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【イベントレポート】みんなのどうぐ2−2 〜山形打刃物・かたちを考える〜

【イベントレポート】みんなのどうぐ2−2 〜山形打刃物・かたちを考える〜

「みんなのどうぐ2 毎日使える小さな包丁」の第2回目です。前回は、工房に訪問して、打刃物のものづくりを体験しました。続く今回は、みんなでかたちを考える回です。 会場は、山形市の隣、寒河江市にあるGEA 蔵を改装した、素晴らしい会場を借りることができました。店舗併設のカフェスペースの一角で開催しました。 今回は、木の器と違い、初めての刃物です。サイズとしては、いわゆるペティナイフと呼ばれるほどの、小さな包丁を製作します。2本目の、毎日使える包丁をテーマにしています。 こちらはメンバー一人一人の、今回の模型製作セット。木の器の場合は、横から見た形の絵を描いて、みんなのイメージを一つに絞ってゆきますが、刃物の場合は、「柄」と「刃」の2段階に分けて検討します。柄は立体になるので、スチレンボードを用いて模型を作ることに。刃は厚紙方眼紙で作ります。 今回製作を依頼している島田刃物店さんからお借りした、サンプル。一見同じように見える包丁でも、製作をするにあたり、刃の形、柄の形を細かく見ると、様々な検討ポイントがあります。このサンプルと、皆さんにお持ちいただいた、毎日使っている包丁をベースに、形を考えてゆきます。 まずは皆さんにアンケートを記入いただきます。日々の食事と調理のこと、包丁を使う時、選ぶ時のポイント、今回イメージしている包丁など。あまりに日常すぎて、意識しない暮らしのシーンだと思いますが、振り返って思い浮かべながら書いていただきました。 アンケートをベースに、皆さんから発表いただき、共有します。今回の参加者の皆さんは、一人暮らしの学生から、ご家族でお住まいの方まで、いつもながら多彩なバリエーション。 普段お使いの包丁もお持ちいただきました。1本だけという方から、複数本を使い分ける方など、こちらも様々です。 普段調理する料理や素材、ライフスタイルにより、包丁を重視するポイントも異なります。色々な方の視点を共有して、包丁の、実は奥深い世界にゆっくり入り込んでゆきました。この時間は、みんなのどうぐで一番楽しみな時間の一つです。 共有した上で、みんなでディスカッションを行ないました。製作するイメージを共有し、ポイントをまとめます。 器の場合だと、「何を盛りつけるか」「地域の食材、特色ある家の食事は何だろう」という点が中心になりますが、包丁は調理道具。器よりも、機能や仕様といった点に重点が置かれたのが印象的でした。 基本的には、皆さんやはり三徳包丁(文化包丁)がベースになるようです。これは今回の企画メンバー以外に皆さんもあてはまると考えられます。今回のテーマ、「毎日使える小さな包丁」は、2本目の包丁としてお使いいただくことをイメージしています。 そうすると、1本目の三徳包丁では足りない部分をカバーする役割が見えてきます。三徳包丁だと、普段何を切るときに、使いにくいか。包丁の刃と柄のサイズがこれくらいだったら持ちやすい、刃の付け根の形がこうなっている指がかかって良いなど、使うその瞬間瞬間の濃い意見が出てきました。 中でも、里芋やじゃが芋など、小さくて球体の野菜を皮むきする際に、三徳包丁でなく小さな包丁が良いよね、というポイントが浮かび上がりました。そこから議論を深め、たどり着いたのが、「芋煮」というキーワード。東北以外の方には馴染みが少ないかもしれませんが、山形をはじめとして東北の季節行事で、秋などに河川敷で集まり、里芋などを使った鍋料理をみんなで囲むという楽しそうな行事です。 「芋」という具体的な食材から、メンバー全員が知り尽くす「山形」という地域性も加わり、イメージをぐっと濃く共有できました。ちなみに代表的な食材は、里芋、ねぎ、ごぼう、肉、こんにゃく。食材が出てくると、より具体的になってきます。 もちろん、鍋料理、煮物を想定しているので、芋煮に限らず普段もお使いいただけますね。アウトドアという点では、キャンプやバーベキューシーンでも活躍できるのではないでしょうか。 コンセプトと目指すシーンが共有できたところで、実際に皆さんに刃の形を絵に描いていただきました。東北芸工大のメンバーが多いこともあり、皆さん非常に手慣れた様子。まさに専門チームという感じで、非常に頼もしいです。 真剣な表情で、イメージを形に描いていただきました。 製作集中タイムを終え、みんなの図案と模型をテーブルに集めます。かたちが目に見えると、一段と盛り上がります! この具体的な形のイメージを元に、ここから、更に深く話し合いを進めてゆきます。 実際に持ったときのバランス、刃の形、柄の持ちやすさ。何を切るか、使う場面を思い浮かべながら、一つの形を探り出します。 今回、模型作りと仕上げにおいて、ご参加いただいた東北芸工大の皆様には大変お世話になりました。今回のメンバーでなければできないほどの模型のクオリティになりました。改めてこの場を借りて、感謝申し上げます。 まだ模型段階ですが、3つあるうちの一番右のものが最終仕様。分かりにくいかと思いますが、持ち心地も、非常に良いです。今までに見られない包丁になったと思います。 こちらは、皆さんが普段お使いの包丁コレクション。サイズも形も様々なのが面白いです。ライフスタイル、家族形態が多様化し、ものも溢れている今、均一化ではなく個別化されていることを感じます。そうした中で、「みんなのどうぐ」では、様々な参加者の皆さんでチームを組み、テーマを絞りながら、みんなが使えるベーシックなものを作り出すことを目標にしています。 イベント終了後、この模型を、早速島田刃物製作所の島田さんの元に届け、製作依頼をしました。完成披露は、最終回、12月19日の予定です。 島田さんは、「自分たちが考えるのとは違って、新しいしとっても面白い。山形らしいし良いね。」と、わくわくしていらっしゃる笑顔と、嬉しいお言葉をいただきました。 完成品は、今後継続して販売してゆきます。完成後、Pint! webshopでも発売予定です。初回製作分は数量も少ないので、気になる方は予めこちらより、タイトルを「みんなのどうぐ2 小さな包丁完成連絡希望」とご記入くださいませ。商品アップ後、すぐにご案内致します。予約確定ではございませんので、お気軽にご連絡くださいませ。

12.1 (tue) – 12.7 (mon)  gifts maach ecute 神田万世橋

「贈り物」をテーマにした、iichiクラフトマーケット主催の展示販売イベント gifts 会期は3つに分かれており、Pint!は最初の回、12/1(火)〜12/7(月)に出展致します。 木の器やカッティングボード、ダイニング回りの布もの、天然染めやオーガニックリネンのハンカチなど、木とリネンのものを中心にお持ちします。クリスマスを目前に、モミの木の皿も贈り物におすすめです。 maach ecute 神田万世橋は、素晴らしい空間です。出展者数も多く、素敵なものもたくさん見つかると思います。是非お越し下さいませ。 iichi gifts ページより —————————————————- 2015年冬、iichiクラフトマーケットのテーマは「gifts」。 大切な人への贈り物として、自分へのご褒美として、 作る人や贈る人の想いが伝わるような手しごとのものを 選んでいただけたら、という思いを込めました。 手仕事を体験できるワークショップも同時開催します。 歴史あるレンガづくりの建物で、ここでしか見つからない ギフトをお届けします。 —————————————————-

11.23 (mon) – 11.25 (wed)  関東ブロック伝統的工芸品展 浅草ヒューリックホール

11.23 (mon) – 11.25 (wed)  関東ブロック伝統的工芸品展 浅草ヒューリックホール

関東甲信越静岡地方の伝統工芸を紹介する展示会、関東ブロック伝統的工芸品展 。Pint!は、「みんなのどうぐ」活動を紹介するため、出展致します。場所は浅草橋駅前の浅草ヒューリックホールです(マップは、上の展示会リンクへ)。 「今の生活シーンに伝統工芸を取り入れる」というコンセプトで、急遽「みんなのどうぐ」の展示スペースを確保くださいました。そのため、展示会WEBページ内に記載はされていませんが、「みんなのどうぐ vol.0(かぐれ共同企画)」の、木製品の展示サンプル、完成品、パネルで紹介させていただきます。 様々な伝統工芸の職人が集まり、実演や販売も行なわれる展示会です。お時間ありましたら、是非お立ち寄り下さいませ。 中地

11.1 (sun) - 11.15 (sun)  素材と暮らす道具展 GEA

山形の寒河江のセレクトショップ、GEA 。11/1から11/15まで2週間、素材と暮らす道具展として、Pint!のキッチン・ダイニング製品を中心にご覧いただけます。11/14には ”みんなのどうぐ vol.2 「毎日使える小さな包丁」”を、GEAのカフェスペースで開催します。 アパレルはもちろんですが、雑貨のセレクトも、空間も素晴らしいお店。何度か訪れていますが、行く度に、素敵なものとの出会いがある場所です。 中地

【イベントレポート】みんなのどうぐ3−1 〜素材を知る〜

みんなのどうぐが次々始まっています。 松本の栞日で、「松本暮らしの木の器」を作ります。 概要はこちらをご覧下さい。 今回は第1回目で、木の素材と、加工技術を知る回です。 職人から聞いた素材や技術の話、民俗学のジャンルにかかるような話をお伝えしながら、写真と動画を交えてご紹介。 そして、とにかくサンプルをたくさん触っていただきました。 刳物、曲げ物、挽物、指物、結物の5ジャンルに分けてご紹介。 今回製作するものは挽物ですが、他のものづくりの背景も面白い。 もっともっと、サンプルの用意を充実させてゆきたいです。 写真が充実している、前シリーズ「朝食の時間を愉しむ木のプレート」の、 【イベントレポート】みんなのどうぐvol.1-1回目 〜素材を知る〜 も是非ご覧下さい。 今回はお子様連れの方も多く、いつもとはまた違う賑やかさがある回となりました。 今回、日程の都合で欠席の大学生の方もいて、年齢、家族構成様々な方がいらっしゃいます。 どんな器ができるのでしょうか。 次回は11月8日。 楽しみです。 中地

【イベントレポート】みんなのどうぐ3−0 松本暮らしの木の器 「松本の器を考える」

長野県松本の栞日で開催する、みんなのどうぐ3 今回は、松本の暮らしの中で使いたい木の器を考えよう!ということで、初めて、テーマ設定から参加者を募り話し合いました。 これまでは、木材乾燥の工程上、木の器のサイズやテーマは予め設定して募集をしていましたが、それさえも参加者の「みんな」と決めました。 その名の通り第0回目(#00)の企画会議が、先週末に行われました。 今回集まっていただいたのは6名。 年齢も家族構成もばらばらな、多彩なメンバーでした。 ご参加いただいた皆さんから、様々な意見が出て、非常に濃く、エキサイティングな会議に。 おかげさまで、松本暮らしの器の、今回製作する器のテーマが決まりました。 6名のうち5名が、他の地域から松本に引っ越し、移住された方々でした。松本を愛して、積極的に選んで移住されている皆さん。 他の地域との比較ができるということもあり、くっきり松本の食卓の特長が出てきました。 話が出た順番にいくつかご紹介すると、 ・普通のスーパーに生そばが並んでいる。種類も豊富で美味しい。(東京ではなかなか見かけないと思います) ・野菜の量が増えた。地物の野菜が安くて美味しい、旬のものは知人を伝っていただける機会も。 ・果物の量が増えた。地物の果物が安くて美味しい、旬のものは知人を伝っていただける機会も。 ・漬け物をたくさん食べる。地元の方のお家に行くと、小皿にちょこっと、ではなく、深さのある中皿、大皿にたっぷり盛りつけられている。(長野は漬け物が多いイメージはありますが、食べ方もまた違うようです) 本当に普段の食事と食卓のお話をしているだけですが、こうして話すだけでも興味深すぎます。 地域の魅力や色って、名産品とかよりも、こういうところに存在していて、すごく面白いです。 先に挙がったポイントから、実際に毎日使える器を考える段階に入ります。 木の特性や、器にしたときの利点、それぞれの木の種類の特長を、サンプルと一緒にみんなで共有。 その上で、実際に毎日、たくさん使える器を考えました。 先に挙がった食卓のシーンから、日々の食卓には、野菜、果物、漬け物をベースに考えることに。 たくさんの野菜や果物。 みなさん、普段は、盛りつけるぴったりの器がなく、なんとなくある器を使っているそう。 果物がたくさんあるときなど、大きな器が必要になるが、陶磁器だと重くなってしまう。 容量も大きく、軽く、野菜も果物も美味しくいただけ、美しく盛りつけられる、木の器が欲しい!!! ということで、 「野菜たっぷりのサラダも、旬のたくさんの果物も盛りつけられる器」 を製作することに。 ただ、野菜、果物用の大皿、というわけではなく、あくまで出発点のイメージ。 実際には、多用途に毎日の食卓の色々な場面で使っていただけることを想定しています。...

「わたし」のコーヒーを愉しむ時間 スタートしました!

「わたし」のコーヒーを愉しむ時間 スタートしました!

今回のイベント、初日から多くのお客様にお越しいただき、賑わっています。 また、取材と記事掲載、2件いただいております。 綺麗に、丁寧にまとめていただきありがとうございます! ●MYLOHAS うつわでコーヒーの味が変わる? その飲み心地を体感 http://www.mylohas.net/2015/09/049288coffee.html ●FOODIE コーヒー新提案! 『焙煎の度合』と『器』を変えて、気分に合わせた1杯を http://mi-journey.jp/foodie/10744/ イベントは前半が終了。 9月28日(月)までです。 場所は、伊勢丹新宿本館5階です。 詳細は、こちら 美味しいコーヒーと、コーヒーの新しい体験と見方ができる、イベントです。 皆様のご来店、お待ちしております。 中地

【イベントレポート】みんなのどうぐ1−3 〜かたちを作る〜

先週の日曜日 9/13 は、暑さも和らぎ、晴れて気持ち良い朝。みんなのどうぐvol.1「朝食の時間を愉しむ木のプレート」(この企画の説明はこちら)もいよいよ第3回目です。 (これまでの記事 企画概要・第1回目:素材を知る・第2回目:かたちを考える) 今回は、「かたちを作る」です。 前回、みんなでかたちを考えて、このような仕様に決まりました。 図面はこちら。図面から、実際に形におこします。 長野県南木曽から、木地師の小椋さんに、ろくろの機械をお持ちいただきました。 実際に小椋さんに器を製作していただきながら、皆でその場で触り、かたちを考えます。 実際にデザイナーやバイヤーがするように(こんなに大人数なことはないと思いますが)、みんなで修正指示をかけ、最終サンプルを決定するのです。 商品の仕様を決定する大事な日です。 これまでのおさらいと自己紹介を終えて、早速開始します! 用意してきていただいた木材をろくろにセット。木曽川の石だそうです。良い石。 このような先の曲がった鉋で削ります。自ら打ち、研ぎも行うので、他の職人の道具は使わないのです。 ろくろで回転させて、刃をあてて挽いてゆきます。 みなさんからは歓声が。目の前で削られていて、形ができてきます。 先ずは外側の縁の形から。 実際に使う上でのイメージに沿っているか、触りながらチェック。 ここでのポイントは、「指にかかり、持ち(運び)やすいこと」でした。 「S字の曲線が深いもの」「もう少し削ったもの」と比較してみるため、もう2パターン製作いただきました。 2つのサンプルから、比べながら話し合い。 置いてみたときの印象も大事。 写真だと分かりにくいですが、3パターン、それぞれ微妙に違います。左から、 1:外側の縁が上がる幅20mm、浅めのS字 2:外側の縁が上がる幅20mm、深めのS字 3:外側の縁が上がる幅25mm、深めのS字 持ちやすさと見た目のバランスをみんなで検討して、 3:外側の縁が上がる幅25mm、深めのS字 に決定! いつも感じることですが、図面だけでは判断ができないことなので、実際に職人さんと一緒に場所と時間を共にして作ることは一番大事です。...

9.23 (wed) - 9.28 (mon) 「わたし」のコーヒーを愉しむ時間 伊勢丹新宿店

新宿伊勢丹で、珈琲のイベントを開催します。 先日開催した、Pint! 暮らしの中の道具展 から生まれた企画です。 珈琲を、豆の種類や器具といった面からではなく、器や飲むシーン、気分に合わせて、愉しみ方を拡げます。 普段のコーヒーの飲むシーンやお好みを聞きながら、一杯一杯ハンドドリップで、お客様に合ったコーヒー豆とカップでご提供します。 カップも様々な形があり、飲み口の厚みや広さ×コーヒーとの組み合わせで、奥深い世界が広がっています。 新宿伊勢丹でアクセスも非常に良いので、新宿散策ついでに是非お越し下さいませ。 ——————————————————————————————————— 「わたし」のコーヒーを愉しむ時間 場所 伊勢丹新宿店本館5階 キッチンダイニングデコール (5席ほどカフェカウンターがあり、八蔵さんがハンドドリップで珈琲を淹れます) 日時 9月23日(水)〜9月28日(月) 10:30〜20:00 八蔵(珈琲喫茶)、いざきあつしの器(陶器)、Jalk coffee(珈琲豆)、Pint!(企画・リネン雑貨) あなたは、どんなときにコーヒーを飲んでいますか? コーヒーには、味だけでなく、飲む時間自体にも、他にはない奥行きや広さがあります。気分、場所、場面。人により様々で、それはきわめて個人的なもの。 今回は、「コーヒーを愉しむ時間」を、コーヒーと器という2つの視点から見つめ、あなた自身の、新しい愉しみ方を見つけていただく試みです。 味の好みや飲む場面から、お勧めのコーヒーをハンドドリップで淹れ、お好みの器でお召し上がりいただけます。 また、コーヒー豆・器・リネン雑貨の販売もしています。 ——————————————————————————————————— 八蔵さんが毎日、カウンターで珈琲を淹れてくださいます。 いざきあつしさん、Pint!は曜日により売場に立つ予定です。 珈琲の新しい楽しみ方を感じられる面白いイベントになると思います。 是非お越し下さいませ。 中地

暮らしを彩るベーシック in 阪急うめだ本店 はじまりました

暮らしを彩るベーシック in 阪急うめだ本店 はじまりました! イベント詳細はこちらです http://blog.pint.mn/?p=2335 今日で2日目が終了。 平日にも関わらず、多くのお客様がいらしてくださり、ありがとうございます。 来週の火曜日までですので、お近くにいらっしゃる方は是非お立寄くださいませ。 中地