【イベントレポート】みんなのどうぐ2−3 〜完成披露食事会〜
「みんなのどうぐ2 毎日使える小さな包丁」の最終回、第3回目を無事に終えました。 過去のレポートはこちら。1回目:素材と技術を知る、2回目:かたちを考える 簡単におさらいします。今回のテーマは、2本目の包丁として使っていただくこと想定した、「毎日使える小さな包丁」。前回の2回目で、具体的に使うシーンや調理を考えてゆくと、「芋煮」というキーワードが浮かび上がりました。模型を使って具体的にかたちをみんなで検討し、アウトドアシーンへ持ち運び、使いやすいかたちを考えました。完成した模型を、製作を担当下さる職人の島田刃物製作所にお渡しし、この1ヶ月間、製作をお願いしていました。いよいよ製品が完成し、今日は待ちに待った完成お披露目会です。 会場は、山形市の隣、天童市にあるCOLON CORPO。COLON CORPOの紹介だけに1つ記事が書けるほどの素敵なコンセプトと空間を持った場所ですが、また別の機会に譲ります。東北芸工大のご縁で、場所をお借りすることができました。 良い写真がたくさんあるので、写真中心にご紹介を。まず、ずらりと並んだ包丁たち。メンバーの皆さんの分と、Pint!在庫分です。 一点一点、作られています。先と根本の刃の微妙な角度、刃の打ち跡が微妙に異なります。今回は特別に木の柄の部分も島田さんご自身が製作されているので、木の個体差もあり柄の部分も一点一点異なります。 このお披露目会に島田さんも招待しておりましたが、年末の製作時期で忙しく残念ながら叶わず。前日の納品時に、島田さんの工房に行った際に預かったビデオレターでメッセージをお届けしました。 「模型を受け取ったときは、正直見たことのない形で驚きと戸惑いがあったけれど、作っていて、あと実際に使ってみて、使いやすい良いものになったな。良かった!」 製品受取の際に伺い、新しいものづくりの方法のチャレンジだったけれど、この方法は本来の鍛冶屋の仕事そのものだし、やりがいがあり楽しい仕事だったと仰ってくださいました。 島田さんからのメッセージ報告を終え、メンバーの皆様への納品会に。目の前にずらりと並ぶ中から、マイ包丁をセレクトする時間!いつもながらとても盛り上がります。 見た目、手に持った感触。過去に開催した木皿もそうでしたが、やはり、手に馴染むかが重要になってくるようです。持って触って動かしながら、自分の手に合ったものを選ばれていました。 ここで、製品を簡単に紹介します。詳しくは、記事最後のリンクより、別途商品ページをご覧下さい。 ・大きさはいわゆるペティナイフと呼ばれるサイズ。小さめの包丁です。 ・刃の素材は、ステンレス・鋼の両刃。柄の素材は、えんじゅの木を使っています。鋲の素材は真鍮です。どのパーツも、使い込むうちに味が出てきそうです。 ・刃の打ち跡が、職人の手仕事の面影を残します。これにより、刃の表面に凹凸ができるため、例えばキュウリを切るときなど、くっつくのを多少防げます。 ・刃の根本も、皮むきの際、指がかけられるようになっています。 ・一番の特長は、刃先の形。丸くなっています。芋煮やアウトドアのシーンで、みんなで集まって使っていても恐くない包丁。先が尖っていないので、安心感があります。 マイ包丁が無事に決まり、芋煮の調理開始です。私は関東育ちなので、室内とはいえ芋煮は初めての体験でした。 開始してすぐに出た感想が、「集まって作業しても恐くないね」。 10名がキッチンとテーブルを共有したため、一人当たりのスペースは狭いですが、わいわい話しながら作業が進みました。先が尖った包丁だったらこうはいかないはず。先が丸い特長を早速実感。 里芋の皮むき。 刃の背で皮を刮げ落とします。微妙に皮の触感も残るのですが、これが効いてきます。里芋のような小さなものにもぴったりと動かせる、小回りの利くサイズ。 ごぼうも同じく。小さいので、シンクの中でも作業性が高いですね。 ごぼうのささがき。小さく、丸く、かわいい見た目なのですが、刃を使ってみて驚きの切れ味!!かわいく見えて、鋭く切れます。 ねぎも、まな板を使わずに手で持って切り落とします。本場山形の芋煮の現場を見ました。 かなりの量でしたが、みんなでわいわい盛り上がりながら作業が進み、野菜の準備が完了。 煮込み開始です。 その間、りんごの皮むきも。果物にもたくさん使いたいですね。...