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藍染め 〜番外編 いただいた蓼藍の種が芽を出しました!〜

おはようございます。 先日の記事でもご紹介した、蓼藍の種。 坂由香里さんからいただいた、蓼藍の種を、家のベランダの鉢で育てています。 種を蒔いてから約1週間で、芽を出しました! 小さな鉢の上、密集して芽を出して来ています。 間引いてやらないとだめだそう。 この芽が育って行って、収穫して、葉と茎を選り分けて、その葉を発酵・熟成させて、蒅(すくも)になります。 この、発酵・熟成が大変な手間と時間がかかるのです。 本藍染めを勉強中のこの身、蓼藍の成長を見守りながら、良い染めのものづくりにいかせるようにしてゆきたいと思います。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。 Pint!の本藍染めオーガニックリネンハンカチ 蛍 中地

箱階段(箱梯子) -日本の民具-

こんにちは、中地です。 記念すべき日本の民具の第1弾はこちら! 先日の三重県への旅で、関宿にて出会った箱階段。 みなさんはご存知ですか? 私はその存在に惹かれてはいたものの、初めて見た、生の箱階段に町家資料館にて興奮して … 続きを読む 箱階段(箱梯子) -日本の民具- → The post 箱階段(箱梯子) -日本の民具- first appeared on PINT Blog.

日本の民具シリーズ、はじまります

こんばんは、今日はこれからシリーズ化するテーマのご紹介。 そのシリーズとは、「日本の民具」です。 「民具」。 なかなか馴染みのない言葉だと思いますが、みなさんは聞いた事ありますでしょうか? 民藝ならなんとなく、という方は、そんなイメージで大体OKです。 定義はいろいろあるようですが、細かいことはどうでもよくって、大体下の感じ(と考えています)。 民具とは、文字通り、民の道具。 古くから人々は、日常生活に必要なものを、身近にある素材で作ってきました。 いわゆる古くからの暮らしの日用品。 もちろん工業製品ではないので、手作りのものを指すイメージです。 民具は必要から生じるもので、機能美に溢れ、というか機能にシンプルに向かっています。 古いものは特にそうです。 あくまで道具ですから、デザインもミニマムで、無駄な装飾がなくて、使用に耐える素材と造りになっています。 それが、ものすごく力強く、凛とした雰囲気なのです。 Pint!では、日本から古く存在する素材や技術を、今の暮らしにフィットさせたいと考えてものづくりをしています。 そのために、職人さんから素材と技術と歴史を学び、一方で使い手のみなさんと一緒に今の暮らしに活かせるもの、道具を考えて行きたいと思っています。 Pint!を始めて、そのあたりを考えて走り続けてはや1年。 以前にも増して、道具や素材の歴史、日本の暮らしの変化への興味が深まってきました。 産地を巡りながら、様々な人や、郷土的な資料、場所との出会いから、学びを少しずつ貯めています。 これからは、その学びをこの場所で共有して発信してゆきたいと思います。

職人と出会う旅 〜三重、滋賀、京都〜 2日目

こんばんは、Pint!の中地です。 先日の、三重〜滋賀〜京都の旅の第2弾です。 2日目は滋賀県は蛭谷へ。 今、サンプル製作を進めているろくろ挽きの木皿。(今月下旬に発売予定です) Pint!が今お頼みしている職人さんは長野県にいらっしゃいますが、 この蛭谷は、ろくろ挽き、いわゆる木の挽きもののものづくりが始まった地域と言われています。 訪れましたが、お休みの日もあってか、お目当ての資料館は閉館していました。 アポイントもなかったので、周辺を散策すると、一軒の工房から木を挽く音が。 一人の木地師の方が小さな工房でろくろで木を挽いていました。 今は引退をなされて、ご自身のペースでときどきろくろを挽いていらっしゃるそうです。 Pint!のこと、ろくろ挽きの故郷ということで資料館目当てに伺った事をお話しすると、 家までお招きいただき、しばしお話をしました。 この地域のこと、お仕事のこと、人生のこと・・・。 歴史やいろいろな思い、貴重なお話をたくさん聞く事ができました。 こういった出会いは本当に嬉しく、素敵な時間でした。 そして、先日挽かれたという、桜の木の器をいただきました。 上に乗っている小さな器がいただいたもの。 下のお盆は、使い込んだ桜の木のお盆。 違う木とはいえ、同じ桜。 使い込むと、このお盆くらいまで濃くなるみたいです。 いただいた宝物を、大事にたくさん使い込んで、いつかこれくらい濃い器にしたいと思います。 そしてそれをお見せしに、また訪れたいと思います。 中地

藍染め 〜その5.植物の神秘、配糖体について〜

連載並みの藍染めレポートが続きます。 なぜ5000年以上も前のミイラを覆う布に藍染が使われていたりなど、日本だけでなく世界各国で藍染が使われていたのか不思議になりませんか? 藍色発見の一つの推測を職人さんが惜しみなく教えてくださいました。 まず人間と植物の大きな違いがあります。 植物は光合成と水と二酸化炭素でエネルギー源であるグルコース(ブドウ糖)を自分で作る事ができます。 我々人間は自分でエネルギー源であるグルコースをつくる事ができないため、植物など食べ物から摂取します。ですから我々は自分の足で歩きエネルギー源を捕獲するために動けるのです。 植物は動かなくても自給自足ができますのでご覧のとおり凛として地に入り動かないのです。 これって当たり前の光景だけどよくよく考えるとすごい事ですよね。フムフム 植物はブドウ糖を自給自足できます。ですが必要な時にブドウ糖を使うために色々な物質(A,B,C・・・)とグルコース(Glc)と結合で存在しています。 それが配糖体(A-Glc,B-Glc,C-Glc・・・)と言われるものです。糖が物質に配位しているから配糖体です。 藍染はインディゴという物質が青色を呈します。植物の葉っぱの中にインディゴとグルコースが結合した配糖体インジカンという状態で存在します。 糖が必要な時になると植物の中にある結合を切る酵素が働きます。インジカンを酵素によって切断をすると青色呈するインディゴとグルコースに分解されます。 普段は使う事がないため、酵素が働いていないので配糖体で貯蔵されています。 植物の葉っぱが緑なのはクロロフィルという葉緑素の色が緑だからです。 ですが、葉っぱを切ったり、枝を切断しますと植物が死にます。 そうすると結合をきる酵素の制御が切れて一気に切断の反応が進みます。 そうするとインジカンがたくさん含まれている葉っぱはインジゴがたくさん出てきて青色がでてくるってわけです。 結果、昔の人々は枯葉などを見た時に青色になっている植物に興味をもち、染色をしたらとても綺麗な色になったのでこの植物は藍染が出来ると断定していたのではないかという推測です。 多く含まれている植物としてタデ科の蓼藍、キツネノマゴ科の琉球藍、マメ科のインド藍、アブラナ科ウォードなどが挙げられます。 ただ単に高濃度インジカンがある植物が世界各国にあって偶然枯れ葉など見て昔の人が手を加えて藍染をしていた歴史。すんばらしい。 なんか化学からアプローチして歴史を紐解くと違った見方が出来て面白くありませんか? 余談ですが、私コジマは薬剤師をやっております。漢方薬のお話を少しさせて頂きます。 実は漢方薬も配糖体なんです。薬の効能があるものと糖が結合しているんです。 じゃあ何処で分解されているの?腸ーでーしょー(某予備校教師風) 人間の腸内細菌はたくさんの種類がいます。飲み始めて分解する腸内細菌を増やして分解をして有効成分が腸内から吸収し、生理活性を示すのです。 ですから漢方薬は効き目がでるのに時間がかかるのはこの腸内細菌の分解速度が関係しているからです。 あと飲んだり飲まなかったりする人(コンプライアンス不良)の人は、効き目が悪いのは腸内細菌が増えないからです。 まさか漢方薬の配糖体と藍染の配糖体がこんな形で繋がるとは思ってもいなかったのでびっくりです。 まだまだ知らない事だらけですが、違ったアプローチをどんどんして皆様に興味を持って頂けるように伝えられたら本望です。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。...

職人と出会う旅 〜三重、滋賀、京都〜 1日目

こんばんは、Pint!の中地です。 先週は、三重〜滋賀〜京都を旅してきました。 1日目、夕方に東京を出発、夜に三重県にて宿泊。 明日からの予定にわくわくしながら就寝。。 翌朝は、ギャラリーショップの而今禾さんを訪れてみたいのと、古い宿場町の町並みが残っているという関宿へ。 古い素敵な町並みです。漂う空気が違います。 町家や宿の資料館、博物館が、古い民具が残されており、すごーく興味深かったです。 Pint!をはじめたとき、意識していたのが古い民具。 イメージとしては民芸よりももっと前、自らの生活のために、自らの身の回りの素材を使って、 自ら道具を作る。 まさに民の道具です。 こういう道具は、シンプルさと機能美に溢れていて、力強さを感じるのです。 これから、インスピレーションと言わなくとも、民具のお話は、これからたくさんアップしてゆきたいと思います。 町家で見られた民具は、例えばこんなもの。 箱階段。 文字通り階段になっているのですが、その階段下は、このように箪笥や収納になっています。 1段毎、箱を積み重ねるイメージで作られた超合理的な空間設計です。 憧れの箱階段、生で見られて興奮! 障子も大好きで、美しくうっとりします。 デザインも様々。 宿は関宿の中でも人気だったという玉屋旅館。 なんと、寝室が再現されています。 のみ避けの意味も兼ねて、布団は藍染めを使っていたらしいです。 なんとも贅沢。 そしてかっこいい! 旅の道具も少なく、シンプルイズベスト。 すごく憧れます。 こんな、素敵なものや昔のスタイルとの出会いと学びがたくさんありました! お仕事につながりそうなお話も。 夏迄には発表出来る予定です。...

日本橋三越本館2F イベントショップでお取扱い中です

前回の記事でご紹介した、Lil limoさんが六本木ヒルズと並行して日本橋三越で展開されているイベントショップでも、 Pint!のトートバッグの販売がスタートしました。 モロッコ雑貨などと一緒に展開くださっています。 カラフルな色使いが、春夏にぴったりです。 カラーは6色。 お近くにいらした際は、是非足をお運びください。 お店には来られないけど製品が欲しい!という方は、生地がある限りつくりますので、HPよりお問い合わせくださいませ。

Lil limo 六本木ヒルズイベントショップでお取扱い中です

Lil limoさんが六本木ヒルズで展開されているイベントショップで、 Pint!のトートバッグを販売してくださっています。 Lil limoさんはリゾートやお出かけをテーマに、明るい色使いや春夏らしい素材使いの アイテムを展開されています。 Pint!の限定生地のカラフルなシャンブレー生地を、2サイズのトートバッグに仕立てて、 オリジナルのトートバッグをつくりました。 バッグ2サイズはこちらです。 通常のPint!トートバッグサイズ。(バンダナはディスプレイ用の別ブランドさんのものです。) A4サイズ カラーは6色。 すごくかわいく仕上がりました。 カラフルなシャンブレー生地でリネン100%、サブバッグとして畳める軽さなので、 いろんな場面で活躍すると思います。 是非足をお運びください。 お店には来られないけど製品が欲しい!という方は、生地がある限りつくりますので、HPよりお問い合わせくださいませ。

藍染め 〜その4.藍の種〜

藍染めのお話が続きます。 それもそのはず、またもや、藍染め職人の坂さんの工房にお邪魔してきたのです。 これから気温も上がって来て、藍染めのシーズンになります。 来月発売予定のサンプルを、昨年の藍釜で試作です。 染めの絞り技術の色々を教えていただきながら、実際に絞りの仕込みをさせていただきました。 このレポートは後日アップします。 坂さん、絞りも染めも全て手がけられるのですが、もっと遡って、原料の藍をも育てようとされています。 とは伺っていたのですが、なんと工房の隣に、小さな畑をつくっていました! さすがです。 文字通り、藍染めの最初から最後までですね。 前回の記事で、乾燥した藍をご紹介しましたが、これについている種を取って、畑で育てているのです。 既に芽がちらほら出ていました。 しかも、私も種をいただきました! 早速、ベランダの鉢に蒔きましたよ。 数週間で芽が出てくるそうです。 水が好きらしいなので、毎日しっかり水やりして育てたいと思います。 そして工房の畑の育ち具合も気になります。 工房に行く楽しみが一つ増えました。 坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。 Pint!の本藍染めオーガニックリネンハンカチ 蛍

藍染め 〜その3.天然藍と合成インディゴの違いは何?〜

藍染め探求は続きます! 今日は、今Pint!が職人の坂さんと取組んでいる天然藍と、いわゆる合成インディゴの違いについて。 インディゴとよく耳にしますが、天然藍と合成インディゴの違いって一体何だろうと本を読みあさり、少しずつですが藍の歴史や化学を知る事ができました。 藍染の歴史はとても古くエジプトでは5000年以上前のミイラが藍染の布をまとっていたそうです。エジプトだけでなく世界中のあちこちで異種民族が独自文化の中で藍染を使用していたのはとても興味深いです。 18年の長い合成研究によりこの美しい青色(indigo)の化学構造決定を行ったのが約100年前の1883年A.バイヤー(ドイツ)によって発表され、その功績が認められ1905年(明治38年)にノーベル化学賞を受賞。 この化学構造式決定により染料化学工業が産業革命の追い風を受け一気に加速します。 1897年(明治30年)のイギリス植民地であったインドにおける天然藍の輸出高は10000トンでドイツではわずか600トンでした。 この合成インディゴが生産されると1911年(明治44年)にはインドの天然藍輸出高860トン(9140トン↓)に激減し、ドイツの合成インディゴ輸出高は22000トンに激増しました。 合成インディゴは安価で大量生産が出来るため効率化が進みたくさんのモノに使われるようになりました。 合成インディゴは別名ピュアインディゴ(pure indigo)といわれ、化学的に精製され純度の高いインディゴを指します。 このため時間がかかり量が不安定で、不純物の多い天然藍は、どんどん衰退の道をたどるのです。 インディゴの発見から約100年経った現代の私達の生活では当たり前のように日用品に合成インディゴが使われています。 職人さんから頂いた手ぬぐいで天然藍の青を見た時に、明らかに合成インディゴの青とまったく違うものだと感じて見入ってしまいました。 この深みのある青は一体なぜだろうと考えました。 違いは「不純物」でした。確かに天然藍も合成インディゴも特定の色を判断する吸光度測定を使用するとインディゴを含むピークが一致しているため同じ青が入っているのが証明されています。 しかし、天然藍にしかない「不純物」こそが機械や化学合成では出すことが出来ない天然の美しさの秘密なのです。 この不純物はいろいろな条件下で様々な反応を起こします。インディゴブラウンやインディゴブルーやインジルビンなど様々な色が交じり合っているために独特な青を生み出しています。 天然藍は合成インディゴと違って単一成分ではなく、不純物を含んだ複合成分が交じり合っているのです。 天然藍職人の坂さん曰く、「この青の中にはたくさんの色が入っているため、どの色ともあわせやすくなるんです。」とおっしゃられていました。 だから藍染のアイテムをコーディネイトをする時に、ほとんどの色に合わせやすい理由がここにあるのだとわかりました。 この「不純物」に人間の目が感じる温もりや奥行きがあるのだと確信しました。 Pint!はこんな感じで一つ一つモノの本質だったり奥行きを常に考えているプロダクトブランドです。 是非これからも職人さんと使い手のあなたといっしょにたくさんのプロダクトを手掛けて参りますのでどうぞ応援宜しくお願い致します。 まだまだレポートは続きます・・・・              坂由香里さんに本藍で染めていただいた絞り柄ハンカチ、限定個数で販売開始しました。 Pint!の本藍染めオーガニックリネンハンカチ 蛍