んで、そのプレートでみんなで朝食をいただきましょう。 ●料金 15000円(税別) 計4回の連続イベントで、完成した商品1個(6000円相当)を含みます。...

経産省内局の会議で講演 みんなのどうぐ

昨年、「かぐこラボ」として開催した企画。 今後Pint!の単体企画として行なってゆくことに決まり、名前も、「みんなのどうぐ」に改めました。 お店はもちろん、お客様、職人さんからも賛同の声をたくさんいただき、感謝です。 Pint!としても、この活動を出来る限りメインの活動に据えて動いてゆきたいと考えています。 そんな「みんなのどうぐ」ですが、今日は、いつもと違った活動がありました。 経産省の中の局の1つで、日本の伝統工芸などを管轄されている組織があります。 職人さんや、自治体のご担当の方が集まる定例会議で、講演させていただきました。 局のご担当の方が非常にものづくりに対して熱い想いと実行力をもたれていて、Pint!の取組みや思いに強く共感くださっているのです。 Pint!と、「みんなのどうぐ」の活動について、紹介させていただきました。 Pint!のようなものづくりへの考え方とアプローチをしているつなぎ手もいる、ということが伝わっていたら良いなと思います。 こうした機会や出会いをいただけて、本当にありがたいです。 きっとまた、ここからも何か良いつながりが生まれるような気がします。 とりあえず、初めての講演、打合せ以外では初めての官公庁の仕事を終え、ほっと一息。 トークライブ、講演と、Pint!が生まれたときから一番やりたかった「みんなのどうぐ」が少しずつ芽を出しそうな予感で、わくわくです。 ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。(info☆playground.co.jp ☆⇒@に変えてお送りください) 中地

【イベントレポート】4/29 トークライブ@栞日

写真提供:参加者の本城知香子さん 本城知香子(グラフィックデザイナー) いろいろ紙デザイン http://www.iroiro.in.net/ 栞日でのイベント、お客様にも好評のようです。 是非、お近くに行かれた際は足を運んでくださいませ。 その初日に行なわれた、初めてのトークライブ。 連休を挟んで更新がすっかり遅くなってしまいましたが、トークライブレポートです。 司会進行は栞日の菊地さん、職人の小椋さんをお招きして、小椋さんとPint!中地で行ないました。 2階に椅子をいっぱいに並べて、10名ほどのお客様にお越しいただきました。 内容は、Pint!が考えるものづくりのかたちについて。 昨年かぐれと行なった「かぐこラボ」の事例をベースに、どうやってものを「生む」ことを考えているか、Pint!の考えをお話させていただきました。 初めてのトークライブで、どのような展開になるのかはどきどきでしたが、終始質問も出ながら、双方向のやり取りもでき、想像以上に深いところまで皆さんと対話ができました。 あっという間に時間がきて、熱気が冷めぬまま終了。 松本という土地と、栞日のお客さんという要素、どちらもあると思いますが、すごく濃く楽しい時間でした。 今回、盛り上がりの一番の理由とも言えるのが、個人的にも印象的だった、お客さんたち。 ものや暮らし、ものづくりに関して非常に関心が高く、最初からテーマにすっと入っていけました。 また、皆さんの松本という土地への愛情を感じました。 私は東京に暮らしているのですが、東京の人が「東京が好き」、というのとはまた違うニュアンスの愛情なのです。 職人の小椋さんも同じ長野県内ということもあり、皆さん長野のものづくりという視点ももたれていて、すごく新鮮でした。 昨年、かぐれさんで行なったイベントのメンバーも8名でしたが、良い意味で、とっても近い空気をもたれているのが印象的でした。 Pint!が目指すものづくり、「暮らすシーン、使い手から出発するものづくり」というコンセプトは、やはり使い手(暮らし手)のみなさんと一緒に話し、考えてゆくべきことだと改めて感じた夜。 また良い機会があったら、是非またこうした場と時間を持ってみたいと思います。 栞日での盛り上がりはそのまま、次の共同企画イベントが生まれそうです。 詳細が決まりましたら、また追ってご案内します。 中地

4/29 トークライブ@栞日 予約受付中です

先日ご案内した松本のイベント Pint!展 暮らすしぐさから道具をつくる – 麻と木と鉄と -  このイベント初日 4/29(水祝)に、トークライブが開催されます。 イベント全体のご案内しかできていませんでした、今日はトークライブについてお知らせします! 栞日菊地さんの司会進行のもと、私Pint!の中地と、かぐこラボ(下に、詳細記載します)で製作いただいた長野県南木曽の木地師(ろくろで木を挽く職人)の小椋さんがトークライブをします。 トークライブというタイトルではありますが、15名の人数ですので、アットホームな語り場のような雰囲気になったらいいなと思っています。 今回のテーマは、「新しいものづくりの形」 Pint!が目指しているものづくり。 それは、作り手・売り手が作って売るものづくりではなく、使い手が一緒に考えるものづくりです。 作るものは、今の暮らしの道具。 毎日、長く使えて、かつ使うほどに良くなる天然素材だけで作ります。 必然的に、いわゆる伝統産業と言われる技術で作ります。 作り手は、高い技術と素材への知識を持つ職人。 使い手は、今の暮らしのプロである、一般の暮らし手。(イコール、今回道具(製品)を考える企画者でもあります。) 作り手と使い手をつなげて、素材とものづくりを学び共有した上で、リアルな今の暮らしに向けた道具を作ろうという試みです。 昨年に、かぐれと共同企画で、ようやく第一弾となるスタートが切れました。 これが、「かぐこラボ」。 ワークショップや、オーダーメイドではなく、みんなで一つのものを企画し、職人が作るんです。 オープンソースで、クラウド要素も持った製品企画会議です。 作り手、官公庁、他業界の面白い方々からも賛同、お声掛けいただいており、今も複数件並行して準備しています。 これからもっと力を入れて進めてゆこうと思っているPint!の活動です。 (かぐこラボのイベント時の写真) この、半年間計5回にわたった「かぐこラボ」のことをベースに、お話しします。 木を切った、いわば0の状態から、その形が決まるまでの使い手たちの考え、小椋さんからは木地師としての製作のお話、木地が出来上がり漆が塗られて製品が完成し、そしてその器がどう使われてゆくか。 ものづくりの0から、その後長く「使われるあいだ」までを皆で辿り、考えるものづくり。 そんなものづくりの形を、お話します。...

みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)の器 写真と紹介文を更新しました

毎日使える拭き漆の器(みんなのどうぐvol.0) 昨年、かぐれと共同企画で行なったみんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)。 器を先日より発売し、既に在庫が少なくなってきました。 ただ今、追加製作中で、たくさんの方に広がる器に育ってくれそうです。 この企画のご案内は何度もさせていただいていますが、商品ページの写真と文章を大幅に更新しました。 写真もたくさん入れて、器の生まれるまでが分かると思います。 ご興味ある方は、是非ご覧くださいませ。 毎日使える拭き漆の器(みんなのどうぐvol.0) 中地

みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)の器、発売開始しました

先日イベント記事に書いたみんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)。 その完成品の発売をスタートしました! コンセプトは、「毎日使える拭き漆の器」です。 職人の方々、ご参加いただいた8名の一般ユーザーの皆様、かぐれさんというチームで作り上げました。 それぞれの食卓のシーンを思い浮かべ、実際に使うシーンだけにスポットをあてて、皆で話しながらできあがった器。 イベントの詳細は⇒ブログ「みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)まとめ」 商品の紹介、ご購入は⇒商品ページ をご覧ください。 イベント自体も充実で非常に面白かったですが、完成品だけみても良いものに仕上がりました。 これだけ毎日使える拭き漆の器はそうそうないと思います! 今は、かぐれの各店舗と、Pint!でのみ販売しております。 (かぐれ、Pint!の限定商品ということではありませんので、卸でもご興味ある方はお気軽にお問い合わせくださいませ。皆で企画したこの器が広がればと考えています。) 中地

みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)まとめ

使い手と作り手がつくる、暮らしの道具。 製作はPint!のパートナーである日本の職人。 企画するのは、バイヤーでもデザイナーでもない、使い手の皆さん。 実際にこの素材はどういう特長があって、何に適しているのか。加工技術はこれができて、これはできない。どのような工程を踏んで、どれくらいの時間をかけてものが作られるか。また、昔作っていたものと、今はどう違うのか。(例えば、木の挽物では、かつては旅館向けに茶櫃や盆が大量に作られた時代がありました。もちろん今は少なくなり、他のものを作らなければという状況です) こういったことを、職人とPint!からまずお伝えします。 それを知った上で、使い手の皆さんが、その素材や技術を、今の暮らしにどう活かしてみたいか、どうフィットさせられるかを、普段の暮らしの使い手目線から考える。 これが、Pint!が設立当初から目指していたものづくりの形。 もう少し詳しくお伝えします。 作りたいものは、暮らしの道具です。 古くは、自らが家の周りで採れる材料で、自らが使う道具を作っていました。 必然的に天然素材であり、毎日の道具として作られたものは、シンプルで使い勝手がよく、静かな美しさと強さを持ちます。 そして、天然素材は、使ううちに馴染み、育ってゆきます。 これは時系列的には、柳宗悦の民芸という概念よりも過去に遡りますが、民具と位置づけられます。 この、民具というものの生まれ方で、今の暮らしに合った道具を作りたいと思いました。 現代の民具を作るのです! ものをつくるのは、使い手の参加者ではなく、作り手。(ここがワークショップと違います) Pint!の代表中地が直接産地を訪ね歩いて出会った、腕の確かな職人です。 製品企画をするのは、使い手。 毎日の道具を考えるにあたっては、デザイナーやバイヤー、作り手ではできないレベルのものづくりができると思います。 単に使い手目線だから、新しい視点であるはずという意味ではなく、「使う」ことにフォーカスした企画は、ある意味非経済の個々人が最強だと考えています。 (売り手側から製品企画を考えると、「売る」ことにフォーカスせざるを得ない面が出てきます) 使い手と作り手をつなぐのはPint!。 ワークショップやデザイナーとのコラボにとどまらない、ものの生まれ方を見直した企画です。 Pint!の中核をなす企画。 2014年は、かぐれと共同でこれを行なうイベントを開催することができました。 名前は「みんなのどうぐ」(かぐれ共催企画、かぐこラボ)です。 2014年の夏から冬の約5か月、全5回立てで、8名のお客様にご参加いただきました。 今回企画した製品は、「毎日使いの拭き漆の器」 製作は、長野県南木曽のカネキン小椋製盆所の小椋さんにお願いしました。 3回目には機械を表参道店にお持ちいただき、実際に木地を挽き、小椋さんとのやり取りをしながらの製作。...

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ) 第5回 〜完成パーティー〜

無事にかぐこラボが終了致しました。 最初の回は夏でした。それから5カ月、合計5回お集りいただいて遂に完成です。 昨日が最終回、納品お披露目会でした。 まずはかぐれ粟野さんから完成品お披露目。長く皆で取り組んだ器、よくアイディアを練って、思い描いていたイメージのものが実際に完成して、「良い!」「綺麗!」「使いやすそう」と声があがりました。 今回、企画から携わってくださった参加メンバーの皆様に、特別に在庫分をたくさんお持ちして、その中からお好きな木目を選んでいただきました。 拭き漆仕上げのため木目が見え、無垢の木材のため一点一点木目は異なります。 漆の乗り具合もまた違い、色も様々。 通常は、お店やバイヤーさんもさすがに木目を指定して仕入れということはなかなかできません。ご自身が好きなものを選んでいただきます。 似ているようで木目は異なり、際限無く続けられそうな盛り上がりに。ご家族分だったり、複数使いでと、皆さん何枚かまとめてご購入いただきました。 マイ器をお選びいただいた後は、さっと洗って盛り付けを。 自分たちで形から企画したこの器を、実際にみんなで使おう!ということで、今日は料理持ち寄りパーティー形式で、皆さんに料理をお願いしていたのです。 皆さんが持ち寄ってくださった料理は、国籍も様々な美味しそうなメニューたち! 野菜蒸し、ひじき煮、唐揚げ、バンバンジー、生春巻き、チキンのトマト煮、ケークサレ、クスクス、と、国際色豊かなラインナップです。 どれもしっくり器に馴染み、良い感じです。 先ほど30個ほどの中から選んだ器の理由と、選んだ持ち寄った料理を皆さんからお話いただきました。 理由は「木目、色目が気にいったから(くせのある木目が好き、木目が揃った綺麗のものが好き、など様々)」「持ち心地がしっくりきた」が多数。直感的に選ばれたようです。 余った料理はかぐれさんの器に盛り付け、パーティー開始です。 取り皿として使い、器を持ちながら、楽しいお話の時間。 器の使い心地や、これまでの回のことなど、みんなでわいわいお話しました。 参加者の皆さん、とても魅力的な方ばかりで、このイベントを通じて仲良く距離が縮まったのも嬉しいです。 最後の締めはお茶漬け。 第2回の形の企画回のときに、この器でお茶漬け食べたい!という声を、かぐれ粟野さんが実現くださいました。 これからの季節、豚汁や、正月のお雑煮も食べたいです。 最後には、皆さんからこのイベントの振り返りのコメントをいただきました。 「ゼロからの製品企画に携われる機会は滅多になく、貴重な機会だった」 「とにかく楽しかった」 「木の器、漆器を知ることができた」 「器や、食と向き合う時間が持てた」 など、皆さんがとても楽しんでくださったようで、ほっと一安心。 器はかぐれ各店舗、Pint!のサイトでも販売致します。かぐれでは、表参道では本日より、他店舗では今月中旬から店頭販売致します。また、これから卸販売も行なってゆきます。...

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第4回 ~漆塗り~

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第4回 ~漆塗り~

前回の第3回では形を決定しましたが、サンプル木地(塗り無し、内側を挽いていただきました)が完成しました! 小椋さん、ありがとうございます。 まずはお披露目と、皆でサンプルチェック。 実際に形になって、いよいよ製品企画も終盤戦に入ってきました。 今回は「塗り」。拭き漆(擦り漆)という技法で塗られる漆器。木の器に、何度も漆を拭くように擦り込んで塗る技法です。 拭き漆で有名な石川県山中の塗師さんにお願いしています。職人さんは来られないので、Pint!中地より、漆塗りの紹介を行ないました。漆って何となく言葉は知ってるけれど、何者かよくわからない、そんな方が多いと思います。 漆は「ジャパン」とも呼ばれるだけあって、日本で古来から用いられたもの。ウルシノキの樹液です。ものすごく強い樹液ですから、人が触れるとかぶれたりするのですが、熱や水に強いのです。いわば最強の天然コーティング剤。古くは縄文時代から用いられていたと言われます。 不思議な力を持つ樹液として使われてきたのでしょう、職人の塗師さんからは、塗師の間で語り継がれたり、伝承されている様々な話があります。こちらでは割愛しますが、そんなお話を皆さんにお伝えしました。 悩むのは色。拭き漆では何度も拭いて色を重ねてゆくのです。 Pint!では顔料を混ぜた色出しはしていないので、生漆、黒漆、赤漆の組合せで色を出します。 以前に塗師さんに特別に依頼して作っていただいたカラーサンプルをもとに、皆で色を考えました。 色によって強度や機能が変わる訳ではないので、個人の好みが反映されて一番心配していた回ではありますが、その心配は無用でした。 実際に食卓でどう使いたいか、何を盛り付けたいか、どんな食器と組み合わせるのかという点を中心に話し合いが進みました。 Pint!で既に販売している汁椀や丼椀の色とあわせてお店で綺麗に展開できるようにというご配慮までいただきましたが、ディスプレイや商品展開の都合を排除した、毎日の暮らしのためのものづくり企画ですので、その点は一切考えないでくださいとお伝えしました。 洋食器や和食器も混在する日本の食卓。 うちの家族ではこんな食卓だから、この器はこういう使い方をしたい、こんな組合せで使いたい、 という意見が皆さんから出て、自然と色が絞られてゆきます。 最終的に決定したのは一番左の茶色。上品で柔らかな雰囲気です。毎日使いたくなるように、重すぎない、軽めの色が選ばれました。 色も決まり、いよいよ仕様が確定。長い道のりでしたが、遂にここまできました。あとは塗師さんにお願いして、納品を待ちます。 この次は納品と、お披露目&持ち寄りパーティーで、実際に器を使います。楽しみな最終回は12月です! 中地

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第3回 ~木地師と共に器の形を作る~

【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第3回 ~木地師と共に器の形を作る~

木地師の小椋さんに、長野県からお越しいただいたスペシャルな回です。 今回は「木地製作」 前回の第2回にて、皆で形のデザインを決定しましたが、今日は実際に形を作る日です。南木曽の小椋さんが、長野県からはるばるお越し下さいました。普段は工房で固定されているろくろを使用されていますが、移動式のろくろをお持ちなのです。このおかげで、表参道でろくろ挽きで木地を作っていただくというプレミアムな時間が実現できました。 第2回目の内容をまとめた仕様書を予めお送りしていました。 小椋さんと参加者の皆様の挨拶後、早速挽き始めます。初めてご覧になる皆様から素敵なリアクションをいただきながら、削り出してゆきます。 刃物を当てて木を削りながら、刃を研いではまた削ってゆきます。 いくら見ていても飽きない光景なのですが、一緒に話し合いながら形を作る工程は長く厳しいもの。 職人技で、驚くほどに、手と目だけの感覚で図面通りに形に起こしてくださいます。が、平面の紙に描いた線と、木という素材の立体では、見え方や存在感は異なります。 ですので、実際は、大まかな形を作ってからは、 少し削って⇒止めて⇒見て⇒触って⇒形を修正依頼⇒(少し削って)に戻る という繰り返しなのです。 通常の商品開発ですと、汁椀と丼椀を作ったときのように、数名で進めますが、今回はご参加の皆様も合わせた大人数! 皆で、テーブルに器を置いてみたり、遠くから眺めてみたり、他の器と並べてみたり。性別も家族構成も異なるみんなが触って持って、あれこれ話しなて、いろんな場面を具体的に想定しながら形を作ってゆきました。 感覚的な部分もあるのでまとまるか不安でしたが、これまでの2回で目指す器の心は一つ!で、当初のコンセプトとゴールに向かってぶれずに、皆で進めたように思います。 意見もたくさん出て、すごく良い空気で製作が進みました。自らのものを自ら作るという民具に近いものづくりの発想について、この製作段階においてもその良さを感じられたことはとても良かったです。 出来上がったのがこちらの器。(外面から決定します) 時間の兼ね合いもあり、中面は、お持ち帰りいただいて挽いていただくことに。内側は外側にある程度準じて決まあります。底を厚めに、縁にかけて薄くという点は、仕様書に基づき依頼しました。 底面は高台無しで、丸く凹みをつけ、持ちやすさ、指の引っかかりやすさを実演。図面に拘らずに取り組みながらも、イメージにぴったり近いものに着陸しました。図面の2次元から実物の3次元への修正と、職人さんとの製作時の情報と感覚の共有の両輪が回ると、うまくいきます。 この仕上がったサンプルを元に、小椋さんには製作を進めていただきます。 その間に、我々かぐこラボチームは、次回で漆塗りについて学びつつ、塗りの色を選ぶのです。 また次回のレポートをお楽しみに。 この日、小椋さんには一日かぐれにいて下さいました。 かぐこラボと連動して、オリジナルパン皿製作のイベントを開催しました。 こちらは個人のオーダーメイド。 1枚あたり30分〜1時間ほどかかりますが、これも滅多にない企画なので、 たまたまお店に立ち寄ったお客様もたくさんオーダーくださいました。 写真は店長阿部さんの木皿。素敵な仕上がりでした。 中地