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モノづくり市、多くのご来場誠にありがとうございました。

モノづくり市、無事終了致しました! ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。 たくさんの出会いと学びのある濃い2日間でした。 初お披露目となった木のものも大変な人気で、初日完売のものも。 リネンはオーガニックリネンハンカチ、また坂由香里さんの藍染めハンカチが大人気でした。 Pint!のものは、素材が活きた品質と美しさが一番の魅力と思っています。 まず、見て美しくて、触ってみたら心地よくて、使用後のサンプルを見るとぐっと味わい深くて、 店主の僕の話を聞くと伝えたい事盛りだくさんで、という感じで、 やっぱり実際の場所でお客様に見ていただくと一番輝くものなのだと改めて痛感しました。 今後、イベントなどでリアルな販売機会をできるだけ増やしていきたいと思います。 今回のモノマチは特に、「もの」が好きで、 ものの背後にあるストーリーや、良いものを愛するお客さんが多かったように思います。 良い意味で、マニアックな(!)方も多く、麻も木もすごく詳しいお客さんいっぱいでした。 さすがです。 Pint!のものも、僕の熱い話もおもしろがって聞いてくださいました(燃え尽きました)。 そんな2日間、周りの出展者さんたちとの交流もあり、とても濃く、充実の時間でした。 終始混んでいたのであっという間の2日間でした。 ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。 事務局やボランティアの皆様もおつかれさまでした。 モノづくりヒントを得たイベント、次にしっかりつなげてゆきたいと思います☆

いよいよ明日からモノマチ(モノづくり市)です!

今日から、モノマチがスタートしていますが、 Pint!が出展するモノづくり市は明日と明後日の2日間です。 イベントご案内:http://pint.mn/?mode=f3 商品準備とお店の準備の大詰めにはいっています。 ぎりぎり製作が間に合ったリネンシャンブレートートなど、 かなり充実の品揃えになりました。 浅草橋駅前のヒューリックホールで、お待ちしております。 モノマチ:http://monomachi.com/ モノづくり市:http://monomachi.com/?page_id=148 ヒューリックホール(2F):http://www.hulic-hall.com/access/

藍染め 〜その6.天然染色のメカニズムの違い 酸化還元〜

おはようございます。コジマです。 写真を整理していて、先日の草木染めの写真がでてきたので載せました。草木染めの煮汁をとっている所です。 天然染めはたくさんのやり方があります。とりあえず大きくわけて草木染めと藍染めの反応メカニズムについて説明してまいります。 草木染めは写真でみてわかるように湯気がでています。熱湯に草木を入れて煮汁をつくってその中にモノを入れて色を染み込ませ、色を定着させるために媒染剤というものを使って色を定着させるのです。 草木染めのメカニズムは藍染めシリーズが終わりましたらご紹介いたします。 今日は藍染めのメカニズムについて少し細かく説明します。 おおまかに書きますと藍染めは、熱はかけずに発酵させ空気の酸素と反応をして酸化還元を起こして発色をさせるのです。 青い色に発色するインディゴは複雑な構造(複素環をもつ化合物)を持っているため、水にはとけないのです。要は油と同じって事です。 インディゴって融点(固体から液体へ変わる温度)が390度だから溶かすのが大変。溶けた事に成功しても熱で衣類がやられちゃいますよね(笑) だけど昔の人は試行錯誤して藍染めを成功させてしまうわけです。 その方法が菌を使ってインディゴを還元して別の物質ロイコ体というものに変えて藍染めを成功させたのです。 インディゴ+還元菌→ロイコ体(水溶性) このロイコ体は温度をかけなくても水にとける物質なのです。すごくないですか?390度の熱を加えないと溶けないインディゴが菌によってひょいと水にとけるメカニズム。単純に私はスゴイと思いました。 このロイコ体が水に溶けた状態で衣類に吸収をさせるのです。 ちなみにロイコ体は黄色の発色があります。 液体から出して空気中の酸素に触れると一気に酸化が進みます。 ロイコ体+空気中の酸素→インディゴ(水に溶けない) 綺麗にインディゴの青い発色が起きるわけです。 昔の人は化学がわからないのによくここまでたどり着いたなと感心です。 まとめますと インディゴ+還元菌→ロイコ体 (還元) ロイコ体+空気中の酸素→インディゴ(酸化) 単純な二段階の反応なんです。 本当は化学構造式を書いて説明するのがいいのですが、記載が出来ずに申し訳ございません。 詳細を知りたい方は、イベントなどで質問して頂ければお答えいたします。 天然染色の魅力は尽きないです。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。 Pint!の本藍染めオーガニックリネンハンカチ 蛍 コジマ

藍染め 〜番外編 いただいた蓼藍の種が芽を出しました!〜

おはようございます。 先日の記事でもご紹介した、蓼藍の種。 坂由香里さんからいただいた、蓼藍の種を、家のベランダの鉢で育てています。 種を蒔いてから約1週間で、芽を出しました! 小さな鉢の上、密集して芽を出して来ています。 間引いてやらないとだめだそう。 この芽が育って行って、収穫して、葉と茎を選り分けて、その葉を発酵・熟成させて、蒅(すくも)になります。 この、発酵・熟成が大変な手間と時間がかかるのです。 本藍染めを勉強中のこの身、蓼藍の成長を見守りながら、良い染めのものづくりにいかせるようにしてゆきたいと思います。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。 Pint!の本藍染めオーガニックリネンハンカチ 蛍 中地

箱階段(箱梯子) -日本の民具-

こんにちは、中地です。 記念すべき日本の民具の第1弾はこちら! 先日の三重県への旅で、関宿にて出会った箱階段。 みなさんはご存知ですか? 私はその存在に惹かれてはいたものの、初めて見た、生の箱階段に町家資料館にて興奮して … 続きを読む 箱階段(箱梯子) -日本の民具- → The post 箱階段(箱梯子) -日本の民具- first appeared on PINT Blog.

日本の民具シリーズ、はじまります

こんばんは、今日はこれからシリーズ化するテーマのご紹介。 そのシリーズとは、「日本の民具」です。 「民具」。 なかなか馴染みのない言葉だと思いますが、みなさんは聞いた事ありますでしょうか? 民藝ならなんとなく、という方は、そんなイメージで大体OKです。 定義はいろいろあるようですが、細かいことはどうでもよくって、大体下の感じ(と考えています)。 民具とは、文字通り、民の道具。 古くから人々は、日常生活に必要なものを、身近にある素材で作ってきました。 いわゆる古くからの暮らしの日用品。 もちろん工業製品ではないので、手作りのものを指すイメージです。 民具は必要から生じるもので、機能美に溢れ、というか機能にシンプルに向かっています。 古いものは特にそうです。 あくまで道具ですから、デザインもミニマムで、無駄な装飾がなくて、使用に耐える素材と造りになっています。 それが、ものすごく力強く、凛とした雰囲気なのです。 Pint!では、日本から古く存在する素材や技術を、今の暮らしにフィットさせたいと考えてものづくりをしています。 そのために、職人さんから素材と技術と歴史を学び、一方で使い手のみなさんと一緒に今の暮らしに活かせるもの、道具を考えて行きたいと思っています。 Pint!を始めて、そのあたりを考えて走り続けてはや1年。 以前にも増して、道具や素材の歴史、日本の暮らしの変化への興味が深まってきました。 産地を巡りながら、様々な人や、郷土的な資料、場所との出会いから、学びを少しずつ貯めています。 これからは、その学びをこの場所で共有して発信してゆきたいと思います。

職人と出会う旅 〜三重、滋賀、京都〜 2日目

こんばんは、Pint!の中地です。 先日の、三重〜滋賀〜京都の旅の第2弾です。 2日目は滋賀県は蛭谷へ。 今、サンプル製作を進めているろくろ挽きの木皿。(今月下旬に発売予定です) Pint!が今お頼みしている職人さんは長野県にいらっしゃいますが、 この蛭谷は、ろくろ挽き、いわゆる木の挽きもののものづくりが始まった地域と言われています。 訪れましたが、お休みの日もあってか、お目当ての資料館は閉館していました。 アポイントもなかったので、周辺を散策すると、一軒の工房から木を挽く音が。 一人の木地師の方が小さな工房でろくろで木を挽いていました。 今は引退をなされて、ご自身のペースでときどきろくろを挽いていらっしゃるそうです。 Pint!のこと、ろくろ挽きの故郷ということで資料館目当てに伺った事をお話しすると、 家までお招きいただき、しばしお話をしました。 この地域のこと、お仕事のこと、人生のこと・・・。 歴史やいろいろな思い、貴重なお話をたくさん聞く事ができました。 こういった出会いは本当に嬉しく、素敵な時間でした。 そして、先日挽かれたという、桜の木の器をいただきました。 上に乗っている小さな器がいただいたもの。 下のお盆は、使い込んだ桜の木のお盆。 違う木とはいえ、同じ桜。 使い込むと、このお盆くらいまで濃くなるみたいです。 いただいた宝物を、大事にたくさん使い込んで、いつかこれくらい濃い器にしたいと思います。 そしてそれをお見せしに、また訪れたいと思います。 中地

藍染め 〜その5.植物の神秘、配糖体について〜

連載並みの藍染めレポートが続きます。 なぜ5000年以上も前のミイラを覆う布に藍染が使われていたりなど、日本だけでなく世界各国で藍染が使われていたのか不思議になりませんか? 藍色発見の一つの推測を職人さんが惜しみなく教えてくださいました。 まず人間と植物の大きな違いがあります。 植物は光合成と水と二酸化炭素でエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)を自分で作る事ができます。 我々人間は自分でエネルギー源であるグルコースをつくる事ができないため、植物など食べ物から摂取します。ですから我々は自分の足で歩きエネルギー源を捕獲するために動けるのです。 植物は動かなくても自給自足ができますのでご覧のとおり凛として地に入り動かないのです。 これって当たり前の光景だけどよくよく考えるとすごい事ですよね。フムフム 植物はブドウ糖を自給自足できます。ですが必要な時にブドウ糖を使うために色々な物質(A,B,C・・・)とグルコース(Glc)と結合で存在しています。 それが配糖体(A-Glc,B-Glc,C-Glc・・・)と言われるものです。糖が物質に配位しているから配糖体です。 藍染はインディゴという物質が青色を呈します。植物の葉っぱの中にインディゴとグルコースが結合した配糖体インジカンという状態で存在します。 糖が必要な時になると植物の中にある結合を切る酵素が働きます。インジカンを酵素によって切断をすると青色呈するインディゴとグルコースに分解されます。 普段は使う事がないため、酵素が働いていないので配糖体で貯蔵されています。 植物の葉っぱが緑なのはクロロフィルという葉緑素の色が緑だからです。 ですが、葉っぱを切ったり、枝を切断しますと植物が死にます。 そうすると結合をきる酵素の制御が切れて一気に切断の反応が進みます。 そうするとインジカンがたくさん含まれている葉っぱはインジゴがたくさん出てきて青色がでてくるってわけです。 結果、昔の人々は枯葉などを見た時に青色になっている植物に興味をもち、染色をしたらとても綺麗な色になったのでこの植物は藍染が出来ると断定していたのではないかという推測です。 多く含まれている植物としてタデ科の蓼藍、キツネノマゴ科の琉球藍、マメ科のインド藍、アブラナ科ウォードなどが挙げられます。 ただ単に高濃度インジカンがある植物が世界各国にあって偶然枯れ葉など見て昔の人が手を加えて藍染をしていた歴史。すんばらしい。 なんか化学からアプローチして歴史を紐解くと違った見方が出来て面白くありませんか? 余談ですが、私コジマは薬剤師をやっております。漢方薬のお話を少しさせて頂きます。 実は漢方薬も配糖体なんです。薬の効能があるものと糖が結合しているんです。 じゃあ何処で分解されているの?腸ーでーしょー(某予備校教師風) 人間の腸内細菌はたくさんの種類がいます。飲み始めて分解する腸内細菌を増やして分解をして有効成分が腸内から吸収し、生理活性を示すのです。 ですから漢方薬は効き目がでるのに時間がかかるのはこの腸内細菌の分解速度が関係しているからです。 あと飲んだり飲まなかったりする人(コンプライアンス不良)の人は、効き目が悪いのは腸内細菌が増えないからです。 まさか漢方薬の配糖体と藍染の配糖体がこんな形で繋がるとは思ってもいなかったのでびっくりです。 まだまだ知らない事だらけですが、違ったアプローチをどんどんして皆様に興味を持って頂けるように伝えられたら本望です。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。...