【イベントレポート】みんなのどうぐ vol.0(かぐこラボ)第3回 ~木地師と共に器の形を作る~
木地師の小椋さんに、長野県からお越しいただいたスペシャルな回です。
今回は「木地製作」
前回の第2回にて、皆で形のデザインを決定しましたが、今日は実際に形を作る日です。南木曽の小椋さんが、長野県からはるばるお越し下さいました。普段は工房で固定されているろくろを使用されていますが、移動式のろくろをお持ちなのです。このおかげで、表参道でろくろ挽きで木地を作っていただくというプレミアムな時間が実現できました。
第2回目の内容をまとめた仕様書を予めお送りしていました。
小椋さんと参加者の皆様の挨拶後、早速挽き始めます。初めてご覧になる皆様から素敵なリアクションをいただきながら、削り出してゆきます。
刃物を当てて木を削りながら、刃を研いではまた削ってゆきます。
いくら見ていても飽きない光景なのですが、一緒に話し合いながら形を作る工程は長く厳しいもの。
職人技で、驚くほどに、手と目だけの感覚で図面通りに形に起こしてくださいます。が、平面の紙に描いた線と、木という素材の立体では、見え方や存在感は異なります。
ですので、実際は、大まかな形を作ってからは、
少し削って⇒止めて⇒見て⇒触って⇒形を修正依頼⇒(少し削って)に戻る
という繰り返しなのです。
通常の商品開発ですと、汁椀と丼椀を作ったときのように、数名で進めますが、今回はご参加の皆様も合わせた大人数!
皆で、テーブルに器を置いてみたり、遠くから眺めてみたり、他の器と並べてみたり。性別も家族構成も異なるみんなが触って持って、あれこれ話しなて、いろんな場面を具体的に想定しながら形を作ってゆきました。
感覚的な部分もあるのでまとまるか不安でしたが、これまでの2回で目指す器の心は一つ!で、当初のコンセプトとゴールに向かってぶれずに、皆で進めたように思います。
意見もたくさん出て、すごく良い空気で製作が進みました。自らのものを自ら作るという民具に近いものづくりの発想について、この製作段階においてもその良さを感じられたことはとても良かったです。
出来上がったのがこちらの器。(外面から決定します)
時間の兼ね合いもあり、中面は、お持ち帰りいただいて挽いていただくことに。内側は外側にある程度準じて決まあります。底を厚めに、縁にかけて薄くという点は、仕様書に基づき依頼しました。
底面は高台無しで、丸く凹みをつけ、持ちやすさ、指の引っかかりやすさを実演。図面に拘らずに取り組みながらも、イメージにぴったり近いものに着陸しました。図面の2次元から実物の3次元への修正と、職人さんとの製作時の情報と感覚の共有の両輪が回ると、うまくいきます。
この仕上がったサンプルを元に、小椋さんには製作を進めていただきます。
その間に、我々かぐこラボチームは、次回で漆塗りについて学びつつ、塗りの色を選ぶのです。
また次回のレポートをお楽しみに。
この日、小椋さんには一日かぐれにいて下さいました。
かぐこラボと連動して、オリジナルパン皿製作のイベントを開催しました。
こちらは個人のオーダーメイド。
1枚あたり30分〜1時間ほどかかりますが、これも滅多にない企画なので、
たまたまお店に立ち寄ったお客様もたくさんオーダーくださいました。
写真は店長阿部さんの木皿。素敵な仕上がりでした。
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