【イベントレポート】みんなのどうぐ3−3 〜かたちを作る〜
「みんなのどうぐ3 松本暮らしの木の器」の第3回目です。今回は、かたちを作る回です。 今日の目的は、前回までに決めたイメージを形に起こし、形を最終決定すること。 過去のレポートはこちら。1回目:素材と技術を知る、2回目:かたちを考える みんなのどうぐ3では、メイン会場が栞日ということで、企画参加メンバーの皆様が長野県松本・安曇野在住です。製作のカネキン小椋製盆所は、長野県南木曽。これまでの「かたちを作る」回では、東京会場だったため、小椋さんに移動式のろくろを会場まで運んでいただき、出張開催していましたが、今回はカネキン小椋製盆所の工房を訪問致しました。 松本からは片道約2時間ほど。 お昼を済ませて南木曽駅集合、小椋さんの車で迎えにきていただきました。 1時から5時くらいまで、みっちり4時間。一日遠足のスペシャルな回をレポート致します。 今回の工房訪問。 ろくろの持ち込みではなく臨場感たっぷりの現場であることから、小椋さんの協力をいただき、コンテンツも充実させることができました。 通常であれば、木地の製作にほぼ全ての時間をあてますが、今回は製材工程から皆様にご覧いただきました。「木」が、器になるまでを全て見られる流れになっています。 まずは工房ではなく、近くの材木置き場へ。 こちらは、今日のサンプル製作用に集めておいていただいた丸太たち。丸太を切っても、水分をたくさん含んでいるため、すぐに製品にすることはできません。本番の製品用には、既に製材をして粗挽きという工程を終え、乾燥させています。今日の製材は、製材工程を見ていただくためにご用意いただいた丸太です。小椋さん、ありがとうございます。ちなみに本番製品は栃ですが、木材の都合上、今日は栓の木でサンプルを製作します。(形を決めるのが今日の目的なので、他の木材で問題無し) 「みんなの好きな丸太を選んでいいよ」という小椋さんの粋な計らいをいただきました。一番手前の太めの丸太をセレクト。 丸太から、器にするための製材の方法、取り方をレクチャー。 丸太を目の前に、器を当てながらご説明いただきました。まさに最も川上、素材の0からのスタートです。 フォークリフトに乗り、選んだ丸太を移動。 器で使用するサイズ(今回は直径22.5cm)に合わせて、丸太をチェーンソーで切ります。これを「玉切り」といいます。 切断された丸太を玉と言います。1個は1玉と数えます。3玉できました。 次の加工、巨大電動鋸へ。水分を含んだ丸太は一人では持てないくらい重く、テーブルには機械であげます。 器の直径22.5cmに合わせて丸太はカットしましたが、次は、この断面のどの部分から取るかを調整。高さは4.5cm。寸法を測り下書き。 巨大電動鋸で製材。ご覧の通り非常に危険な作業。音も非常に大きいので、耳栓をして作業します。 正面から。 器の大きさの材に。さきほどの1玉から、4個ほど取れました。 一人では持てない1玉から、4個しか取れないのです。。 この段階の端材は、小さな器の材としてもう一度カットするか、それにも使えなければ焚付けに。 さて、まだまだ続きます。 この四角の材ではまだろくろで挽く工程には進みません。 円柱形にするため、下書き。 角を取ります。 文章にすると簡単ですが、この巨大刃の電動鋸の刃に合わせて、先ほどの下書き通りに、重たく厚ぼったい木材をコントロールして削るのです。ものすごい仕事です。...